戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE04 黄金錬成



第4話はアクシデント回である。
シリーズを見渡してみても血涙とか電光刑事バンとか血涙とか。
よし、血涙しよう!(推奨)




「――お母さんを助けてくださいッ!」
「ずっと熱が下がらなくて凄く苦しそうで……ッ!!」
「お願いです、助けてッ! ……お父さんッ!!」


今日の開幕幼女。
この特徴的な眉毛から察せられるようにサンジェルマン、かつての姿であった。
側近は性転換させたカマホモだったり金子彰史だったりするが、サンジェルマン本人は根っからの女性であることがわかる。

かつてのサンジェルマンは母親想いであり、父に助けを求める。
父に助けを求めなければいけないというシチュエーションがある意味異常ではある。
そして、シンフォギアの父親は問題児ばかりである。




「――奴隷が私に擦り寄るなッ!!」

故にサンジェルマン父、真性のクズ!
ダメ親父代表の洸でさえガン引きして娘に勘定をお願いするくらいのクズであった。
娘にこの台詞はなかなか言えるものではない。



「慰みを与えた女の落とし子だ」
「つけあがらせるな」
「奴隷根性を躾けておけ」


そして、娘をブン殴りこの台詞。
人を貶めることに特化した怒濤の語彙である。
親子間の愛情はまったく存在しないことが窺える。
俺たちの洸さんがブチ切れるぞ! 奢らせるぞ!



「ごめん、お母さん。今日も食べ物を手に入れられなくて……」
「でも、一昨日のパンがまだ残ってるから――」


奴隷根性を躾けられたのか、あるいは途中で逃げ出したのか。
サンジェルマンはオンボロな自宅へと戻る。
オンボロなのもそうだが一昨日のパンという言葉が涙を誘う。
相当に貧しい暮らしをしていることがわかる。
実在のサンジェルマンはスペイン王妃の血を継ぐ相当に高貴な生まれなのだが、シンフォギアのサンジェルマンはそうではないようだ。




「お母さん?」
「お母さんッ!」
「お母、さん……」


そうして戻ってくるとサンジェルマン母は既に事切れているようだった。
父親に助けを求めたら奴隷扱いされた挙げ句、帰ってきたら母が死んでいた……
多感な少女期にこんなことがあればトラウマになってカマホモと金子彰史を性転換させてもおかしくない。
シンフォギアの敵役に悲しい過去は付きものだが、サンジェルマンもその例に漏れないのであった。
苦労人なのだ……苦労人すぎて中間管理職なのだ……ツライさんなのだ……





「ラピス……」
「錬金の技術は、支配に満ちた世の理を、正すために――」


400年経っても忘れられない辛い過去を胸に現在を生きる。
フィーネさんといい、キャロルといい、過去を力に変えている。
同じ錬金術士でも研究室が小汚かったイザークやエルフナインと違って、サンジェルマンはけっこう整理されている。
こういうところに隙を作らないから地味な印象が出てしまうんだ。
何か面白いことしろ(無茶振り)





「退屈ったら退屈ッ!」
「いい加減、アダムが来てくれないとアタシ、退屈にくびり殺されちゃうかもぉッ! かもかもぉッ!!」


暗がりで地味な作業をする中間管理職とは対称的に、他の2人と1体は明るいホテルで優雅に過ごしていた。
この差である。
上司が苦虫をかみつぶしながら作業する中で気楽な部下たちである。
サンジェルマン、胃潰瘍で倒れるのがオチになるんじゃないだろうか。

そんなサンジェルマンの苦労を一瞬で塗り潰す快傑☆うたずきん!である。
用語集で「現代に目覚めてからは少女漫画に夢中である」と補足されてからすぐにうたずきんが登場した。
クリスのキャラソンもうたずきんだし、AXZはうたずきん推しである。
GXでは片鱗しか触れられなかったが、AXZではその真実に触れられる時が来た……のかもしれない。

うたずきんの作者は「冬木あい」となっている。
元ネタは不明。
なお、金子彰史は少女漫画を愛読していた。 WA2では少女漫画ネタが一部に組み込まれていた。
なので、これも何らかのネタが仕込まれている可能性も高い。
用語集による解説が期待される。
あとラクウェル金子直筆による漫画家も期待される。



「……フン」

はしゃぐティキに対するプレラーティは冷たい。
カリオストロも無視している感じだし、この2人のティキに対する好感度は相当に低いことが窺える。 いろいろと苦労して手に入れたのに……
堂々の無茶振りをしてきた統制局長製だからか?
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い?




