第12話がGの締めなら第13話はGXの締めだ。
頑張れ、マリアさん。
もう全裸ディナーショーはやらなくていいぞ!
……多分。
「君、大丈夫かッ!?」
前回の締めで安らかな眠りについたと思われたエルフナインだったが、存外平気そうであった。
まぁ、締めで死亡確認することはよくあるのがシンフォギア。
無論、死亡確認は生存確認と同義。
塾で習った。
「涙……ッ!?」
落涙……ッ!?
いや、まぁ、ぽんぽん痛ければ落涙もするでしょう。
それは置いておいてエルフナインは泣くのだった。
キャロルに対する敵愾心以上の何かがあることが伺える。
敵がただの敵ではないのがシンフォギアもとい金子彰史作品なのだ。
そんな中でわりと真面目にただの敵を貫いたウェル博士は逸材。
「単騎対六騎――」
「錬金術士であるならば彼我の戦力差を指折る必要もないであろうッ!」
「おまけにトドメの
「これ以上はもう終いだッ!!」
奇跡を殺戮することによって6人揃ってXDを纏った。
錬金術関係なしに質と量で圧倒している。
もはや羽交い締めにして腹を殴り続けるだけになりかねない。
なので、改めて降伏勧告であった。
装者は戦うために戦うわけでないのだ。
今回はキャロル側の背景が見えているのでなおさらだろう。
「奇跡を身に纏ったくらいでオレをどうにかできるつもりか?」
だが、このロリババァ、XDを前にしても徹底抗戦の構えだ。
シンフォギアのラスボスは万策尽きてからが手強い。
絶対に負けられないのはラスボスも一緒なのだ。
戦う理由がなくとも戦うのがラスボスらしさか。
しかし、こんな顔をした人の言葉とは思えんな!
あ、こっちでした。
想定外には弱いけどすぐに落ち着くのがキャロルの性格のようだ。
「みんなで紡いだこの
「『奇蹟』の一言で片付けるデスかッ!!」
今回のXDはただの奇跡ではなく、奇跡の殺戮によって手にしたモノである。
きりしらにもその自覚があるようなので、奇跡扱いにはご立腹であった。
なお、かつて金子彰史は与えられる奇蹟と自らで残す奇跡で使い分けたことがある。
この辺はテキストならまた違う表現になりそうだ。
やはり、シンフォギアのゲーム版が必要デスね……
「――片付けるともッ!!」
「奇跡など――あの日、蔓延する疫病より村を救ったオレの父親は、衆愚によって『研鑽』を『奇跡』へとすり替えられた」
「そればかりか資格なき奇跡の代行者として焚刑の煤とされたのだッ!!」
ここでイザークの死の真相が語られた。
言葉にすると短く、そして単純なものであった。
中世の時分では誤解と不理解が歯止めの効かない暴力となることがままある時代であったし、魔女狩りが行われた過去もあって錬金術は悪魔の智慧として裁かれたのだろう。
第2話の「お前も人助けして殺されるクチなのかッ!!」の言葉の真意はそういうことであった。
そんなわけで第6話の冒頭で語られた仙草アルニムはイザークの死に繋がっていたのだった。
あの想い出は悲劇へ繋がるプロローグであり、だからこそキャロルは大きな想い出として刻み込んでいたのだろう。
仙草アルニムは戦争アルニムであった……
「お父さんを……?」
「焚刑の煤」とわかりにくい例えだが、ちゃんと響は理解したようだ。
これは日頃からわかりにくい例えをする人間が側にいて鍛えられたのだろう。
防人先輩とかきねくり先輩とか。
素直に火あぶりの刑と言えばいいのに焚刑の煤と表現するのが金子節。
これを流れるようにできるようになれば、シンフォギアというアニメの脚本を任せられるぞ。
みんなで頑張ろう。
「万象に存在する摂理と術理――」
「それらを隠す覆いを外し、チフォージュ・シャトーに記すことがオレの使命」
「即ち万象黙示録の完成だった」
「……だったのに――……」
「キャロルちゃん……泣いて――」
落涙……ッ!?
エルフナインから答えを受け取ったはずだが、認めず万象黙示録の完成を掲げるキャロルであった。
だが、チフォージュ・シャトーはチフォージュ・トチョーへと変わってしまった。
父への想いを遂げられない現実には泣かざるをえない。
あとそれもこれもウェル博士のせいだと思うと泣きたくもなろう。
「『奇跡』とはッ、蔓延る病魔にも似た害悪だ」
「故にオレは殺すと誓ったッ!」
「だからオレはッ、奇跡を纏うモノにだけは負けられんのだッ!!」
イザークが焚刑の煤とされた経験から奇跡を憎悪するようになったキャロルだった。
響を敵視していたのも奇跡で適合者となったからか。
だが、シンフォギアにおける奇跡は全てが一生懸命の産物であり、ある種の必然でもある。
キャロルにとっての錬金術もその言葉通り、研鑽という名の一生懸命によって奇跡に等しい事象を生み出すモノだったのだろう。
だが、その一生懸命を奇跡と否定された過去から、キャロル自身も奇跡を、一生懸命を否定する主義となったのか。
悲しいことにかつてイザークを裁いた側の人間の思考となっているのだった。 計画の遂行を何よりも優先したのは奇跡の介入する余地をなくすためか。
「チフォージュ・シャトーを失ったとしても世界を分解するだけなら不足はないということかッ!!」
というわけで最終回恒例のノイズさんパーティはーじまーるよー!
理解を捨てた分解の構えだ。
色取り取りのノイズさんが出てきてまさに最終回といった風情である。
でも、アルカ・ノイズはやる気のないことに定評があるから……
本当にやる気アルカ?(激うまギャグ)
「響……響ッ!」
「その声、お父さんッ!?」
「泣いている子が、ここにいるッ!!」
ここで洸からのエール!
た、大変困るエールだな……どないせえと……
だが、かつて子供たちの避難をマッハで断った男の言葉とは思えない。
いや、目の前に泣いている少女がいれば気にしてしまうのが本来の洸だったのだろう。
そんな洸の性格が響に受け継がれたからこそ、響はキャロルの涙に心を揺らめかしたに違いない。
ならば大好きだった頃の洸を伝えるのは、戦場にいる響にとって最高のエールに違いない。
「泣いている子には、手を差し伸べなくちゃねッ!」
「何もかも――壊れてしまえばァアアァアアッ!!」
響は父の意志を継ぎキャロルと向かい合う。
対するキャロルは父の遺志からかけ離れた道を歩もうとしている。
父を持つ2人の道はまたも交錯しようとするのだった。
そして、本気の人助けと本気の破壊の衝突でもある。
様々な真逆の道を歩む2人であった。 2人の対比がGXの主軸であり、その決着が最終話のテーマであった。
というわけで、町を破壊するアルカ・ノイズたちである。
何とアルカ・ノイズたちが動いている!
動くことを諦めたアルカ・ノイズたちにまだその意志が残っていようとは……!
