宿禰と横綱の零鵬の戦い以上に注目だ。
いや、ある意味では一番注目度が低いのが宿禰の試合なのですが。
どうせ勝つっしょ……
宿禰が負けたら伝説そのものだけどな……
さて、克巳が戦うのは久し振りのことである。
独歩・渋川先生・花山の三者は武蔵と戦っているのに対して、克巳は刃牙道では一度も戦っていない。
強いて言えば冒頭に渋川先生と手合わせしたくらいだ。
実力はある。ピクル戦で人気を大きく上げた。
でも、出番にいまいち恵まれないのが克巳である。
克巳は独歩同様に相手へと駆け出した……と思いきや、ギリギリの間合い、半歩だけ遠い距離で足を止める。
腰を落として両腕を掲げる安定感のありそうな構えだ。
独歩と違って迎撃を狙っているのだろうか。
克巳の戦い方は意外にもカウンターが主体だ。
必殺技のマッハ突きもカウンターで持ち味を発揮している。
克巳は意外と受け主体のキャラクターなのだ。変な意味ではなく。 逆に烈に無理に攻めた時はカウンターを取られて負けている。
強気受けが克巳の得意技……そういうことである。
さて、一緒に並んで観戦していた克巳がいなくなった刃牙は一人で観客席最上段で見ている。
宿禰は横にいてやれ。お前は存在感がなさすぎるんだよ!
花田並みの扱いになってきた宿禰は置いておいて、刃牙は増えていることを、進化していることを感じていた。
「かつて「ピクル」との対戦を機に会得した イメージによる「多関節」の獲得」
ここで刃牙が見るのは克巳の骨格だった。 ピクルとの戦いの際に克巳は骨格を多関節だとイメージすることで真のマッハを手にした。
かつて刃牙は多関節状態の克巳をしなやかと形容したが、その秘密が多関節にあることを突き止めたようだ。
まぁ、そこは克巳に教えてもらったのかもしれませんが。
想像と推理でヒト科が多関節になったと思われるとさすがに困る。
この多関節化による加速はノーリスクではない。
拳足が自壊するに至ったし、骨が剥き出しになって右腕を失ってさえいる。
マッハシリーズは速度も大事だが自傷ダメージを如何に減らすかが課題となる。 そのため、速度に頼らずコンビニ袋トレーニングのような正確な一撃を求める。
そんな方向で片腕という個性を突き詰めようとした。
そう考えていた時期が俺にもありました。
![](https://i0.wp.com/www.inahostudio.x0.com/blog/wp-content/uploads/2020/10/201029_001.jpg?resize=592%2C912)
「全骨格の「鞭化」に成功している」
だが、克巳はさらに関節を増やして鞭化させた! リスクを考えろや!
自分の身体を鞭化した結果、右腕を失った過去を忘れてもらっては困る。
もっとも、あれはあえて当てないことでマッハの限界を超えたが故に起きた悲劇である。
ちゃんと当てれば良くて骨折で済むかもしれない。
こうして過去シリーズとの繋がりを見せたのは初めての気がする。
バキ道は過去シリーズとの繋がりが見えず、独自の世界観が築かれている感があったんですよね。
力士がやたらと強いところとか。 こうした繋がりを見せてくれるのは嬉しいですね。
下手に繋がりを見せると力士がやたら強いことへのつじつまを合わせられなくなるのかもしれないけどね……
それにしてもその領域に達していると呼んだ刃牙の鋭い読みである。
もとい変態である。
想像と推理でヒト科が鞭になったと思われるとさすがに困る。
こうして克巳は己を鞭とすることで生まれ変わった。
烈の腕のように過去シリーズから明確な進化、変化があるのが克巳だ。 この鞭化の領域は克巳自身の努力により辿り着いたのだろう。
烈の腕だけではなく本人の努力も垣間見える。
それだけに活躍を期待したいところだが……
「速いッッ」「加速
ここで獅子丸が動き出し、それに合わせる形で克巳は蹴りを放つ。
だが、鞭化によりさらなる速さを手にしたはずの克巳の蹴りは外れてしまう。
タイミングがズレたのか、あるいは刃牙の読み通りに加速の前に寄られてしまったのか。
大振りな蹴りではなく独歩のように正拳で迎え撃っていたらカウンターに成功していたかもしれない。
というよりも咄嗟に出してしまうのは一番繰り返していた動作、利き腕による正拳のはずだろう。
烈の腕で迎撃することに迷いが出た結果、蹴りを放ってしまい不覚を取ったのかも。 練習では烈の腕は文句なしの動きを見せたが、実戦では無意識下で躊躇があるのかもしれない。
克巳に組み付いた獅子丸はやぐら投げを敢行する。
あの本部を撃墜した忌まわしき技である。
このやぐら投げを前に克巳は抵抗できず頭から地面に叩き付けられる。
初手はリードしていた地下闘技場戦士であったが、克巳はいきなり不覚を取ってしまった。 獅子丸に一切の油断がないことが窺える。
いきなりの失態となったけど、マッハの蹴りを持つのが克巳だ。
カスっていたりしないだろうか。
それに正確な打撃を身に付けているのが今の克巳だし、ただ空振りすることは考えにくい。
まぁ、正確な打撃は私の推測なのですがね……
ここからどうなるのか。
本部のように四股による追撃で負けたらみっちゃんに烈の腕をその場で切断されるくらいの不祥事だ。 克巳はけっこう我慢強いし烈のためにも何とか耐えて欲しいところだ。
気絶した克巳の身体を烈が奪い取って戦い始めたらそれはそれで面白いけど。
鞭化は何の意味があるんだってことになりますが。
こうして初手より予想外の展開になった。
これで獅子丸の本名が範馬獅子丸だったりすれば盛り上がるんですけどね。
次回へ続く。
だが、次週休載! このタイミングでかよ!?
ちょっとギャグみたいなタイミングで休載するのは止めてくださいな……