「ねえ? サンジェルマンは?」

「わたしたちのファウストローブの最終調整中なワケダ」
「踊るキャロルのおかげで随分と捗らせてもらったワケダ」
「あと――」


サンジェルマン、一人で残業あるいは休日出勤をしていたのだった。 か、可哀想すぎる……
お前らもホテルでのんびりするくらいなら手伝ってあげても……
せめて自分の気持ちに嘘はつきたくないと振舞っている(からホテルでのんびりする)
その怠惰をあらため、地道な研究者として完成する(けど、以前の性情が顔をのぞかせ、楽しさを優先させることがあるからホテルでのんびりする)

ここでキャロルとファウストローブの2つが単語が再登場する。
錬金術の全てがパヴァリア光明結社にとって既知の技術というわけでなく、キャロルの影響も多分に受けていることがわかる。
パヴァリア光明結社との繋がりはどの段階から生まれたのかはわからないが、何百年にも渡って研鑽し続けてきたわけだし結社からしても一目を置く存在だったのかも。
一度は世界を分解しかけたわけだし一目を置かないと不味いとも言える。




「何処に行こうとしているワケダ?」

「もしかして、もしかしたらぁ、まさかの抜け駆け?」

「ファウストローブ完成まで待機できないワケダ」

さらに部下はまたも勝手な行動をするワケダ。
サンジェルマンの胃袋がまたも心配される。
結果、プレラーティが言おうとしたファウストローブの最終調整以外の思惑がわからないままとなった。
あとティキに少しは構って差し上げろ。
こんなだからうたずきんにハマってしまうんだ。






「道具越しってのがもどかしいのよね」
「あの子たちは直接触れて組み敷きたぁいの♪」


今日のカリオストロのヌルヌル仕草。
今回のカリオストロは全体的にヌルヌルしている。
カマホモへの深き愛を感じる。
……いや、ホモ要素ないけど。

道具なしでやり合いたい。
つまり、男なら拳一つで勝負せんかい!ということである。
見た目はおっぱいボーン!おっぱいドーン!だけど、中身は男なのだ。そういうことなのだ。そういうことにしておこう。

ともあれ、シンフォギア相手に強気である。
その強気を裏付けるように錬金術士たちは生身でもクッソ強い。
キャロルもカリオストロもシンフォギアのパンチを直撃しても平気だった。
シンフォギアはフィーネさんには玩具呼ばわりされていたし、XDやイグナイトと言った例外を除けば異端技術の中ではスペックが低い部類なのかも。



「直接触れたいって――まるで恋みたいな執心じゃなぁいッ!」
「あーんッ! アタシもアダムに触れてみたぁいッ!」
「むしろ、さんざっぱら触れ倒されたぁいッ!!」


そして、相変わらずのガン無視。
こんな扱いを受けても相変わらず脳天気なティキは懲りないというかめげない。
アダムにさらりと流されても全然平気だったし、この程度の扱いでは動じないということか。
これがガリィだったらゲス顔をしていたところだぞ。やったぜ。



さて、舞台は長野県の松代。
バルベルデと比べるまでもなく近場である。
そこでは住民たちが避難を行っていた。
毎度のように大事件が起こるシンフォギア世界だけど、それに見合うようにシェルターなどの避難をするための準備がされているのだ。




「先の大戦末期、旧陸軍が大本営移設のために選んだここ、松代には、特異災害機動部の前身となる非公開組織、風鳴機関の本部も置かれていたのだ」

「風鳴機関……?」

出た! 風鳴機関!
第1期の頃からバックグラウンドに存在したが、直接触れられることはなかった設定であった。
それがAXZでは触れられるようだ。
風鳴訃堂がOPに出張るくらいだし、風鳴一族がさらに掘り下げられそうである。
翼個人の葛藤は大分解決されたから、風鳴一族の闇に触れる方向なのだろうか。

戦時中、中枢機能を太平洋から近い東京に置くのは防衛の観点から難点があると見られていた。
なので、様々な事情を鑑みて松代へと移設が予定された。
だが、その作業中に終戦となったため、移設は中止されることとなった。
……というのが実際の松代の大本営移設のあらまし。
その過程で作られた施設を風鳴機関が再利用した、あるいは逆に風鳴機関が利用していた施設を大本営として使おうとしたのがシンフォギア世界のあらましなのだろうか。

なお、松代には皆神山が存在する。 フィーネの陰謀によって奏の家族が命を落とした忌まわしき地であり、神獣鏡が発見された地でもある。
奏がシンフォギアを纏うことになった発端でもあり、未来がシンフォギアを纏うことになった発端でもある。
第1期第4話で奏がいた場所は風鳴機関の施設……?

