刃牙道感想 第102話「似(かぶ)る」



伝説の剣豪と幻の原人の戦いが始まった!
うーむ、何度見てもわけのわからん取り合わせだな。
それに肩を並べるのが本部というのもわけがわからん。
あまりにわけがわからなすぎるのか、刃牙が出てきていない。
責めまい……

さて、前回のラストから時は前後して、ピクルの噛み付きを素手斬撃で迎撃したシーンからだ。
刃牙道になってから頻用される出だしですな。

ピクルは噛み付きを防がれた激痛に苦しんでいた。
さすがのピクルと言えど急所を打たれた形となる。
苦しむのも仕方がないか。
だが、斬れていないことからバキ史上最高峰のタフネスを此度も発揮している。
どちらかと言えば打たれ弱い方に位置する武蔵としては異次元の耐久力かも。

噛み付きを封じられたことはあれど、カウンターを食らったのは初めてだ。
これでピクルとしては噛み付きを使いにくくなった。 ピクルは無知だが馬鹿ではない。相手に合わせるだけの知能はあるのだ。
……そういえば、何で刃牙と戦った時は噛み付かなかったんだろう。
手心?

「獣だ」「俺に勝るとも劣らず」

武蔵はピクルをこう評する。
獣というのはよくわかる。実際に獣だし。
だが、自身と比較しているのはどういうことだろうか。
武蔵は獣というわけではないのだが……
瞬発力などを形容して獣と言ったのか?

カウンターを食らったピクルだが物怖じせずに突っ込む。
相変わらずのノーガードスタイルである。
さすが恐竜と戦ってきただけのことはある。
それに対し全身のあらゆる箇所を素手斬撃でナマス斬り!

ただの手刀のように見えて刀並みの必殺の威力を秘めた手刀である。
これを受ければピクルも八つ裂き、良くて出血……あ、無傷だ!
ピクル、全然ダメージなし!
正確には痣が出来ているが痣程度で済んでいる。
武器の強さが取り沙汰される刃牙道だが、武器並みのダメージを持つ(はず)素手斬撃でもピクルの肉体を傷付けることは敵わなかった。
さすがピクルは旧来の価値観の最先端である。

筋肉にくの――――弾力はずみ――――物が違う)
筋肉その下にある臓腑や骨格ほねまで剣が達しない)


甲冑さえも両断する武蔵の剛剣だが、ピクルの肉体を断つことはできない!
待て、武蔵さん。それは実物の刀の話なのはわかる。
だが、素手斬撃も実物同様の破壊力を秘めているのか?
刀を捨てたことで攻撃力を減らす代わりに速度を得たものだと捉えていたのだが……
うーむ、イメージの話か、素手斬撃の話なのか……
武蔵の戦い方は難しすぎる。

ともあれ、勇次郎の肉体を切り裂き、普段着本部を一撃で気絶させた素手斬撃でナマス斬りされてもダメージは痣程度!
ピクルの頑丈さは武蔵を相手取っても健在であった。
そして、こうした形でピクルはフィジカル、最低でもタフネスにおいては勇次郎以上だと証明された。
勇次郎以上のパワーを持つことは伊達ではなかった。
これなら本部も倒せるぞ。無遠慮に餌としろ。

武蔵の視点からでもピクルは規格外だった。
一方でピクルも武蔵に感じるものがあった。
それは白亜紀時代の強敵、ディノニクス!
ピクルが戦ってきたライバルたちと比べるとサイズやウェイトこそ劣るものの、ピクルの攻撃をかわす敏捷性と巨大な恐竜に果敢に挑む攻撃性を持っている。

何よりも異質な点はその鋭い爪だった。
ディノニクスの爪はピクルの強靱な肉体を切り裂く!
本物の鋭利物だからか、武蔵でさえ切り裂けなかったピクルの皮膚を切り裂くのであった。
ピクルのタフネスはティラノサウルスに食われたりディノニクスに切り裂かれたりして鍛えられたものなのだろう。
こうした経験があるからこそ、武蔵の素手斬撃にも耐えられているのか。