ところで巨大アルカ・ノイズさん、アンタあれですよね。
バル○ン星人ですよね。
ハサミ状の手に2つに分かれた頭部と特徴が見事に揃っているのですが……
やはり、ノイズは怪獣であった。
「翼さんッ!!」
「わかっている、立花ッ!」
「スクリューボールに付き合うのは初めてじゃねえからな」
「そのためにも散開しつつアルカ・ノイズを各個に打ち破るッ!!」
響の本気の人助けはみんなで援護だ。
ここでかつての迷いを叱咤したマリアが響を支えようとしているのが胸が熱い。
第3話のすれ違いも響に迷いがあったからであったし、響に迷いがなく本気ならばそれを支えるのがマリアという人間なのだ。
何せマリアは響とは似た者同士であると同時に、響の本気の人助けによって救われた人間である。
ならば、響の本気の人助けをするのならば当然支えようというものだ。
ところでさりげなく指示を出す辺り、リーダーシップの塊のマリアであった。
翼は指示力があまりないというか、行動で引っ張るタイプでしたからな……
マリアは行動はもちろんちゃんと指示も出しているのが心強い。
リーダーとして理想的だ。
なお、迷いまくっている頃のマリアは行動もいまいちだし指示も出せないしで大変アレ。
逆に言えば迷わず行動し支持を出す今のマリアさんは成長が伺えるというものである。
「託す魂を――繋ぐ魂を――ッ!!」
そして、ついにXDで戦う!
その
全ての聖詠の原型となったシンフォギアの始まりの歌である。
第2期に続いてラストバトルを飾り、「逆光のフリューゲル」に続くシンフォギアの看板曲となった。
これはGの締めであるGXだからでもあるか。
さて、響は相変わらずリアルガングニールパンチだ。
XDになると槍になるのは恒例のようだ。
見た目通り破壊力抜群なので前ダッシュするだけでアルカ・ノイズたちが爆発していく。
ガンダムWかな?
(あの子もあたしたちと同じだったんデスね)
(踏み躙られて、翻弄されて――)
(だけど、何とかしたいともがき続けて……)
調と切歌もキャロルの成り立ちを理解して、自分たちを同じ悲しみを背負っていることを知った。
どうしようもない力に翻弄されたという点でF.I.S.の境遇と被るのだろう。
そこから何かしようと悪に手を染めたのも同じか。
そんな暗闇から救われた経験を持つ2人だからこそ、キャロルも救いたいと思うのは必然か。
ところで何を操作しているのか。
ついに合体ザババロボか?
第2期のグレート調ロボは(いろいろな意味で)大好評でしたからな。
GXでも炸裂させてバンナムにMGグレート調ロボGXを出してもらおう!
肘も膝も180度曲がるぞ!
――って、これ、ルンバじゃねえか!!
合体ロボットを出してくることを期待し予想したらまさのルンバ!
これには笑いが止まらない。
見た目はもちろん、ポヨポヨポヨと緊張感のないSEがこのデスデスルンバの凄まじさを増させる。
いや、まぁ、こんなものが斬りかかると思うと怖いけどよ……まさに鏖鋸で獄鎌だけどよ……
すまん、獄鎌というか鎌要素ねえわ、これ。
最終回の盛り上がる流れで天然ボケを投げつけるシンフォギアイズムは健在だ。
今回は力のボケと技のボケが見事に融合したと言えよう。
上から見るとGXな辺りも芸コマ。
では、本物のルンバと比べて見よう。
うん、そっくりですね!
デスデスルンバはアルカ・ノイズを掃除した後に背面からプリママテリアを排出する辺り芸コマというか、実に掃除機。
たしかに入り組んだ市街地に跋扈するアルカ・ノイズを掃除するには、グレート調ロボよりデスデスルンバの方が効率的なのはたしかデスけどよ……
なお、掃き残しがたくさんある模様。
ダメじゃねーか、デスデスルンバ!
(違っていたのは独りぼっちだったこと――)
(ただそれだけッ!!)
だが、F.I.S.装者たちとキャロルの決定的な違いは独りか否かだ。
歪んだ環境にいながらもF.I.S.装者が歪むどころか、むしろ二課装者たちに負けないくらいに真っ直ぐだったのは独りではなかったからに違いない。
支え支えられるのがシンフォギアなのだ。
繋がることがシンフォギアの大きなテーマである。
というわけで、今回はちゃんと戦うマリアだ!
第2期のラストバトルはバフ役に専念したが、今回はバルタンノイズを倒す大活躍ぶりである。
そして、大剣になれどやっぱり蛇腹剣なアガートラーム。
身長170cmにバスト96と大きいくせに何か縮ましい部分があるマリアらしいですね。
いや、今のマリアは立派に大きな人間になったと思いますがね……
(救ってあげなきゃな)
(何せあたしも救われた身だッ!)
手を伸ばされ独りでなくなったことで救われたのはクリスも同じである。
なので、キャロルも救うと誓うのだった。
そのためにもまずはメガ粒子砲と拡散メガ粒子砲で一掃するクリスだ。
MAP兵器は任せろーバリバリ!
大部分の一掃はクリスがやり、大物はマリアが担当、細かいところに残ったアルカ・ノイズはデスデスルンバで掃除!
完璧である。
なお、前述したがデスデスルンバには掃き残しがけっこうある模様。
(そのためであれば――奇跡を纏い何度だって立ち上がってみせるッ!!)
一番最初に響に救われた翼も奮起する。
二刀流でやる気満々だ。
その後に即大型脚部ブレードを展開するけど。
おう、二刀流は誰がために。
やはり、捨てられない逆羅刹イズムであった。
さすがは剣ではなく夢に羽撃く翼であった……
脚に翼を持つ生物はいません。
(そのためにわたしたちは――この戦いの空に歌を歌うッ!!)
響も前ダッシュで大暴れ。
第2期では6人共に戦えど別々の仕事をしていたが、今回は同じノイズの掃討に当たっている。
共闘感アップだ。
モンハンで同じことをやればいいからボス狙えと怒られそうだけど。
「紡ぐ魂を――腕に包まれて――」
ここでマリアはGNソードビット展開!
近接あり射撃あり変化球ありビットありとまさに万能なアガートラームである。
芸達者な辺り、実に器用なマリアらしいギアだ。
「私の聖剣」と「銀腕・アガートラーム」で歌うのも道理だ。
アガートラームはもはや借り物ではない。マリアだけのギアなのだ。
このビット操作能力が第2期第10話のフロンティアの起動に繋がったわけか……
空間認識能力の高さの伏線をしっかり張っていたのであった。
しかし、多彩な用途を持つソードビットなんて対話のためのガンダムっぽい……
アシンメトリーなのも共通だ。
何やかんや攻撃的な部分も一緒。
凄い性能を持つくせに初登場時はあまり戦わないのも似ている。
アガートラームはクアンタだったんだよ!
劇場版でメタルマリアになるのかな?
どうでもいいですけど00の機体ではクアンタが一番好きです。
さて、デスデスルンバも空を飛ぶ。
もちろん、SEはポヨポヨポヨ。
各自が持ち味を生かし盛り上がる中で変な方向に持ち味を生かすザババ組であった。
こんなものを作り出す調のセンスは常識人じゃないデスね。
やっぱり、常識人のあたしが調を支えてあげないとダメデスよ!
愛デスよ!
でも、デスデスルンバの破壊力はスゴいよ。
怪獣アルカ・ノイズを一瞬で輪切りだ。
脱力モノの見た目とSEからは想像できない破壊力を持つのがデスデスルンバなのだ。
デスデスルンバはこれから流行る。
ところでこのノイズさん、どうみてもツインテール。
円谷プロの許可は取ったのかな?
まぁ、ゼットンことラギュ・オ・ラギュラが通っているので問題ないでしょう!
第4期か劇場版で正式にコラボしてもいいのじゃよ?