そんなわけで松代は様々な因縁が絡み合う地である。
風鳴機関の本部! 天羽家族の悲劇! 神獣鏡の発見!
イベント盛り沢山すぎてヤバい。
そんな場所に行くのだからただでは済むまいて……




「資源や物資の乏しい日本の戦局を覆すべく早くから聖遺物の研究が行われてきたと聞いている」

「それが天羽々斬と同盟国ドイツよりもたらされたネフシュタンの鎧やイチイバル」
「そして、ガングニール……」


また、日本と聖遺物の付き合いも語られる。
聖遺物のエネルギー利用としての側面が強めだったドイツに対して、日本は兵器利用の側面が強めだったようだ。
フィーネが日本で研究を行ったのも兵器利用を求めてか。
計画の中核を担ったカ・ディンギルなんて兵器そのものなわけだし。



「バルベルデで入手した資料はかつてドイツ軍が採用した方式で暗号化されていました」
「そのため、ここに備わっている解読器にかける必要が出てきたのです」


重要な情報には例え旧型でもハードウェア的なロックを行うことで、その解読を困難にすることができる。
IBN5100みたいな。
というわけで、風鳴機関本部へレッツゴー。
見た目は物々しいとはいえ普通だな!
傍らに映る屋敷が気になるところだけど。
風鳴? 風鳴一族?



「暗号解読機の使用に当たり最高レベルの警備態勢を周辺に敷くのは理解できます」
「ですが、退去命令でこの地に暮らす人々に無理を強いるというのは……ッ!!」


さて、暗号解読に当たって周辺地域の住民に退去を命令したようだ。
警備だけならまだしも、退去まで行うのは相当だ。
絶対の機密保持ということだろうか。
こうしたバックグラウンドを描くのも金子彰史。
けっこう細かいことを気にする世界観なのだ。
やることは大雑把だったりするけどな!




「……守るべきは『人』ではなく『国』」

「人ではなく……?」

「少なくとも鎌倉の意志はそういうことらしい」

で、出た! 鎌倉!
公式サイトの背景にあった「鎌倉の老人」というキーワードから注目度が高まる鎌倉が出てきた。
どうみても風鳴訃堂です。本当にありがとうございました。
なお、鎌倉の老人はフィクションに出てくる日本を裏から操る立場の人を指す。





「難度の高い複雑な暗号だ」
「その解析にはそれなりの時間を要するだろう」


というわけで、やたらアナログな機械で解析が行われる。
これでは時間がかかるのも道理である。
情報の秘匿にはハードウェアプロテクトが一番。
そして、研究者大好き謎サングラス。




暗号の解読が終わるまで警戒任務。
二課装者はもちろん、F.I.S.装者ものんびり日本紀行を開始するのであった。
戦えないことに歯噛みすれど、できることを少しずつやっていく地道なスタイル。
切歌と調はともかく、マリアは生身でも十分な働きができるワケダ。





「あーッ!?」
「あそこにいるデスッ! 252ッ!!」
「れっつらゴーデスッ!!」


「……真似してみたいのはわかるけど切ちゃん、それは……」

【悲報】切歌、かかしを人間と勘違いする
切ちゃん……年々、野性に近付いておりませんか……?
理性のある人間は墓前に醤油を捧げないと思うのデスよ……?
そろそろ、デスだけでコミュニケーションを図ろうとするかもしれない。
もうしてた。

この252は生存者ありという意味合いで用いる番号である。
である以上、この場面で使うのはちょっとズレている。
知ったばかりの言葉を使いたいだけなのか……これだから常識人は……愛い奴め……
――と思われるが、ひとつの背景がある。
GX第2話でクリスがエルフナインを発見した際に『252』を使っているのだ。 戦うだけがS.O.N.G.の仕事ではなく、むしろ人命救助が本懐なので、以後もそうした活動の中で252を使うクリスを切歌は見て来たのだろう。






さらに3.5でも切歌はクリスの言葉遣いに影響を受けている描写がされている。
真似をしてみたいという調の台詞から察するに、切歌はクリスの真似をしたくなるほどには憧れているのだ。
ただの切ちゃんが常識を喪失しおバカでアホの子になっただけのように見えて、切歌のクリスへの親愛が強く表れたシーンなのだ。
切歌とクリスの今の距離感がわかる一幕である。



「――怖ッ!?」
「人じゃないデスよッ!!」


ダダかよ!
面白いだけのシーンに見えて実はいいシーンだったのに、結局面白い方に舵を切りやがって!






「LiNKERの補助がない私たちにできる仕事はこのくらい……」

「今は住民が残っているかを全力で見回るのデスッ!」

「でも、力みすぎて空回りしているわよ」

「正直……何かやっていないと焦ってわちゃわちゃするデスよ……」

やれることは積極的にやるが、それでも逡巡が絶えないのが今のF.I.S.装者。
アレか、訓練でLiNKERを使いすぎたな!
あと王様フルボッコマラソン!






