刃牙らへん感想 第12話「あの頃より」



ジャックと昂昇が普通に戦っている!!
何か普通に戦うだけでもビックリだ。
もうちょっと能書きを並べるかと思ったんですけどね。
休載を除けば刃牙らへんの展開は早いぞ! 休載を除けば! 休載を……除けば……

先手を取られたジャックは一見すれば大量出血する。
斬られたのは皮膚くらいだろうから、一見すれば大量出血でも重篤なダメージには至っていないだろう。
一方で当てただけで出血させるというのは凄まじい切れ味だしアドバンテージにもなる。
ジャックに挑むのは無茶かと思ってたけど昂昇なりの勝算と準備はあったらしい。

(増してる……)
(あの頃より――――――)
(俺とった頃より――――)
(鋭利だ)


昂昇の切れ味は刃牙も認めるほどだった。
もっとも、刃牙の昂昇の評価は戦った時、強いて言えば最大トーナメントの時で止まっている。
ドイルと戦った時の烈海王に勝てるモードの昂昇は知らない。
刃牙さんは世間に目を向けなさすぎである。

今の昂昇はそこからさらに1段階は強くなっている。
刃牙としては別人レベルに映ってもおかしくない。
あと刃牙との緒戦の昂昇は以後と戦い方がかなり異なる。
爪を立てて切り裂く戦い方なんて一切やらなくなった。
あの時点で皮膚を切り裂いていたから今と同じようなことはやろうと思えばやれたのかも……?

昂昇は手を捻るような構えを取る。
いきなり新紐切りだ!
一方で大きなスタンスを取っていた今までの新紐切りの構えと異なり、直立で小さな構えとなっている。
新紐切りにこだわらず他の動きにも対応できるようにしているのか?

対するジャックは拳をアップに構える。
ジャックは打撃系ストライカーなのだ!
宿禰の時と違って噛み付きを初手から狙う気はないのか、あるいはコンビネーションや受けに噛み付きを交えていく気なのか。
身長を存分に活かせるため、噛み付きよりも打撃の方が脅威なくらいだ。

宿禰はフィジカル任せな分、無防備なところがあり、そこに噛み付きが刺さっていた。
一方で昂昇はそうではないから打撃で削ることを優先したのか。
リーチと体重の差で普通の殴り合いをするだけでもジャックが有利なのも大きいだろう。
相手に応じた戦い方ができるようになったのが嚙道に目覚めたジャックなのだ。
いや、それ、当たり前のことなんですけどね……

ジャックは巨漢に似つかわしくない素早い出足で左ジャブを数発重ねる。
だが、昂昇はそれを全て捌く。
打撃戦は昂昇としても十八番なのである。

しかし、高空からの攻撃に意識が行ったところを右ローキックで下段を刈り取ろうとする。
それを昂昇はジャックの頭上を飛び越える大ジャンプでかわした上で、足刀を顔面に当ててカウンターを取る。
烈海王並みの凄まじい跳躍力と技術である。
烈に勝てると言ったのは伊達ではない。

一方で宿禰を苦しめた噛み付きカウンターの心配があったが、側面から蹴ったこともあって噛み付かれてはいない。
正面から打撃を当てない限りは噛み付きカウンターの心配はないようだ。
正面なら刀でさえ真剣白刃取りできるのだけど。



見事な昂昇のカウンターであったがタフネス自慢がジャックの強みでもあり、怯まずに連打を続ける。
パワーとスピードとリーチが伴った連打を昂昇は受けるが、受け続けるだけでなくカウンターで眉間に親指一本拳を叩き込む。
急所を狙いすました精密な打撃だ!
ただ切れ味のある打撃を振るうだけでなく、ドイル戦で開眼したスタイルも健在であった。

思うようにダメージを与えられていないジャックだったが次の手は奇策。
昂昇の左手を握り握手の形を取るのだった。
昂昇の防御とカウンターの技術は一流であり、ジャックの打撃力を以てしても簡単にアドバンテージを取れない。
なので動きを止めるためにこの奇策を実行したのか。
これは渋川先生戦で見せたこうしたゆっくりした一打に似ていると言えよう。

昂昇は左手を解くことなく反撃をする。
新紐切りだ。ジャックの左目の視力が奪われる。
自然な所作で新紐切りを放っている。
今の昂昇は斬撃拳の切れ味が上がった結果、無理に力んだ構えを取る必要がなくなったようだ。
それだけに今までの構えを取った紐切りを放てばさらに威力が上がっていそうだ。超紐切りとか?

だが、ジャックもやられるばかりではない。
左肩に噛み付いた! 嚙道炸裂だ!
互いに必殺をぶつけあった。
それだけにここからどうなるか、読めない展開だ。


やたらと戦いのテンポがいい!
いや、ビックリですよ。
昂昇も秘められていた実力を見せつけているし見所が多い。
休載は多いけどこれなら満足ですよ。
休載は多いけど!

昂昇は防御とカウンターの高い技術を見せている。
ドイル戦で見せたスタイルを再び見せてくれて私としては嬉しい。
ビジュアル系に相応しいスマートな格好いいスタイルだ!

でも、肩に噛み付かれてピンチだ。
どうする、昂昇。


・その1 本部以蔵作戦
肩を噛み付かれた先人、本部以蔵は上着を噛ませたまま、身を引くことでほとんどの歯を奪い取って大ダメージを与えた。
スマートかつ非常に効果的なカウンターであった。
身を引くだけなのでこれといった技術が必要ではないのも大きい。

でも、あれはアラミド繊維のジャケットあってのカウンターなんですよね。
昂昇も胴着越しに噛ませているとはいえ、あくまでも胴着。
本部のジャケット並みの防御力は期待できないし、そのまま噛み切られてもおかしくない。

昂昇の胴着もアラミド繊維製だったりするのか?
まぁ、それでまた歯をやられたらジャックはお馬鹿さんってレベルじゃないですけどね……


・その2 紐切り
昂昇の紐切りは視神経を切るだけでなく筋肉に関わる神経も切れる。
というよりも初出の紐切りはそちらで、刃牙の片腕を封じている。

同じようにそれでジャックの咬筋力を封じてみるか?
昂昇にしかできない返し技だ!
でも、それをジャックが喰らうとずっとアゴを開けっぱなしで戦うことになるのか?
それはちょっと格好悪いな……

・その3 諦めて噛み切られる
肩を噛み付かれたもう一人の先人、烈海王は普通に食われました。南無。
でも、肩を噛み切られても戦闘力に一切の衰えは感じさせなかった。
なのでグラップラーに取って肩の肉はあまり重要ではないのでは……?


昂昇は窮地だがそれだけに実力が試されるところである。
どのような解答を見せるのか、次回に期待したい。
次回へ続く。
次週は掲載!