みんな、喜ぶ。特に金子のおっさんが。
ところで勢い余ってビルに追突事故を起こしたのは忘れないから。
相変わらず掃き残したくさんあるのも忘れないから。
無免で運転するとこうなる。
マリアさんを見習おう。
顔をドアップにして美少女アピールしても追突事故は忘れないから!
さて、最終回なので余った火薬を大爆発。
この市街地を爆破していく感じが実にシンフォギアという風情だ。
第2期にはなかったシチュエーションに旧来のファンも満足。
手を繋ぐことを目指しながらやるときゃやりまくるのが装者たち。
「
「だが、同等のフォニックゲインを備えているのがキャロルだッ!」
何か変な浮遊物があったけどXDのパワーは相変わらず絶対的であった。
この堂々の無双には緒川さんもイケるかと勝ちムード。
だが、弦十郎は慎重派だ。
これは錬金術も強さをとことん知り尽くしたからか。
……まぁ、本人が殴りに行けば倒せそうだけど。
「さっきのアルカ・ノイズは時間稼ぎッ!?」
「残った想い出丸ごと焼却するつもりなのかッ!?」
「何もかも、壊れてしまえ……」
「世界も、奇跡も――オレの想い出もッ!!」
血涙……ッ!?
血涙を流す勢いで想い出を焼却するキャロルであった。
これは本物の絶唱を歌っているのか?
そういえば、第2期第13話でウェル博士も血涙を流していた。
ラスボスが血涙を流すのはお約束?
これでめでたくキャロルも血涙一族に仲間入りだ!
「救うと誓った……ッ!!」
「応とも……ッ!」
「共に駆けるぞマリアッ!!」
ここで真っ先に動くのは装者たちの血涙コンビであった。
血涙で繋いだ絆は固い。
血涙は置いておいて、倒すためではなく救うために戦うのだった。
2人共、誰かを倒すのではなく助けたいのだろう。
マリアは根からそうであったが、かつて敵と見たら斬りかかっていた翼は特に変化を感じる。
これが剣ではなく翼か……
というわけで夢の二課とF.I.S.の合体技!
まずは剣を多数展開します。
お互いに剣のギアだから相性バッチリで親和性抜群だ。
合体技を出すのに最適な組み合わせだ!
ダメだ! 胸の親和性が最悪で合体技を出すには不適な組み合わせだった!
何かもう翼さんの胸をイジめる描写がクッソたくさんありますな、GX……
今まで乳イジメをしてくるのがクリスくらいだったが、更なる特盛り、マリアが味方に加わったことでさらにイジメられるようになってしまった。
これはもうネタにしてやらんとむしろ失礼に当たる。
盛り上がる流れでギャグを挟むのがシンフォギアの魅力デスね。
これが金子彰史特有のネタを挟まないと気が済まない病気。
胸のバランスは最悪に等しいがまぁ同じ剣。
互いの剣を束ねてドリルアタック!
剣の使い方を間違えている。
ま、まぁ、夢に羽撃く翼ですからな……
ともあれ、これで二課とF.I.S.の夢の合体技完成だ!
「――散れェッ!!」
だが、胸のバランスの劣悪さから突破できない!
バランスというのは大事。
安物パンズに安物ハンバーグのハンバーガーと、安物パンズに高級ハンバーグのハンバーガーでは前者の方が美味しいって山岡さんも言ってた。
キャロルが展開したバリアは
かつては響に突破されたが、今は血涙を流すほどに想い出を焼却したからか、絶対の盾となってツイン剣ブレイクを弾くのだった。
まぁ、重ね重ねバランスが悪かったですからね。
バスト81とバスト96で釣り合いが取れるわけがない。
翼と調、あるいはマリアとクリスで合体技を出していたら破れたかもな……
そして、キャロルは弦を使ってマユらしきものを作っていく。
あ、WA1!
WA1のマザー!
マザーもマユに入っていましたからな。
アークティカは何を思ってマユを保存していたのか、理解に困りますが。
しかし、弦をこんな使い方もするとは……
ウェル博士でなくとも楽器をこんなことに使ってはイカんでしょとなりますわな。
こうして出来上がったのは
あ、これ、グラウスヴァインだ!
グラウスヴァインだよ!
マザーにラギュ・オ・ラギュラと来てグラウスヴァインがラスボスとなるのだった。
ラスボスの王道からやや外れた変化球である。
でも、たしかにグラウスヴァインは大物ボスのポジションだ。
オーバーナイトブレイザーだってマヒらせて封殺するど畜生。
「全てを無に帰す――」
「何だかどうでもよくなってきたが、そうでもしなければヘソの下の疼きが収まらん……ッ!!」
想い出を焼却したからか、じょじょにキャロルは壊れていく。
もはや本能――いや、ヘソの下で本能とか言うとアレだが――に従うのみのようだ。
破壊は生理的な衝動に等しいということかもしれない。
となると、イグナイトモジュールを人の叡智で押さえ込むという言葉により深い意味が込められているのではなかろうか。
壊さないということは人の叡智だからこそ為せるものなのだ。
というわけで、グラウスヴァインの必殺、ニュークリアスフィア。
東京を焦土に変える勢いだ。
これでデスデスルンバの被害を誤魔化せたかもしれない。
運が良かったな、2人共……
「あの威力……どこまでッ!?」
「だったらやられる前に――」
「やるだけデスッ!!」
「おいッ!?」
ここで大ボスに鞘走って瞬殺される調と切歌であった。
やられる前にやろうとしてやられるだけなのはいつも通りですな。
やったかやってないやられたを繰り返す先輩を見習ったのでしょう。
この噛ませ犬体質も似ているのがクリスとザババ組であった。
そりゃクリスが感情移入するしザババ組も尊敬するわけデスよ……
「あの鉄壁は金城ッ!」
「散発を繰り返すばかりでは突破できないッ!!」
「ならばッ、アームドギアに
「身を捨てて拾う瞬間最大火力ッ!」
「ついでにその攻撃も同時収束デェスッ!!」
今日は防人語が絶好調のマリア。
金城と来ましたか。外国育ちのくせにそんな言葉をよく知っていますね。
ともあれ、一人で敵わないのならみんなで!
今のマリアにただ一人で鞘走る気など微塵もないのだ。
支えることだけでなく支えられることも学んだからか。
あまりサポート役に徹すると華がなくなるので注意。
華々しい容姿のくせに性格は引っ込み思案だし……
「わたしが受け止めている間にッ!!」
「――やるぞッ!!」
グラウスヴァインの攻撃を響が防ぐ。
同時にマリアの号令と共に同時にアーマーパージ!
マリアがリーダーシップを発揮し続けるのは凄い頼れるのだが、あかん、それ、全裸になる!
だが、脱いだのはギアのアーマー部分だけだ。
ギアのインナーは設定資料集を除けば第1期の初期の雑誌ピンナップ以来、本編では初の披露となった。
全員のギアの全てを投げつけるまさに捨て身の必殺技が炸裂だ!
アーマーパージから着想を得た必殺技であることは間違いない。
インナーを残すことで露出度を最小限に抑えている辺りに進化が感じられる。
アーマーパージもインナーをせめて残せばいいのに……
ヘタに打ってガードされれば致命的な隙を晒す。
だが、全員同時に行うことでその弱点を圧倒的な攻撃力で上書く作戦だ。
まさに心が揃っているからこそできる究極のゴリ押しである。
ところでインナー姿になった調にツインテールがないのですが……
も、もしかして、調の髪ってギアだったのか……?