「切ちゃん、後ろッ!?」

と、ここで農家のおばあちゃんと切ちゃんが激突。
さて、このシーン、地面にトマトが落ちていることを確認いただきたい。




「大丈夫ですかッ!?」

「ごめんなさいデスッ!!」

田舎の親戚の家にやってきたお母さんとその子供かな?
二課装者とは別の意味で浮き世離れしているF.I.S.装者だけど、無駄に日常感溢れる一コマである。
また、このシーンでもトマトが地面に落ちていることを確認いただきたい。




「政府からの退去指示が出ています」
「急いでここを離れてください」


「はいはい、そうじゃねぇ」
「けど、トマトが最後の収穫の時期を迎えていてねぇ」


ここでおばあちゃん、まさかの地面に落ちたトマトを拾って勧めるのだった。
おばあちゃん……トマトをくれるのはありがたいです……
賞味期限とか細かいことを気にしない年頃なのはわかります……
でも、できればカゴに入ったトマトの方を……
せめて水で洗って? ね?



「美味しそうデェスッ!!」

トマトに心奪われて地面に落ちたことを忘却しやがって!
このトマトが美味そうだからチクショウ!






「んん~~ッ!」
「美味しいデェスッ!!」


グルメ漫画のようにいい表情でリアクションをする切ちゃん。
一歩間違えれば自分を常識人だと思い込んでいる常識人になっていたが、無事に可愛いですね、切ちゃん。
醤油を飲む時はね、誰にも邪魔されず自由で、何というか救われてなきゃあダメなんだ……独りで静かで豊かで……



「ホントだぁ……ッ!」
「近所のスーパーのとは違うッ!!」


このトマトには調も大喜びである。
ここで近所のスーパーを比較対象に挙げる辺り、調も残念な美少女だと痛感する。 もうちょっと、こう、儚さが出る表現はできないのでしょうか……
いや、日頃から自炊しているのがわかるのはいいことかもしれないけど……



「あのね、お母さん……」

突如のグルメアニメ化にマリア・カデンツァヴナ・イヴ、困惑する。
ここでおばあさんの視界に合わせて腰を下ろしているのが優しさの証左。
170cmと背が高いながらも、腰を下ろして視線を合わせることを躊躇わない。
こんな人がフィーネを名乗って世界に宣戦布告したとかギャグですか?



「きゃっはぁん♪」
「見ーつっけた♪」


突然のカマホモ!
今の自分にチンポは(多分)ないッッ!! 錬金術士カリオストロ!
夏コミに薄い本はない。
カリオストロ以外もない。





「あれま、ちゃまい方」
「イロイロ残念な三色団子ちゃんたちか」


「三……ッ!?」「色……ッ!!」
「団子とはどういうことデスかッ!!?」


ピンク(調)白(マリア)緑(切歌)で三色団子……
無駄に上手い言い回しである。
というか、三色団子をよく知っているな、一応外国人のくせに。
現地人でさえよく知らない言葉を流れるように使いこなすのが金子彰史世界の横文字の人たち。



「見た感じよ、怒った?」
「でも、がっかり団子三姉妹を相手にしてもねぇ?」
「それとも――ギアを纏えるのかしら♪」


さらに団子三姉妹。
あなた、本当に外国人ですか?
日本で暮らしていらっしゃるのでは?
アンタが面白い言い回しをする度に解説しかできていないサンジェルマンの影がどんどん薄くなっていくだろ!






「そんなに言うのならッ!」

「目に物を見せてやるデスよッ!!」

「――挑発に乗らないッ!!」
「今日は私たちのできることを全力でやるんでしょッ!!」


F.I.S.装者とは実際に戦っている。
カリオストロとしても手の内がわかっている相手である。
なおかつLiNKER必須の不安要素のある相手となればなおさら戦いやすい。
挑発していぶり出せるかと思えばマリア・クレバーヴナ・イヴが制止する。
制止の仕方も頭越しに否定するのではなく、本人の本当にやりたいことを前面に出させることで止めるのが上手い。
GもGXも切歌と調の動きをコントロールする余裕がなかった感があったが、今は見事に操っている。
このお母さんめ……さっきからお母さんお母さん言っているけど、アンタこそがお母さんだよ……



「やっぱりお薬を使い切って戦えないのね」

同時にLiNKER切れがバレてしまう。
F.I.S.に協力していたのだから、手の内はわかっているということか。
ウェル博士、わりとあっさり漏らしそうだし。
何かナスターシャ教授も漏らしそう。
F.I.S.は大人たちもガバガバなり……






「それならそれで信号機が点滅する前に片付けてあげちゃう♪」

パヴァリア光明結社にとって装者たちは殲滅する対象……
ということで、アルカ・ノイズを展開。
男なら拳一つで勝負せんかいと言っていたけど、勝負の土俵に立てないなら瞬殺するということか。
カリオストロは好き勝手やっているがちゃんと仕事を果たす気ではいるのがわかる。
下手に殴りかからないのはマリアの延髄斬りを警戒してのことか。
錬金術士と言えど生身なら気絶は免れまい!