「奴がかぶる…………」

そんな小さくけれど厄介なライバルと武蔵は似ているのだった。
武蔵の攻撃が通じなかったのだが、ピクルは息を呑む。
決して油断のできない、ある意味では大型の恐竜より厄介な手合いだと認めたようだ。

武蔵とピクルはお互いの強さを感じ合う。
片や武の極地、片やフィジカルの極地である。
まさに頂上決戦だ。
この熾烈な争いに割り込もうとしているのが本部である。
……解説で済ませよう! な!
次回へ続く。


武蔵はディノニクス!
相手を恐竜に例えるのがピクル流だが、ティラノサウルスの勇次郎、トリケラトプスの花山、妖術モンスターの刃牙と比べるとちとインパクトが薄い。
逆に考えると今までにはない属性を持っていると言えよう。
まぁ、戦国時代の剣豪ですからな。
現代人でさえ未体験だし、よくぞ白亜紀に該当する恐竜がいたものである。

今回問題となるのが武蔵の素手斬撃の威力だ。
甲冑を断てる……のは実物の刀ならわかる。
だが、素手斬撃も同じなのだろうか。
さすがに素手が刀に並ぶはずは……
いや、並ぶからこそ武蔵は無刀に至ったわけで……
実際に勇次郎を斬れたわけだし……
でも、だとしたら刀でナマス斬りされて痣程度で済むピクルはおかしいような……
いや、素手なら痣も納得だけど甲冑も断てるはずでは……
とどうにも収拾が付かない。
本部の解説が待たれる。
わかることは今の武蔵は最初から本気だ。
ピクルが相手ならばそれも道理だ。
何せ負ければ食われる。
戦国時代並みのリスクを背負ったまさに死合いである。
もっとも、武蔵にとってはそれが当たり前のため、むしろ望むところかもしれない。

一方でピクルも負ければ食われる時代を生き抜いてきた。
互いに闘争とは生死を別つものである。
なので血生臭い戦いになりそうで怖い。
ここで本部の守護……はあれはあれで血生臭い。
一体どうすれば場を収めることができるのやら。
数トンのクロロホルムを流し込んでみるか?

武蔵が勇次郎との戦いで素手斬撃を用いたのは勇次郎の反射神経と瞬発力に追いつくためだと思っている。
刀はその重量がネックとなって土壇場で通用しなかった。
だからこそ、素手になることで多少の攻撃力を犠牲にしてでも軽量化。
勇次郎に追いつく速度を手に入れ、そもそも攻撃を当たらない状況を打開する。
と考えれば理屈はわかる。
わかるけど甲冑をも断てるとまで申されると困惑せざるをえない。
それ、実物の話ですよね?

ピクルは元より攻撃を受けていくタイプだ。
速さよりも重さの方が大事かもしれない。
そして、武蔵は対ピクルの特効薬となる脳を揺らすような現代の打撃を知らない。
いろいろと相性が悪い部分があるかも。
もっとも、武蔵には素手でも武術があるしそれで翻弄できる可能性は十分にあるが。
最悪なのは刀を持ち出すことか。
いや、さすがに刀を前にはピクルも全力でかわすかもしれないけど。

武蔵は理解不能な攻撃力を持つ。
ピクルは理解不能な防御力を持つ。
理解不能な矛と盾が交わる!
侍と原人の戦いを理解しようというのが土台無理。

そこに理解不能な妖術を持つ刃牙が横やりを入れたりして。
何せ刃牙はこの2人に負けている。
今こそ同時にリベンジするチャンス!
戦国最強と史上最強、この2人と同時に戦う機会など二度とないと断言できる!
……本部を連れてタッグマッチにすれば、命だけは助かるかもしれない。