実は短髪説浮上。
「アームドギアが一振り足りなかったな……」
合体アーマーパージはグラウスヴァインの装甲を破壊、コックピットを露出させるがキャロルを貫くには至らなかった。
ロックオンかな?
余裕の軽口を叩きつつも冷や汗を見せて内心焦っていることが丸わかりなキャロルだ。
キャロルは戦闘中における感情の乱れを隠さないタイプ。
ギャンブルをすれば顔に表れて即破産する。
「………………ッ!?」
「奇跡を殺す……皆殺すッ!!」
「オレは奇跡の殺戮者に――ッッ!!!」
だが、全員同時アーマーパージさえも前哨!
全員の力を束ねた響がいた!
これは力を束ねる響の特性を生かしたS2CAの一種だろうか。
それでも退かぬ媚びぬ顧みぬなキャロルは再びゲロビだ。
極太の光波が響を包み込むのだった。
そして、メッチャドヤ顔。
……うん、そういう顔、しない方がいいと思いますよ。
実力という点ではシリーズ最高クラスだが、精神的な未熟さが見えるキャロルだ。
こうして見ると改めてフィーネさんの精神のバケモノっぷりを感じてしまう。
あの人、戦闘中に驚くことはあっても動じることはなかった。
弦十郎の圧倒的な力に驚いても、即座に切り替えて一本取ったし……
「繋ぐこの手が、わたしのアームドギアだッ!!!」
それを超巨大腕部ユニットで受け止める!
そして、「Glorious Break」!
シンフォギアの最終話の最大の山場、OPソングの挿入がついに!
いや、「Glorious Break」はOPソングではないが!!
この盛り上がりこそシンフォギアかつ金子彰史作品!!!
やはりこの演出は盛り上がるからズルい!!
手を繋ぐことこそが響のアームドギアだと改めて叫んだ。
響はアームドギアを持っていないのではなく、その形が他の装者と違うだけで既に持っているのだ。
キャロルにとっては誤算である。
そして、槍から手に変わったことからガングニール成分より響成分が前面に出ていることが伺える。
アガートラームと同じようにガングニールは完全に響のギアとなったのだ。
「当たると痛いこの拳――」
「だけど、未来は誰かを傷付けるだけじゃないって教えてくれたッ!!」
当たると痛いってレベルじゃないこの超巨大腕部ユニットを握る。
その拳を支えるのは第4話の未来の言葉だ。
自身の戦う力に悩んだ日々はただの回り道ではない。
今こうして正義を信じて、握り締めるために必要な過程だったのだ。
最近、めっきり出番がなくなったが、やはり響の心を突き動かすのはどこまでも未来だった。 この大役までは手放さず、洸にも譲らないのであった。
「枕を潰す……ッ!!」
「こんな時に拒絶反応――ッ!?」
相変わらずの金子節で吠えるが、同時に拒絶反応だ。
この土壇場で拒絶反応がキャロルの身を苛む。
高速インストールではなく通常インストールをしておけば……
高速インストールでも数週間はかかったようだから、通常インストールする暇はなかったのかもしれないが。
「違う……これは、オレを止めようとするパパの想い出――……」
だが、拒絶反応は高速インストールによるものではなかった。
イザークとの想い出がキャロルの暴走を止めていた!
拒絶反応は無機質な理由かと思ったら、どこまでもロマンチックな理由であった。
全ての想い出を焼却した結果、最後に残ったもっとも大切なイザークとの想い出がキャロルを止めた……
全て失うことでやっと原点に帰ろうとしているキャロルだった。
嗚呼、涙腺ポイント……
なお、こんなロマンチックな理由で感動させておいて、実はもっと無機質な理由ですよというのが金子彰史のパターンなので油断はできない。
「認めるか……認めるものかッ!!」
「オレを否定する想い出などいらぬッ!!」
「全部燃やして力と変えるッッ!!!」
ついにイザークとの想い出まで焼却した!
数百年に渡って自分を支え、未だに涙するほどに一番大切な想い出さえも贄と捧げてしまった。
命題さえ失えばもう破壊しか残されていない。
全てを、敵であるキャロルさえも掴み取るために戦う欲張りすぎる装者たちと全てを捨ててでも戦うキャロルの対比であった。
今までのラスボスでも特に悲しく儚いモノを力と変えたキャロルであった……
あ、ウェル博士は悲しさも儚さもなかったくせに前回泣かせたのはズルいと思います。
超巨大腕部ユニットを分解?
全員のフォニックゲインをカタチと束ねさらに強化だ!
歴代のXDの必殺技の中でも響の特性がより前面に出されている。
これがまさに響のアームドギアなのだ。
繋いで束ねると曖昧な表現がされていた響のアームドギアだが、決して曖昧ではなくそのままの意味であった。
「――おおおおおぉおぉおおおぉおおおおおッッ!!!」
「――うおおぉおおぉおおぉおおおぉおおぉおッッ!!!」
全てを掴むための力と全てを捨てるための力の真反対の2つが激突した!
それは悠木碧の熱演と水瀬いのりの熱演の激突でもあった。
声優一同の熱演も爆発するのがシンフォギアである。 金子彰史のみならずスタッフ全員の熱量が爆発するのがシンフォギア最終回のお約束である。
そんな中でデスデスルンバで笑いを取るのもシンフォギア。
「立花に力をッ!!」
「天羽々斬ッ!!!」
「イチイバルッ!!!」
「シュルシャガナッ!!!」
「イガリマッ!!!」
「アガートラームッ!!!」
「「「「「おおおぉおおぉおおぉおおおおおおッッ!!!」」」」」
響だけならキャロルと互角かもしれない。
だから、装者たち全員が響にもう一振りの力を注ぐ!
あ、フォニックゲインってそういう使い方もできたんだ!
今までは最終回で響が力を束ねていたが、今回はみんなが響そのものを支えた。 それは響の人助けを支えたいということであり、装者たちの結束がより強まった証左でもあろうか。
「――うおおおぉおおおぉおおおぉおおぉぉぉおおおおおおッッ!!!」
「ガングニィイイイィイイイルッッッ!!!」
伝統と実績の曲タイトルフィニッシュ炸裂!!
このタイミングで「Glorious Break」のシャウトが被っているのが心憎い。
何度傷付いても伸ばす手がキャロルの妄執を砕いたのだった。
そして、「Glorious Break」はキャロルを歌ったものだと今ならわかるのであった……
「………………――」
炸裂した「Glorious Break」だったが、キャロルの妄執を砕いただけでキャロルそのものは貫かなかった。
響は自身の人助けを貫き通したのだった。 この完全敗北にはキャロルも落涙する。
その涙の意味は何なのか。
この安堵とも取れるような表情には一言では示せない感情が込められていることは間違いなさそうである。
「行き場を失ったエネルギーが、暴走を始めていますッ!!」
だが、キャロルの妄執を砕いても戦いは終わっていない。
グラウスヴァインの暴走が始まる。
同時に「Glorious Break」のアンサーソングである「Exterminate」に変化!
GXにおいて最後の最後に用意していた歌ネタは歌から歌への変化だった。
そして、「Glorious Break」と「Exterminate」の二大看板曲を用意していた理由も発覚だ。
この変化を行うためだったのだ。何と豪華な……
「エネルギー臨界点到達まであと60秒ッ!!」
「このままでは半径12kmが爆心地となり、3Kmまでの建造物は深刻な被害に見舞われますッ!!」
「………………ッ!!」
「まるで、小型の太陽……ッ!!」
さて、爆発の危険が漂うのだった。
これ、完全にグラウスヴァインだ!