で、信号機は赤(クリス)黄(響)青(翼)で二課装者のことだろう。
団子三姉妹と言いわかりやすい例え大賞受賞である。
サンジェルマンはこれに対抗できる言い回しを思いつかないと地味子のまま終わってしまうぞ……




「――あたしに任せなッ!」
「こっちの方が近いからなッ!!」


カリオストロの強襲と同時に二課装者にも連絡が行き、クリス、おっぱい強調ジャンプ!
何か女の子っぽい飛び方がクリスらしい。
これが未来さんなら堂々の陸上ジャンプをする。 なお、今回、小日向未来の出番はない。
次のシンフォギアRADIOが荒れるな……







「Killiter Ichaival tron――」

即座に変身! ヒャッハー!
変身バンクでも弓強調。
AXZは本当に弓推しである。
弓道警察に接近戦を挑む姿、イエスだね。
ギアの型式番号は「SG-r02 Ichaival」で予想通りと言ったワケダ。
なお、例年ほど胸を強調しない。ちょっと残念。



変身完了と同時に新曲『GUN BULLET XXX』を唄いミサイルで飛ぶ!
いや、そりゃ速いかもしれないけど。
シンフォギアとしてはごくごく当たり前の光景になったけど。
でも、冷静に考えると使い方を間違えていませんかね?
ミサイルはもう完全に交通手段になってしまったようだ。
第1期では搦め手だったが、ここまでに幾度も交通手段として使った結果、武器として使うのはむしろ誤ちとなってしまったのか。
これは金子彰史伝統の力というモノは使い方次第というメッセージなのだ……多分。




「こんなヤツらに背中を見せるなんてッ!!」

F.I.S.装者は今日は何か妙にデカいアルカ・ノイズに追い回される。
ギアさえあれば他愛のない相手なのに背中を見せざるをえない。
最近のアルカ・ノイズのやる気のなさはとんでもないしなおさらなのかも。
今も絶対的優位なのに追いかけるだけだ。
解剖部位で攻撃しろ。 自分を触れるだけで炭化できる旧ノイズだと思い込んでいるアルカ・ノイズ。






「助かったデスッ!」
「憧れるデスッ!!」


そこにミサイルに乗ったまま射撃をするという面白い絵面でクリスが駆けつける。
ミサイルを使えば機動力自慢の天羽々斬よりも速いかも?
そして、切歌は堂々のクリスペクトを炸裂させる。
本当に仲がよろしくなっておられますわ。
実は薄い本人気コンビだしな!
クリスは言うまでもないけど切ちゃんも多い。少ない中だけど多い。



「逢いたかったわぁッ!」
「ああ、もう……ッ!」
「巡る女性ホルモンが煮えたぎりそうよぉッ!!」


ぽいぽいと光弾を乳を揺らしながら投げつけ、よくわからんことを言い出す。
動きは大変魅力的なのですが台詞が面白くて……
この人、身体付きはエロいくせにエロくなりきれないのは面白い言動が目立つからだよ……
何で期待の新人が薄い本の芽を摘んでいくんだよ……先輩の防人もだよ……






台詞は面白いが実力は本物。
飛び道具自慢のクリスと互角に打ち合った上でさらにEX波動拳でミサイルを破壊、地面に引きずり下ろす。
真っ向からの打ち合いをしたということはカリオストロは飛べない?
意外とレアスキルなのが飛行能力。
シンフォギアはXDでない限り不可能だし、錬金術士もキャロルでないと飛ぶことはできなかった。






「やっと近くに――来てくれたぁッ!!」

地面に降ろしてからはさらに弾幕で追い詰める。
クリスは真っ向から打ち合わず回避の後にマイブームの弓を構える。
弓こそ戦場において最強の武器なのだ!
練度こそ必要なもののその強さは銃にも負けん!
俺がマサイ族だ!

ここでちょっとAXZになってからの弓重視の考察。
レイア妹を瞬殺しているし威力という点においては弓形態は特筆すべき点がある。
単純な総合火力では「MEGA DETH QUARTET」に代表される全弾発射系の方が上かもしれないが、チャージ時間の難点や過剰火力という点から対多数ならともかく対個人においては弱点が目立つ。
GXでの錬金術士たちの戦いを経て対個人の重要性を考慮した結果、対個人における適性火力かつ最大火力の弓形態に注力するようになったのだろう。 クリスはバトルセンスの高さが注視されるが、それは単純な火力任せというわけではなく、ハンドガンによる接近戦を身に付けたりと状況に応じた器用さにも活かされているのだ。





「焦って大技」
「その隙が――命取りなのよね♪」


しかし、弓を構えると同時に背後に回り込む。
カリオストロは錬金術の不思議パワーも凄いが、マリアの左ストレートを食らっても平気だったし単純なフィジカルもかなりのものである。
ああ……雑魚には強いけどボスキャラには隙だらけなクリスちゃん伝説が更新されてまう……
弓で殴るのはどうですかね? モンハンでもそれで尻尾切れたでしょ?





