猪狩はわかるけど何で失禁を挟んだ。
本編でも失禁するのか?
わりと普通に失禁してたな……
独歩と蹴速がお互いに蹴りと蹴りの激突が終わり無事に着地する。
砕けた踵で蹴った蹴速も一見すれば問題なく立っている。
しかし、ダメージがより増しているのは間違いない。せめて相打ちが限界だ。
一方で独歩は問題なさそうだ。
さらに四股立ちではなくお得意の天地上下の構えを取る。
独歩は内心では四股立ちを思いつきで取ったことを語る。
そうか……あまり考えていなかったのか……
結果としては技工を凝らした駆け引きではなく、四肢を直接ぶつけ合う展開になって優位を取ったのだから正解ではあるけど。
独歩の天地上下の構えはほぼ全ての対戦相手に取っている恒例の構えだ。
生涯最強の強敵、勇次郎相手にも天地上下の構えをしている。
つまりは独歩の本気の構えであり、蹴速は本気に値すると認めたのだ! 多分!
そこのところ、いまいち強いかどうかわかりにくいのが蹴速さんだ。
殺生石砕くくらいなら多分洋王レベルでもできますよ。
「蹴り込んだ足刀の手応え―――――」
「「踵」のものじゃなかった」
「脆い―――――」
「既に壊れているものを砕いた感触だった」
と、本気になったと思ったら独歩は構えを解き、試合の幕引き、つまりは降参を推奨した。
独歩は二度の接触で右踵が完全に砕けていることを確認したのだった。
片足が使えないのは致命傷だ。
片腕が使えなくなっても勝った格闘はいても、片足が使えなくなっても勝った格闘家はいない。
足を使えなくなるということは逃走において致命傷なのだ。
足がなくても戦えるのはジオングくらいですよ。
まぁ、バキ世界において烈海王の例を見るに片足の喪失はあまり大きなダメージに感じないけど……
独歩はかつてドリアンやJr.の折れた部位を追撃している。
既に壊れているものを砕いた感触を独歩は知り尽くしているのだ。
そして、独歩はこうした行為を躊躇わない男である。
降伏勧告はこうした自身の危険性を自認しているからか。
将来のある若者に過度なダメージを与えたくない気遣いもあるかもしれない。
いや、Jr.をボコボコにしたからそれはないか……
それに対し蹴速は右足で鼻をつまみ、独歩に届くばかりか、柵にひっつく勢いで鼻水を飛ばす。
足の器用さと凄まじい肺活量を物語っている。
そして、鼻水をぶっかけると無礼である。
「幕を引くのはアンタじゃねぇッッ!!!」
蹴速、キレた!!
戦士には気遣いは侮辱。蹴速の闘争心は昂ぶるのだった。
こうなれば仕切り直すわけにもいかないし、自分から逃げ道を断ったことになる。
降伏勧告は蹴速を気遣ったというよりも、怒らせて逃げ道を潰すための独歩の老獪な一手だったのかも。
打撃の感触や相手の重心からコンディションを悟る洞察力、老練な駆け引きと独歩のベテランの手腕が活かされている。
この人、何でここまで達者なのに無警戒に力士に腕折られたんだろ……
蹴速は独歩に突っかける……が、足を引きずって重心がメチャクチャだ。
右踵のダメージはやはり深刻らしい。
これでダメージがあることを完全に晒してしまった。
どんどんとダメージを見せてしまう蹴速であった。
やせ我慢は得意でも駆け引きはあまり得意じゃないようだ。
それでも蹴速は仕掛ける。左のパンチである。
しかし、重心が狂ったパンチなど物の数ではないのか。
独歩はあっさりとかわして右足の甲に足刀を叩き込む。
ダメージを負った部位にさらにダメージを重ねるのが独歩の流儀である。
これはキツいし痛い。
さらに独歩は胸に中段突き5段を放つ。
勇次郎に放たれた際にはあの本部をして勝負ありと判定し、ドリアンに放たれた際には筋肉越しに胸骨が砕かれた最上級の破壊力を誇る連打である。
真っ正面からの一直線の打撃だけに綺麗に入ることは滅多になさそうだが、そのための隙を作るために右足に追撃をしている。
独歩は過去にも同じように下地を作って相手の隙を生み出してから放っている。
大技をしっかり当てるための地盤作りしているのもベテランらしさか。
この5連打を食らって蹴速は吐血する。
間違いなく甚大なダメージを負っている。
だが、大ダメージを負いながらも独歩の両肩を掴んだ。
打撃だけでなく掴んでからの攻防も相撲の一つだ。
致命傷を負った蹴速は得意の蹴りではなく、相撲の選択肢の一つである掴み技や投げ技に活路を見出そうとしているのか?
独歩が強いし、その上、しっかりしている。
持ち味を活かしているし年季を物語る巧みな攻防をしている。
最近の独歩は噛ませ犬になりがちだったから、強みをしっかりと見せているのは嬉しい。
こんなこと、前も書いた気がするけど、まぁ、休載が長引いたので再放送ということで。
対して蹴速はいいところなしだ。
そもそも仕切り直せばノーゲーム!みたいな考えがいまいちですからね。
好感を持てるところがあまりない。
このまま負けても悲しむ声は少なさそう。
右足を砕かれ胸骨もメチャクチャになった。
ここから勝てる要素はなさそうなので仕切り直そうにも受けてしまったからにはなかったことにできないだろう。
どうやって蹴速卍リベンジャーズするのかは気になるけど、このまま負けてもおかしくないのが古代相撲編なんですよね。
散々持ち上げられた上でいいところなしで零鵬が負けているし油断できない。
過去のバキシリーズにおける仕切り直しの王様はドリアンだ。
敗北を宣言しておきながら何食わぬ顔で独歩にリベンジしている。何なら成功している。
あんな感じに蹴速もやってみるか?
その果てにドリアンは精神崩壊したんですけどね。
いきなり現れていきなり負けていきなり精神崩壊したら伝説になるから蹴速は狙ってみるか?
休載なしの次週の次回へ続く。