刃牙らへん感想 第3話「刀帯びし肉体」



新連載開始早々の休載を乗り越え昂昇の出番だ!!
休載が目立ったバキ道を振り返ると第1話~第5話を一挙掲載した後に第6話~第10話まで一挙掲載していた。
その後、11話の後に休載したとはいえ開幕に限ればスゴく気合い入っていたんですね、バキ道……

ジャックとの試合が内定した鎬昂昇だがいきなり挑むわけではない。
神心会の道場にいた。
神心会なので独歩と克巳がいる。残念ながら加藤と末堂はいない。
刃牙らへんということで加藤の復権に少しは期待したがちょっと厳しいらしい。
独歩が刃牙よりも強くしてくれると言ったのに……

独歩は克巳が手に持った針金を手刀で切る。
独歩が定期的に見せるようになった絶技、針金切りである。
速さと鋭さの双方が要求される人間凶器の愚地独歩ならではの演舞だ。

この針金切りは独歩にはできて克巳にできない技らしい。
こと速さに関してはマッハ理論で補えるが、鋭さに関しては鍛え上げた四肢の頑強さが求められるのか。
でも、マッハの速さを用いれば鋭さの不利を補って普通に針金は切れる気はする。
事実、卵を切ることには成功している。
だからか、克巳はやったことがないだけと付け加えるのであった。
負けず嫌いなのであった。

その針金切りに昂昇が挑戦する。
針金は克巳が持っているのではなく、コンクリートブロックの間に置かれている。
今までの独歩がやっていたのはこちらだ。
どちらの方が難度が高いのかは断言できないが、今回の独歩はさほど振りかぶらずコンパクトなモーションで切っている。
コンクリートブロックに置く方は全力で振りかぶることができるから克巳に持たせる方が難しいか?

昂昇は右手を胴着の胸元に収めている。
そこから一気に抜拳して振り下ろし手刀ではなく指で針金を切るのだった。
これは龍書文が得意とした抜拳術の一つか?
鋭い四肢を持つ昂昇は抜拳術との相性はいいだろうし、こうした技術を手にしていてもおかしくはない。

「手刀は「指刀」より遅いものだ」「イジワル言うねィ」

克巳は針金の切り口を見て独歩よりも鋭いと評価する。
独歩としては手刀と指刀の違いだと言う。
昂昇はかつて四肢の先端操作が武術の特異性だと語っている。(刃牙道第174話
昂昇の針金切りは指先の扱いを用いた鋭さで行ったものらしい。

そんな昂昇は独歩との組み手を望む。
昂昇と独歩はお互いに同じように四肢が武器同然の切れ味を持つ。
だが、昂昇と独歩を比べると独歩の方が活躍が多い。実績には大きな差がある。
実力にも大きな差がある……はずだが、今の昂昇は烈海王に勝てると豪語するだけの実力を持つ。
ならば独歩とも比肩する実力に至っている……のか?

なお、烈海王に勝てる発言、20年前に遡るし昂昇が勝てなかったドイルに烈は武器ありとはいえ圧倒している。
……本当に烈海王に勝てるのか?
試すためにクローンで蘇らせません?

こうして最古のライバル、昂昇と最古の実力者、独歩の組み手が実現した。
昂昇は斬撃を用いる気である。
そんな昂昇に独歩が初手で選んだのは最初に習う蹴り技、前蹴りである。
独歩の前蹴りはその鋭さ故に受けただけでそこが急所になる本部が解説している。
一見すれば初歩の技にして独歩が受けて必殺の凶器攻撃なのだ。

「武神の前蹴り」

その前蹴りを人体においてもっとも急所が存在する正中線に放つ。
威力もさることながら狙うポイントも正確無比なのが年季を感じさせる。
ムエタイ戦士の正中線を幾度も抉ってきたと思われる。

基本にして完全なこの前蹴りを昂昇はかろうじて受ける。
受けるものの踏ん張ることができず吹っ飛ばされる。
今の独歩のパワーは刃牙を吹き飛ばすほどにビルドアップされている。バキ道第8話
昂昇が受け止めるのはさすがに無理があるのだった。
いや、刃牙の強さは時と場合によって変わりすぎるし、その気になれば普通に受けられそうですが……

だが、吹き飛ばされた昂昇は壁に脚から着地して衝撃を殺し、そして、問題なく床へ着地して構える。
吹き飛ばされたものの見事に防いではいる。
もっとも吹き飛ばした独歩の方が優勢……と思いきや独歩は大量の出血していた。
膝裏を昂昇が指で切ったのだった。

ただの組み手のはずが出血する凄惨な戦いになったので克巳は止める。
バスケットボールを切り裂く昂昇の斬撃空手を人体に打ち込めば出血は免れず、即ち重篤なダメージを与えることになるのだ。
その斬撃空手を喰らいまくったドイルは斬撃による出血はなかったけど、そこは改造人間なので皮膚が強いということで……

だが、どのタイミングで切ったのかが疑問だ。
インパクトの瞬間は両腕で前蹴りを受けている。
これではインパクトの前に切る……のは難しそうだけど、あれだけ吹き飛ばされればインパクトの後に切るのも難しい。
しかも、膝裏という攻撃を与えにくい部位を狙って当てている。
不可解なほどに斬撃拳は研ぎ澄まされている……のか?

「ジャックとの試合―――」「或いは”戦争”以上かも知れんぜ」

独歩と克巳はジャックと試合することを知っていた。
同じ空手家として昂昇寄りなので演舞を見せ組み手を受けたのか。
ジャックの噛み付きは強力だが昂昇の斬撃拳の危険度も上がっていた。
受けながらも相手を切るのは嚙道にも似ている。
意外と良い勝負になる……のか……?

ジャックVS昂昇はお互いが血まみれになりそうな戦争級の凄惨な試合になるのか。
さすがに指を噛みちぎるのはキツいので、そういうのは宿禰だけにしてあげてください。
昂昇の実力を期待させつつ次回へ続く。
なお、次週休載!! 休載ペースが早いよ!?
バキ道を越える休載は予想外でしたね。
その分、中身が詰まった展開になればいいのですが……