「ああ――誘い水に乗って隙だらけだ」

「え……ッ!?」

 驚愕
PANIC

大技は誘いで傍らにいる仲間こそが本命!
ステファンのことで思い悩むクリスではあるが、仲間を信じる大事さは染み込んでいるらしい。
それで痛い目を見たのがGとGXだったし、こうした部分で成長しているのであった。






「――せやァッ!!」

また殴られた! カマホモが殴られた!
八極拳の大技のひとつ、頂肘の炸裂である。
ここまで堂々と殴られたキャラもそうそういない。
……いや、けっこういたか。うん、いたな。
だが、カリオストロが殴られ役として確固たる地位を築いたのは疑いようもない。
カマホモだと遠慮なく殴れるのがいいですね。幼女相手でも遠慮なく殴ってたけど。



「内なる三合――外三合より勁を発す」
「これなる拳は六合大槍ッ!」
「映画は何でも教えてくれるッ!!」


貴様は映画武術を嘗めたッッ!!
こうして映画武術が錬金術士にも炸裂したのであった。
パヴァリア光明結社には錬金術という武器があるが、S.O.N.G.にも映画武術がある!
異種格闘技戦にもほどがあるな。

ついでにざっくばらんに解説すると内三合は精神的なモノで、外三合は肉体的、動作的なモノを指す。
内三合は精神論もとい気を重要視する中国武術らしい考え方である。
ムエタイはそういうのを軽視してタマピンされるヨ。




「壁……?」

「壁呼ばわりとはぶしつけなッ!」
「――剣だッ!!」


さらに翼も第1期から続く伝統のやり取りで駆けつける。
壁ではなく剣!
でも、アンタは絶壁……いや、一応、膨らみあるか、うん……
そんなわけで今までと同様の形式で今までにない方向性で伝統のやり取りが弄られた。 変に面白くしやがるからチクショウ!

なお、殴られたカリオストロはまったくダメージを感じさせない。
殴られキャラを確立させると同時に、そのダメージを残さないことで格を落としていない。
全力の拳を受けてなお平然としているのはかなりの強敵であることは疑いようもない。





「信号機共がチカチカと……ッ!!」

「――私の指示を無視して遊ぶのはここまでよ」

「チッ……ッ!!」
「次の舞踏会は新調したおべべで参加するわ」
「楽しみにしてなさい」
「バァーイ♪」


カリオストロは信号機トリオの連携に翻弄されながらも、サンジェルマンの命令には素直に従い撤退する。
好き勝手に行動しつつもちゃんと命令には従う。
サンジェルマンの思想に従っている節も見られるし、これでもちゃんとした部下なのだ。
まぁ、サンジェルマンの胃が痛めつけられるのは変わらないと思いますがね。
むしろ、ちょっと目を離せば戦闘開始しているとか上司としては不安で仕方ないか。
手強そうとかじゃなく可哀想でキャラ立てをしているサンジェルマンはさすがである。 冒頭の父親に奴隷呼ばわりされたことより、こっちの方が何か可哀想。



こうして錬金術士と直接戦闘第2戦は終える。
この絵面、妙に面白いから止めて欲しい。
言語化しにくいけど本当に妙に面白い……
静かなギャグとかズルいのでもっとやれ。




その後、マリアたちはおばあちゃんを小学校へと避難させる。
女性とはいえ背負ったまま、全力疾走をするマリアの身体能力よ。
ともあれ、無事に運搬完了したのだった。
戦うことはできずとも人助けはしっかりと完遂しているのだった。



「私たちに守る力があれば、お母さんをこんな目には……」

とはいえ、戦えないことがシコリとして残っていた。
人命を守れたのだから十分な活躍を果たしたと言えるが、過去の罪で自分を責めているだけに要求値が高いのであった。
そうしたモノとは関係ないこと、具体的には翼との付き合いは素直に楽しめるのだが。
そして、百合アニメみたいなやり取りをしようとしてやっぱりシンフォギアなので何かズレたやり取りになってしまう。




「そうじゃ」
「せっかくだからこのトマト、あんたも食べておくれ」


「わ、私……トマトはあんまり……」

【悲報】マリアさん、トマトが苦手
AXZになって完璧超人に磨きがかかり、聖人どころか聖母の域に達していたマリアさんだが、残念にもトマトが苦手なのであった。
そうか……だから、切歌と調が孤独のトマトをやっていた時に何だか気乗りしていなかったわけか……



なお、マリアのトマト嫌いはGXの時点でさりげなく描写されている。 個人差は全然あるとはいえ、こういうのは前菜となるサラダから食べる物だと思うのだが、トマトに手を付けていない。
意外な弱点が存在したのであった。
トマトノイズが出てくればゲロ吐いて血涙するな!