深淵の竜宮で地味に触れていたのは伏線だったか……
用語集で触れられても文句は言わぬ。
何だかダウルダブラとは色合いが異なるし、回収していてもおかしくはない。
でも、月の落下とか1000000000000℃の炎と比べると半径12kmは軽傷だな!
「お前に見せて刻んでやろう……」
「歌では何も救えない世界の真理を……」
「諦めない……ッ!」
「奇跡だってたぐってみせるッ!!」
「――奇跡は呪いだッ!」
「縋る者を取り殺すッ!!」
イザークとの想い出を焼却すれど奇跡に対する憎しみだけは残っていたキャロルだ。
キャロルを突き動かしていたのはあくまでも憎しみということだろうか。
どこまでも父を愛した少女の行き着く果てが世界への憎しみというのも悲しい。
キャロルは悲しさを背負ったラスボスであった……
そりゃサウザーになるわけである。サウザーも悲しみ系だったし。
「――キャロルちゃんッ!?」
今のキャロルの象徴とも言える長い三つ編みは千切れ落ちていく。
響にはダウルダブラの弦が絡みついて思うように動けないようだ。
ダウルダブラの弦の汎用性も高い。
何でも利用できる聖遺物。
何か掃除に使える聖遺物もあるらしいよ!
「手を取るんだッ!!」
「お前の歌で救えるものか――」
「誰も救えるものかよォオオッ!!」
ここからが響VSキャロルの第2ラウンド、響の人助けとそれを否定するキャロルの戦いである。
想い出と戦う力を失えど憎しみを貫くキャロル最後の意地にして、響が乗り越えるべき最大最後の壁である。
これは拳ではどうにもならない戦いだ。
キャロルの頑なな心が反映されたようにダウルダブラの弦が邪魔をして追いつこうにも追いつけないのだった。
「――それでも救うッ!!」
「抜剣ッッ!!!」
ここで抜剣だとぉ!?
XDにさらなる抜剣という追いチーズのような追撃である。
だが、イグナイトモジュールはキャロルが否定した誰も救えない呪われた旋律である。
出力でもXDモードに劣っているだろう。
この人助けの土壇場でイグナイトモジュールは決め手となるのか。
「ダインスレェエェエエエイフッ!!」
「――キャロルッ!!」
だが、この呪われた旋律はエルフナインが与えた力であった。
だからこそ、エルフナインの想いが込められており、エルフナインも叫んだ。
あの「Dáinsleif」の無機質な機械音声もこのエルフナインの叫びを際立たせるための前振りなのであった。
戦っているのは今この場にいる装者だけでなくエルフナインもだった。
こりゃイグナイトモジュールを商品化した暁にはエルフナインのボイスも加えないと……
「キャロル――世界を識るんだ」
「パパッ!?」
「いつか、人と人がわかり合うことこそ、僕たちに与えられた命題なんだ」
「賢いキャロルにはわかるよね」
「そして、そのためにどうすればいいのかも――」
その時、イザークの想い出がキャロルの脳裏を走る。
それはエルフナインの幻影がもたらしたものか、僅かに残されたイザークの想い出が見せたのものか。
想い出の中のイザークは世界を識る意味と本当の命題を伝える。
この答えは第6話で既にイザークは語っている。
キャロルはただ気付かなかっただけで答えは想い出の中にあったのだ。
もっとも、憎しみに支配されたキャロルがその答えに行き着くために数百年迷っても仕方ないのかもしれないが……
「パパァァアアアァアアアアッッ!!!」
これはキャロルは自分の意志で手を伸ばし、イザークの命題に答えてみせた。
数百年に悩み迷い苦しんだ父の命題への答えを得た瞬間である。
こうして響はキャロルの手を掴み取り呪われた旋律でキャロルを救って見せた。
これは響の一生懸命だけでは届かなかっただろう。
装者たちにエルフナインとみんなの一生懸命に加え、最後はキャロル自身が手を伸ばすことでやっと繋ぐことができた。 シンフォギアのテーマの根底にある相互理解は自分だけでなく相手も手を伸ばすことでやっと叶えられる難題であった……
信じる未来‐ゆめ‐があるならば、響き合う鼓動は止められない。
君と行こう、一緒に。どこまでもふたり、手を取って。 これは謎ポエムにして「Exterminate」の歌詞とまったく同じシーンだ。
「Glorious Break」はキャロルの抱えた闇を歌い、「Exterminate」はそれに対する答えを歌ったのだった。
2つで1つとなる歌……
キャロルとエルフナインの関係と合わせ、今までで一番ストーリーが反映されたOP曲かもしれない。
こうしてキャロルはついに
そして、グラウスヴァインが爆発!
うわぁ、東京都心のど真ん中で大変なことになったゾ……
月の破壊や月の落下と比べると規模は小さいなれど、東京都心部が爆発するとなると身近な大変さが伝わってくる。
というわけでグラウスヴァイン爆発後はこちら。
これまでに描写されてきたのだがシンフォギアは戦闘のダメージが社会に残っている。 第1期の最終決戦後は町に大きなダメージが残ったし、それは第2期でも修復されきっていなかった。
戦いに勝ったからと何もかもなかったことにはならないのだ。
戦いが全てを解決する要因にならないのは金子彰史作品の伝統である。
「未だキャロルの行方は知れないままか……」
「既に決着から72時間が経過しています」
「これ以上の捜索は――……」
響が手を繋ぎ救ったかと思われたキャロルだが3日経過しても行方不明のようだ。
あれだけの爆発の後なのだ。
落下死を免れるのが精一杯だろう。
情報戦は強い二課もといS.O.N.G.ではあるが、捜索能力はさほど高くないのであった。
ウェル博士も見つけるのに手間取ったし……
装者たちは無事であった。
響に怪我はあるものの一命は取り留めている。
そして、未来さんが復活!
この2話の空白の未来さんは今後語りぐさとなるであろう……
え、円盤特典で歌いますよね?
「来てくれて嬉しいです……」
「毎日すみません」
あ、生きていた! エルフナイン、生きていた!
さすがに3日で完治とは行かないようで入院はしているのだが。
なお、OTONAなら3日と言わず半日くらい寝れば全快する。 あの人、やっぱりおかしい。
GXで大暴れしなかったのはパワーバランスに考慮してか……
「夏に入ったから大丈夫ッ!」
「夏休み?」
「楽しいんだって、夏休み」
「あたしたちも初めてデェスッ!」
というわけで夏休みだ。
夏休みに入ったということはマリアさんも22歳の誕生日を……
しないフォギアで祝ってもらうことを祈ろう。
あの人、泣いてすっごい喜びそう。
夏休みを楽しいと語る調と初めてと語る切歌はその背景を思うと胸にこみ上げるものがある。
F.I.S.にそんな時間なんてなかっただろう。
だが、今は普通の学生らしく夏休みになれば休める……
えがったえがった……
「早起きしなくていいし夜更かしもし放題なんだよッ!」
「それは響のライフスタイル……」
「あんま変なことを吹き込むんじゃねーぞ」
さて、妙に明るい響であった。
あ……何か第2期第6話の空元気を思い出す……
それに合わせる辺り、未来とクリスは響をわかっている。
おう、未来さんとクリスはどんどん絡んでくれ。
ずっと期待されているカップリングなんだ……
わりと毒舌な未来がクリスをからかうことになりそうで面白そうなんだけど……
「焼きそば、わたあめ、たこ焼き、焼きイカッ!」
さて、夏祭りを語る。
焼きそばを一番に持ってくるのは多分WAファンへのアピール。
WAシリーズを知らない人に説明すると、焼きそばはWAシリーズの代表的な食べ物で第1作目のWA1を皮切りにほぼ毎回出てきている。
出ていないのはWA3くらいではなかろうか。
なお、シンフォギアの伝統的な食べ物であるお好み焼きはなし。
GXでは結局出番のなかったふらわーのおばちゃん……
いや、織田光子説が根強く残っているし、ポスター出演はしたかもしれないけど!
