バキ道感想 第148話「角力(すもう)との決着」



野見宿禰、9.01秒で陥落!!
戦艦陸奧のような堂々たる最期だった。
だが、あと1秒残っている。
蘇れ、宿禰! 今の刃牙は余裕の油断だぞ!!

「勝負あり!!!」

が、ダメ! 勝負あっちゃった!!
勝負ありのコールがかけられればそれはもう勝負ありですよ。
ここからの逆転は存在しない。バキワールドの蛍の光です。

勝負ありのコールから間もなく宿禰は目覚める。
殴りかかった瞬間には負けていたのだが、敗北したことはしっかり認識している。
背中を向ける刃牙に仕切り直しを仕掛けることはなかった。
蹴速と違って潔い。いや、蹴速の仕切り直せばおk理論はよくわからないのですが。

「強ぇえッッ」
「刃牙強ぇえッッ」
「逆に秒殺しやがったァッッ」
「10秒決着ってことのことォ!!?」


観客たちは盛り上がるが盛り上がるような試合だったのかは疑問だ。
読者視点では塩試合の極みである。感想にだって困る。
でも、満員御礼の大熱狂の試合なのであった。
まるでなろう系主人公のような持てはやされ方だ……!

でも、刃牙が塩試合をするのは今回に限った話ではない。
『刃牙道』の序盤でアトラスや名も無き格闘家をアクビ混じりに瞬殺している。
あまりの強さに基本瞬殺になっているし、それをわかった上で観客たちは刃牙の試合を見に来ている。
もはや名勝負よりも刃牙の異次元の強さを目当てで地下闘技場を訪れているのかもしれない。
だとしたら9秒決着は盛り上がりますよ……

刃牙は歓声を受けながら闘技場を去る。
宿禰も一例をして闘技場を去った。
惨敗であったが一礼を忘れない潔さを見せた。
仕切り直せばおkの蹴速と違って堂々としていると言えよう。
……何か褒める部分が少ないからこういうところだけでも褒めておかないと。

「結果だけ見るなら――――」「“秒殺KO”――――が しかし」
「凄まじい強敵でした」


出た。刃牙の敗者を変に立てる癖だ。
そんなことを見届け人に言うのだった。
心に響かんな。言葉が軽い。
Jr.や炎を圧倒した時も同じように相手を立てた。
立てたけど、結果が結果だけに上辺だけに感じられてしまうのが範馬刃牙である。

「野見宿禰と真向勝負などできるハズもない」「小細工で勝負」
「身体が勝手に動きを選んでくれた」「そんな立ち合いでした」


こうして後日。
徳川邸で刃牙と宿禰は見合っていた。
完敗だったと語る宿禰に対して、小細工をしたと語る刃牙であった。
ここでも相手を立てるのだが、宿禰相手に真っ向勝負で勝ったジャックやオリバに刃牙は真っ向勝負で勝っている。
やっぱり上辺だけのお世辞っぽさが拭えない。
君のこういうところが良くないと思うゾ。

身体が勝手に動いたと刃牙は言っている。
宿禰は10秒で決めようと過剰なまでにウォーミングアップした結果、不適切な攻めを選んでしまったのかもしれない。
対する刃牙はどうとでもなれ何とかなるさ主人公だからなの精神で行った結果、適切な返しをできたと。
納得行くような行かないような……
ともあれ、宿禰の隙を突いたのは間違いないだろう。
刃牙にとってはそれさえも小細工らしい。本来ならアクビ混じりで瞬殺したかったとか?

「正しい選択です」「小細工とは「技術」に他ならない」

宿禰はこう語るがお前はお前で態度がデカい。
ええい、惨敗なんだから謙虚でいろ。
あと真っ向勝負でも刃牙は勝っていたと思う。
主人公だからと言うよりもフィジカル最強の勇次郎と真っ向殴り合っている。
宿禰相手にも楽勝ですよ。鬼の貌を出しさえすればね。

「長きに渡った」「「角力すもう」との対峙――」
終了おわった気がします」


終わったァアアアアアアアアアアア!! 相撲終わったァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?
強引にまとめやがった範馬刃牙さん。
終わったというよりも終わらせたって感じだ。

長きに渡ったって刃牙としては宿禰と軽く手合わせした後に炎とまぁまぁガチり、そして、9秒で仕留めたくらいだ。
全然長きに渡っていないし何なら1年ほど紙面に顔を出さなかった。
いや、連載時間としてはバキ道開始から5年。それなりに長く続いたんですけどね。休載多いからこそ長く続いた感じはある。
でも、刃牙さんは全然対峙してなかったよなぁ……

ともあれ、相撲編の終わりが告げられた。
宿禰が瞬殺された以上は続ける理由もなかろう。
10秒の密度、よくわかんなかったですね。
用意された10秒の密度よりも武術家のナチュラルな反応の方が上ってことか?
うーむ、結局相撲のステータスは低いままのような……

ここで蹴速が姿を現す。
宿禰は負けた。ならば仕切り直しは俺の番!
……と思いきや飯に誘うのだった。
すると徳川邸の一室に巨大鍋で煮込まれたちゃんこ鍋が待ち構えていた!
あんたが作ったんかい!?
仕切り直し精神はどうかと思うけど、宿禰へのアドバイスやちゃんこ鍋を振る舞うなど蹴速はわりとナイスガイですね。
仕切り直し精神さえなければ……

ちゃんこ鍋はその量もさることながら、ビール瓶も傍らにいくつも並んでいる。
完全に宴ですね。
この食事を刃牙は受けるのだった。
こうして共に戦った強敵と一緒に飯食って終わり!
相撲編終わり!! 次号休載!!!
はい、終わりました、相撲編……
来週は相撲編のまとめを書きます。お楽しみに!