「では……ちょっとだけいただきます……」

うるせえ地面に落ちたトマトを食えやとおばあちゃんは笑顔で威圧する。
いや、本当に美味しいトマトを食べさせてあげますよ、かな?
これにはマリアもついに観念するのであった。
まぁ、最年長装者なのにトマトに怖じるようではな……



物凄く不味そうに食うの止めてください。
いい反応をしたきりしらを見習えい。



「甘い……フルーツみたいッ!?」

だが、予想外の美味!
マリアはフルーツのような甘みに驚愕するのだった。
まるで美味しんぼ第7巻のトマトのエピソードのような反応である。 何だこのトマトは! これが本当にトマトなの! 嘘でしょう! これトマトじゃないわよ!




「トマトを美味しくするコツは厳しい環境に置いて上げること」
「ギリギリまで水を与えずに置くと、自然と甘みを蓄えてくるもんじゃよ」


これ、本当に美味しんぼ第7巻のトマトのエピソードだ!
まんま一緒だ!
美味しんぼでも水を与えないとか言ってた!
そうか、だからいきなり松代に出向いたのか……
美味しんぼなら明日が平日だろうが新幹線で無理矢理県外まで連れて行かれて美味い物を食べさせられるワケダ……
個人的に美味しんぼの無茶遠出エピソードとしては3分しか話す時間がないと言う多忙な社長を兵庫県まで連れ回した話(第14巻)と明日が会議なのに三重県まで食べさせに行った話(第13巻)と本当の酢を教えてあげますよと軽々と鹿児島まで連れて行った話(第13巻)が印象に残っていますね。
あ、京都まで美味しい物を食べに行って、その帰りに急遽岩手までまた美味しい物を食べに行った話(第32巻)も強烈だった。





「……厳しさに、枯れたりしないのですか」

「むしろ、甘やかし過ぎるとダメになってしまう」
「大いなる実りは厳しさを耐えた先にこそじゃよ」


「厳しさを耐えた先にこそ……」

おばあちゃんは含蓄のある言葉をかける。
妙に存在のあるこのおばあちゃん……
皆神山のある松代に暮らしていることから、天羽奏の親族ではないかと疑ってしまう。 天羽一家が皆神山に揃って出向いていた。
幼い奏姉妹に留守番させるのもアレとはいえ、あそこに家族みんな一緒にというのもちょっと不自然な気がする。
あれが天羽一家の里帰りだとしたら……?
おばあちゃん、もしかして……?



「トマトも人間も、きっと同じじゃ」

いい話をしつつも太腿を撫でてセクハラ。
おばあちゃん、落ちたトマトを食べさせるだけあってけっこう太い人物やも……





「司令……鎌倉からの入電です……」

「直接来たか……」

さて、激戦を経てもまだ暗号の解読は終わらない。
あんなアナログな機械だと解読が遅いらしい。
と、そうしているとシンフォギアの暗部、鎌倉から入電が来る。
ま、まさか、来るのか……ヤツが……!



「――無様な」
「閉鎖区域への侵入を許すばかりか仕留め損なうとは」


ついに風鳴訃堂が喋ったァ!
第1期の頃から期待を煽ってきただけについにやっと逢えたと言うべきか。
そして、ティキといいアダムといい、まだ喋らんだろうと思った人がどんどんと口を開いていく。
しかし、偉そうだな、お爺ちゃん。
アンタ、イチイバルの紛失で失脚した人だったでしょうに。
それともあれもまた計画の一部なのだろうか。計画の一部なんだろうなぁ……





「機関本部の使用は国連に貸しを作るための砥糞だ」
「だが、そのために国土安全保障の要を危険に晒すなどまかり成らん」


「……無論です」

「これ以上、夷狄に八州を踏み荒らさせるな」

風鳴訃堂は翼とは別のベクトルで風鳴の血筋を感じさせる語彙の持ち主であった。
砥糞に夷狄に八州と現代に生きる人間とは思えぬ。
戦場に常在戦場に防人と言い出す人間を娘に持つだけのことはある。
これが風鳴の血か……末恐ろしい……

訃堂は実に高圧的である。
そして、息子との会話のはずなのに家族の情をまったく感じさせない。
ぶっきらぼうな言葉の中にたしかな翼への愛情を感じさせた八紘とはまるで異なる。 金子彰史に外道と誹られここに至るまで喋らなかった秘中の秘だけあり、かなりの曲者のようだ。
この存在が巨悪なのか、あるいは国を守るがための断固たる意志の表れなのか、まだわからない。
でも、とんでもないことはしでかしそう。風鳴だし。




「それにしても司令、ここ松代まで追ってきた敵の狙いは一体……」

「狙いはバルベルデドキュメント、または装者との決着」
「あるいは――……」


通信が終わり次第、緒川さんは素早く話題を変えて錬金術士の狙いについて述べる。
相変わらず空気が読める。多分、物理的にも空気を読める。
第一候補にバルベルデの資料、第二候補に装者。
そして、第三の可能性を思案し、それが何なのかは触れられない。
錬金術士たちの目的は訃堂と同じくらいにわからないのだ。
信用できないジジイが味方というのも困ったものである。
……本当に味方なのか?