「ここだけの話、盛り上がってくるとマリアさんのギアからは盆踊りの曲が流れるんだよッ!」
「……本当ですか?」
「――本当なわけないでしょッ!!」
一時は激突した響とマリアだが、今は冗談を言えるくらいには仲良くなったようだ。
あら、可愛い。
マリアさんが響の日常に付き合っているのは嬉しい。
もう少し装者たちの日常は見たかったが、そこはしないフォギアが担当するということか。
もはやシンフォギアにとって円盤は必須コンテンツ。
円盤にハサミを付けるとデスデスルンバになるぞ!
「大体そういうのは私より翼のギアの方がお似合いよッ!」
ここでマリアがネタを振るのは翼に対してである。
皆の脳裏に浮かぶのはTAIKOを叩くSAKIMORI……
おう、似合っているから止めて差し上げるな。
これには一同が(笑)となる。
そりゃなりますよ。
ライブで盆踊りが確定しましたね!
「なるほど……皆が天羽々斬についてどう認識しているか、よーくわかった……」
無論、天羽々斬が一番格好いいギアと自負する翼の逆さ鱗に触れるのだが。
ま、まぁ、唯一の漢字オンリー聖遺物だし……
神獣鏡は中国語読みだし、キャラソンではカタカナ表記なので除外で。
あとこれは天羽々斬ではなく風鳴翼本人をどう認識しているかの問題だ。
この人、歌ってみたかったと演歌を歌う人ですからね……
流行歌だと演歌を父に聞かせる人でもある。
盆踊りで済んだのが軽傷だと思っていただきたい。
「ボクにもまだ知らないことがたくさんあるんですね」
「世界や皆さんについてもっと知ることができたら、今よりずっと仲良くなれますでしょうか」
「なれるよッ!」
「だから、早く元気にならなくちゃ、ねッ!?」
世界を識れば人とわかり合えるのがイザークの主義だった。
もっとも、知るのは世界だけでなく人を知ることも肝要だろう。
キャロルはその視点が決定的に欠如していた、というよりもそこをイザークが伝えなかったために歪んだのだろう。
だが、今こうしてエルフナインは世界だけでなく人を知ることを掲げている。
エルフナインはイザークの課した命題から一歩進んだのだった。
「わたし、ちょっとトイレにッ!」
「……そうか」
さて、面会が終わると同時に響はトイレへと向かう。
付き合いの長い翼とクリスは何かを悟り、身長170cmバスト96の超絶メチャシコ美人マリアも空気を読み一足先に帰ることを打診する。
常識人の切歌は空気が響の感情を読めなかった模様。
常識が足りなかったか……醤油読まないと……
そして、未来だけが場に残るのだった。
未来が付き合いの長さと深さでは他の装者を圧倒している。
今も絶賛添い寝中だ。
なので、響の感情の揺れを一番悟っているのか……
「ごめん……わたしが泣いてたら元気になるはずのエルフナインちゃんも元気になれないよね……」
独りで泣く響はやはり、空元気だった。
悲しい時、苦しい時ほど明るく振る舞うのが立花響の性であった。
GXで未来に励まされ洸と和解したことで歪みは大分晴れたかと思ったが、自分の痛みを隠す癖は変わらないのであった。
そして、そんな弱さを未来にだけ吐露するのも変わらない。
そんな未来との繋がりが断たれた時はもはや世紀末。そんな第1期第7話。
「世の中、拳でどうにかなることって簡単な問題ばかりだ……」
「自分にできるのが些細なことばかりで、ホントに悔しい……」
響はキャロルを助けられなかったことを引きずっていた。
最期の瞬間にキャロルはたしかな救いを得た。
だが、それでもキャロルの心を救えど命は救えなかった事実が響を苛むのだった。
奏に命を救われた経験を持つだけに、どうしてもそこに執着してしまうのだろう。
特に語られることはないが響にとって奏は未だに絶対的なヒーローなのかもしれない。
「……そうかもしれない」
「だけどね、響が正しいと思って握った拳は特別だよ」
「特別……?」
「世界で一番優しい拳だもの」
「いつか、きっと――嫌なことを全部解決してくれるんだから」
そんな響の拳を肯定する未来だった。
誰よりも戦いを拒絶する響があえて握った拳だからこそ意味があるのだ。
そして、その拳で想いをぶつけてきたのが立花響である。
クリスも未来も響の拳に救われた。
マリアさんもアームドギアを握ってもらうことで救われた。
未来は響の拳の意味を本人以上に知っているのだった。
「ありがとう……」
「やっぱり、未来はわたしの陽だまりだ……」
最後を越えた最後に響を救ったのは未来だった。
GXでは2話のドデカい空白があれど、しっかりと正妻ポジションを維持。
安定の小日向未来であった。
自身を真っ直ぐに肯定してもらえるのは響にとって救いに違いない。
仲間は増えれど未だに未来は大切で特別な存在なのであった。
同時にプロデューサーも知らないエピソードが未だに隠されたままだ。
そこに優しい拳が絡んでくるのだろうか。
第4期、あるいは劇場版でこそ!
さて、欠けた月が睥睨する病院。(第2期第1話謎ポエム感)
エルフナインの病室をキャロルが訪れた。
おどれ、生きとったんかい!
そういえば、幼女が妙にタフな世界でしたね……
と言ってもここまで出てきたタフな幼女は第1期のあの子くらいだけど。
「キャロル……?」
「キャロル?」
「それがオレの名前……?」
「記憶障害……」
「想い出のほとんどを焼却したばっかりに……」
だが、想い出を失って廃人一歩手前だった。
今まで想い出の焼却に特に副作用は見られなかったが、ここに来て爆発したのだった。
イザークとの想い出を焼却し、最後に残った憎しみさえ溶かされた。
何も残らないのは道理かもしれない。
「全てが断片的で、霞がかったように輪郭が定まらない……」
「オレは一体何者なのだ?」
「目を閉じるとまぶたに浮かぶお前ならオレのことを知ってると思いここに来た……」
キャロルは全てを失えどエルフナインのことは覚えていた。
キャロルはエルフナインを軽んじていたし、手駒として使うだけの存在に思えた。
だが、不要であるはずのイザークとの想い出を複写していた。
キャロルにとってエルフナインはただの手駒と割って切れない存在なのがわかる。
ち○ぽ生えてるし。
「君はもうひとりのボク……」
「オレはもうひとりのお前……」
「ええ、2人でパパの遺した言葉を追いかけてきたんです……」
独りだ独りだと言われてきたキャロルだが、エルフナインがいたから独りではなかったのかもしれない。
それは根は少女のままのキャロルにとってもある種の救いとなっていたことは想像に難くない。
第8話のCMだと凄い仲が良さそうだったし、キャロルの計画が発覚するまで円満な関係で付き合っていたのかも。
エルフナインがキャロルを止めたいという気持ちと同時に、救いたいという気持ちが混ざっていたのもキャロルへの純粋な好意もありそうだ。
しないフォギアに期待しよう。
しかし、「君はもうひとりのボク」と占有権を主張するエルフナインだった。
「ボクはもうひとりの君」じゃないんですね……
実は腹黒?
「パパの言葉……そんな大切なこともオレは忘れて……」
「教えてくれッ!」
「こうしている間にもオレはどんどん……ッ!!」
イザークのことを忘れれどイザークの言葉が大切なことだとは知っていた。
イザークの存在は曖昧になれどキャロルの中に存在していたのだった。
だからこそ、最後に復讐の炎から解放されたのだろう。
儚い系ラスボスを突き進むキャロルであった。
オモシロ系ラスボスはウェル博士。
「お前ッ!?」
ここでエルフナインは傷に喘ぐ。
3日経ち入院したものの傷は癒えていないどころか、未だに危険域にあった。
ホムンクルスだから人間とは勝手が違うだろうし、エルフナイン自体欠陥を持つ予備にもなれない軀体である。
シンフォギア初の男の娘は薄命なのだった……
そんなエルフナインを普通に心配する辺り、根のキャロルは悪人でないことがわかる。
今までのシリーズでもトップクラスの悪事を働いたが、どうしようもない状況によって歪んだ被害者に過ぎなかったのだ。
この状況で歪んだのはフィーネさんや洸と似ている。
人が悪となるのも環境次第というのが金子彰史の作風か。 生来の悪として描かれたWA1の魔族も、WA:Fでは共に歩めることが強調されている。
まぁ、生粋の悪もけっこういるし、その時の金子のおっさんの筆の鞘走り方は大変滑らかなのだがな!
「順を追うとね……一言では伝えられないです……」
「ボクの身体もこんなだから……」
「オレだけじゃなくお前も消えかけているんだな……」
相変わらず吐血するエルフナインだった。
全然危機は去っていなかった。
装者たちが毎日訪れていたのはエルフナインの余命が幾ばくもないからだったかもしれない……
でも、この人の出血量を見ると案外平気そうじゃんと思えてしまう。
「世界を守れるなら消えてもいいと思ってた……」
「でも……今はここから消えたくありません……ッ!!」
エルフナインはキャロル同様にイザークの命題という使命感で戦っていた。
が、ここで自分自身に生きていたい理由ができたのだった。
生きることを諦めないのはキャロルに想い出を与えられただけのエルフナインが、S.O.N.G.との交流で自分だけの想い出が生まれ、たしかな自我が形成されたことの証左だろう。
最初の頃のエルフナインは無機質な面があったのに、今はまったく違う。
命を救われど心を失ってしまったキャロルと心を手に入れど命が消え去りそうなエルフナインとお互いの状況は真逆なのであった。
また、想い出は誰かから受け取るものではないとWA3でギャロウズのエピソードで触れられたものだ。
エルフナインのエピソードにはそれが被るものがある。
自分の命を厭わない生け贄体質だからか。
「ならば、もう1度2人で――」
さっすがキャロル!
装者たちにできないことを平然とやってのける!
そこにしびれる憧れるぅ!
というわけで2人は幸せなキスをして終了。
錬金術士は粘膜同士の接触を躊躇わん!
ま、まぁ、女の子と男の子のキスなので普通普通!
お○んぽおおおおおおおおおおおおおおおお!
ギャー!? 2人は幸せなキスをして本当に終了!?
燃えて、心電図も止まってしまって……
そ、そりゃあこういうので男と女のキスは御法度だけど!
男の人は男の人同士で、女の人は女の人同士で恋愛すべきだと思うの!
異常を察したのか、欠けた月が睥睨する夜中ながら装者たちはダッシュする。
未来だけガチRIKUJOUダッシュだ。
あの翼さんやマリアさんだってRIKUJOUダッシュじゃないのに、未来さんは見事にRIKUJOUダッシュ……
元陸上部の面目躍如というか心どころか身体も今でも現役選手だ。
そういえば、第1期でも第2期でもガチRIKUJOUフォームを見せましたね、未来さん。
第1期ではシンフォギアを上回る圧倒的な機動力を見せつけたし、第2期ではそこからYARINAGEで全世界の度肝を抜いて見せた。
GXでも第4話で常人以上の身体能力を持つであろう響のダッシュについて行っている。
地味に身体能力は装者級なのが小日向未来である。 この世界のRIKUJOUはどうなってやがる……
そして、こういう部分で個性を発揮するから未来は個性派揃いの装者たちの中でも埋もれないのであった。
出だしで俳句ったし、未来の個性の出し方はけっこう特徴的もとい尖っている。
見た目は普通の美少女のはずなのになぁ……
「キャロル、ちゃん……」
「『ボク』は――」
病室にいたのはキャロルの身体だった。
だが、呼びかけに答えたのはエルフナインである。
今こうしてキャロルとエルフナインはひとつになったのだった。
全てを忘れたキャロルの想い出は残っていないかもしれないが、たしかに残したものもあった。
それは響によって繋がれたものでもある。 響が正義と信じて握り締めたものは無駄ではなかったのだ。
繋ぎ紡いだモノがたしかにあることに装者たちはただただ喜ぶ。
ここでしっかりカップリングを成立させる未来さんとクリス、さすがだ。
繰り返すがお前らがもそっと絡め……
ともあれ、金子彰史大得意の大団円を迎えたのだった。
キャロルの想い出の安否が気に掛かるが断片は残っているし2人の想い出がひとつになったのだ。
憎しみを忘れ大切な想い出を再び得たことはキャロルにとって何よりも救いかもしれない。
壊れたキャロルの想い出はこうして修復されたのだった。
「この町にはいい想い出なんてないはずなのにね」
「今はとても懐かしく感じちゃう」
「それはあの頃より響が強くなったからじゃないかな」
というわけで、ここからは恒例の「虹色のフリューゲル」を流しながらのエピローグ。
響は洸と共に実家へ向かうのだった。
響の実家はリディアンからはそれなりに離れているようだ。
何やかんやあの後も洸は逃げ出さず、自ら逢いに行くと決めたことが伺える。
「さて、俺も――頑張らなくっちゃ、な?」
「うんッ、お父さん」
「「へいき、へっちゃらだッ!!」」
大波を越えた甲斐もあってすっかり仲良し。
最初はクズモブと思えた洸も成長したのだった。
成長というよりも元に戻っただけかもしれないが。
それでも壊れたモノはこうして修復されたのだった。
「楽しいはずの夏休みはどこへ……」
調と切歌はクリス宅で夏休みの宿題をやるのだった。
さすがの2人も華の女子高生、夏休みの宿題はやりたくないらしい。
こういう年相応のところが見られると嬉しくなるF.I.S.組であった。
普通の女子高生をやれることが2人にとって何よりもご褒美なのだ。
普通の女子高生は墓参りに醤油を持参しないけど。
「だけど、どうしてクリス先輩は余裕なんデスか?」
一方、クリスは棒状のものにしゃぶりつきやがって……
そんなすけべを増やそうとでも!
あるけど!
背景にしないフォギアで触れられた一番格好いい仏壇があるのが芸コマ。
「いい機会だから教えてやる」
「こう見えて学校の成績は悪くないあたしだッ!」
きねくり先輩、まさかの成績優秀!
そ、そりゃあ語彙力が変に高いけど!
これはフィーネさんの教育の賜物か?
あの人、頭の良さなら群を抜いているし、そのフィーネさんについていこうとするとクリスの頭も必然的に良くなろうというものだ。
クリスが頭がいいという設定はなかなかどうして嬉しいものだ。
見た目、可憐なお嬢様ですからね。
見た目だけな!
「うそぉッ!?」
「今言ったのは調デスッ!?」
「わたしを守ってくれる切ちゃんはどこに行っちゃったの……ッ!?」
「さっさと宿題片付けろッ!!」
【悲報】切歌が調を見捨てる
というか、2人共、クリスがおバカだと思っていたようで。
……まぁ、わからんでもない。
そんな2人に対して宿題を片付けろと先輩爆発なきねくり先輩であった。
これはクリスも2人と遊びたいのだろう。この構ってちゃんめ。
そんなわけで夏休みを学生らしく謳歌する3人であったとさ。
向かったゴールは決して華々しいものではないかもしれないが、3人共に苛烈な過去を持つだけに日常に生きることができるのは何よりも幸福に違いない。
……ところできねくり先輩。勉強くらい教えて差し上げろ。
棒状のものをしゃぶってる場合じゃないと思うが。
「たまさか私もイギリス行きなのよね」
イギリスに戻り世界で歌おうとする歌女の前には同じく歌女がいた。
マリアは翼と同じように歌女としての道を選ぶようだ。
国連との取り引きはどうなったのか、魔法少女事変の功績によって特赦が働いたのか、あるいは八紘がねじ伏せたのか。
何にせよ互いに夢を追いかけられるようになったのは違いない。
しかし、マリアさん、たまさかって防人語使わんでも。
飼いたい。
「たまさか、ね」
「やっぱり、この剣、可愛くないっ」
そんなたまさかを笑う防人がいた。
マリアとしては普通に喜んで欲しいところが、まさかからかわれるという反撃を受けた。
まぁ、たまさかとか言い出せば仕方あるまいて……
そんな防人に拗ねるマリアであった。
あら、可愛い。普段強気なだけにこういうリアクションが映えるマリアさん。
これは新生ツヴァイウィング誕生のフラグであろうか。
夢に羽撃くのは翼だけでなくマリアもだった。
「見送りもまともにできないなんて父親失格じゃあないのか?」
「私たちはこれで十分だ」
おう、パパさん、ちゃんと見送りなさい。
気持ちは十分届いたからそれ以上は不要ということか。
相変わらずの不器用さであった。 また、並々ならぬ関係ながら2人の仲は良好であることが伺える。
S.O.N.G.が不足なく活動できるのはこの二大巨頭の連携がきちんと取れているからか。
「それよりも弦」
「今回の魔法少女事変、どう考える」
「米国の失墜に乗じた欧州の胎動――」
「あるいは……」
げぇえ!? 第4期あるいは劇場版フラグ!
八紘が弦と呼んだことを喪失してしまうことの爆弾発言である。
ここまで露骨に続編を匂わせるのは金子彰史作品でも明らかなことだ。
まだまだシンフォギアの世界は広がっていくらしい。
響と未来の特選エピソードも残っているしまだまだ風呂敷は広げられるぞ。
カストディアンも残っているしな!
その時こそOTONAが本気を出す時だ!
米国はフィーネさんとの繋がりがあり、それで異端技術における権力を発揮していたのだろう。
だが、フィーネさんが倒れF.I.S.が解散となったことで米国は異端技術において数歩劣る立ち位置となったのだろう。
そこで日米に続く第3勢力の欧州が動き出したのか。
キャロルの計画自体、極めて長期間かつ大規模だ。
誰かがそれに関与していると考えるのが自然である。
世界の分解という災厄も錬金術の力を得ていれば、ノイズの位相差障壁を由来とするもので避けられる可能性もある。
計画の実行者のキャロルは倒れたが、関係者が匂わされることになった。
また、八紘は欧州以外の謎の勢力を匂わせる。
カストディアン?
あるいは訃堂?
まだ人の不和の可能性は残っているのであった。
基本的にハッピーエンドだが問題を全て解決しないのが金子彰史の流儀である。
そんなわけで今回は露骨に今後の展開が示唆されたのだった。
これはシンフォギアライブに期待だ!
キャロルナインとなったエルフナインはS.O.N.G.勤めのようだ。
見た目は金髪になったエルフナイン。
その性格もみんなとの関係も今まで通りらしい。
錬金術士が加わってS.O.N.G.のバックアップ態勢は強化された。
第2期は異端技術の専門家がいないので、融合症例の解決も月の落下もどうにもできなかったのが痛かった……
「早速解析の続きを始めましょうか」
げぇえ!? 第4期あるいは劇場版フラグ!
ウェル博士が残した『愛』の答えを明示しなかった。
欧州の勢力といいどんどんと続きを匂わせる。
というか、ただのデータかと思いきや解析が進んでいないのだった。
データを得るためにはデスデスパニックをクリアしないとダメとか?
さて、不吉な黒バックのエンドロールを終えて立花邸。
回想と同じ家だがさすがにラクガキはなくなっていた。
数年が経っても悪意をぶつけ続ける人間はいないことから、立花家を襲ったのはあくまでも一過性の悪意なのであった。
もっとも、その一過性の悪意が立花家を引き裂き響の歪みを生み出した原因なのだが……
キャロルといい一過性の悪意によっても人は歪むのだ。
「やり直したいんだ……」
「みんなでッ! もう1度ッ!」
「だから――」
というわけで洸は響母にアタックだ。
あら、美人。スタイルもいい。
薄い本で寝取られることを恐れるな。
だが、響母は洸と手を繋ぐことを躊躇ってしまう。
そりゃ前科が大きすぎるしそうなろうというものである。
響母は気が強そうだったので腹パンくらいはするかと思ったが……
こういう時に臆病な一面を見せるのは響と似ているかもしれない。
「勢いなんかで手を繋げないって――」
げぇえ! 弱気!
全然粘らないな、この人!
向き合う勇気を手にしたとはいえ、折れやすい根は変わっていない洸であった。
如何に自分の原点を思い出せど人は簡単には変われないのであった。
それはごく当たり前の弱さであるし、洸はそうした弱さを象徴する人物かもしれない。
装者たちでは描けない弱さを持つ存在として洸は貴重な存在だ。
CMで突っ込まれるダメ親父なだけのことはある。
「響……」
「こうすることが正しいって、信じて握ってる」
「だから――簡単には離さないよッ!」
だが、そんな洸と母の手を繋ぐ響だった。
壊れたモノは修復できる。
洸はこれからのヘボいところを当然のように見せるだろうし、それが原因でまた立花家に当然のように問題が起きるかもしれない。
だが、それでも響は正義を信じて、握り締めて、手を繋ぐ決意をしている。
「正義を信じて、握り締めて」とは大きな義に沿うことではなく、響の小さくとも正しい義を握り締めることなのだろう。
字面以上にずっとミクロな意味であり、だからこそ響らしい言葉であり決意だ。
命題という大義に振り回され道を誤ったキャロルがいたからこそ映えるサブタイトルであった。
戦姫絶唱シンフォギアGX完ッ!!
全ッ然ッ終わる気がないけどな!
・今回使用された楽曲
戦姫絶唱シンフォギアG 6(期間限定版)(Blu-ray Disc)より「はじまりの歌」「虹色のフリューゲル」
水城奈々新アルバムより「Glorious Break」
Exterminateより「Exterminate」
iRobot Roomba 自動掃除機ルンバ871 ピューターグレー 871 【日本仕様正規品】
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