「友里さん、あったかいものどうぞ」「デース」

「あったかいものどうも」
「何だかいつもとあべこべね」


その後、恒例のあったかいものが炸裂。
あったかいものはお前だけのものじゃないと調が先手を取る。
F.I.S.装者は自分にできることをするということで、こうした地味な仕事もやるのだった。
そりゃヘリコプター操縦士のスキルが上がろうというものである。
きりしらもヘリを操縦してみるか?
シュルシャガナは相性がいいぞ、多分。






「これ、もしかして――」

「はい……少しでも早くLiNKERの完成が求められている今、必要だと思って……」

「私たちの忌まわしい想い出ね……」
「フィーネの器と認定されなかったばかりに、適合係数の上昇実験に宛がわれた孤児達の記録……」


LiNKERの解析のためにエルフナインはF.I.S.の被験者の記録を引っ張り出す。
F.I.S.はなかったこと扱いにされたのだが、データはまだ残っているようだ。
米国を牽制するためだろうか。

やる時はやるのがエルフナイン。呪われた剣だって使う。
なので、こうしたグレーなデータも引っ張ってくるのであった。
こうした孤児は廃人になりかねない実験が行われたという設定がある。
年齢が7歳という孤児もいることから少女未満の幼女相手にも過酷な実験を課していることがわかる。
当然、マリアの反応は明るいものではないが、可能性を上げるデータであるからには異論は挟まないのであった。

そんな重いF.I.S.の被験者のデータであるが、何故かFavorite curry、好きなカレーの項目がある。
何でこんなデータがあるんですかねぇ……
必要なんですかねぇ……?






そんな実験はマリアも行ったようで、苦しみながらガングニールと適合していたようだ。
それをナスターシャ教授は毅然とした様子で見つめる。
あ、ナスターシャ教授が当たり前のように出てきた。
同じ故人でも奏は翼が過去を払拭したからか、出番が減っているのに対し、マリアにとっては未だに大きな存在なのか死後も出番が絶えない。
OPでマムロケットらしきものが映っているし、今期も酷使されそう。
マームドギアの真価が明らかになる、かも。




「無理よ、マム……ッ!」
「やっぱり、私はセレナみたいになれやしない……」


「マリア、ここで諦めることは許されません」
「悪を背負い悪を貫くと決めた貴方は苦しくとも耐えなければならないのです」


あ、久し振りに無理モードのマリアさんだ!
今となればもはや懐かしい弱音である。
それに対してナスターシャ教授はあくまで厳しく当たる。
これだけなら酷い人だが、奥に秘めた優しさをマリアは知っている。
だから、こんな無理に付き合うのだろう。

さて、この時点で悪を貫く、つまりはF.I.S.の蜂起が実行されることは決まっているようだ。
だが、その頃、G第8話で描かれた回想において、マリアはガングニールは相応に使いこなしていた。
適合係数不足によるバックファイアに苦しむことはなかった。

だが、今回はそれに苦しんでいる。何故なのか。
あえてLiNKERを使わずにギアを行使する訓練なのかも。
LiNKERを使って戦えればいいのだが、万全でない状況はいくらでも想定できる。
事実、G第4話の時は時間切れに苦しむことになった。
そんな不測の事態に備えてあえて大きな負荷をかける訓練をしてもおかしくはない。
この訓練があったらGX第4話でLiNKERなしガングニールを実行できた、のかも。



「マム……」

厳しくも自分を導いてくれたナスターシャ教授はいない。
迷うことはなくなっても、道が見えないことには変わりないのだ。
せめてウェル博士がいれば……
いや、あの人、LiNKERを作っても道は作ってくれないか。



「多数のアルカ・ノイズ反応ッ!」
「場所は……松代第3小学校付近から風鳴機関本部へ進行中ッ!!」


「トマトおばあちゃんを連れていったところデスッ!!」

そんな中でアルカ・ノイズが突如出現する。
トマトおばあちゃんってわかりやすいけどどうかと思うネーミングだ。 常識人……もうちょっとこう……天羽のおばあちゃんとかないっすかね……?




「敵は翼たちに任せるわッ!」
「私たちは民間人の避難誘導をッ!!」


「……わかった。無茶はするなよ」

F.I.S.装者はアルカ・ノイズは二課装者に任せ、民間人を守護ることを選ぶ。
今のマリアならアルカ・ノイズに反撃の延髄蹴りくらいは入れられるぜ!
それをどこか含みつつも弦十郎は許可するのであった。
いいかマリア! 聖詠は使うなよ!
了解! Seilien coffin airget-lamh tron!



「これだけの数――」

「先に行かせてたまるかよッ!!」

そんなわけで困った状況だがきちんと整列しているアルカ・ノイズが笑いを誘う。
気持ちいいまでの幾何学模様であるが、もうちょっとランダムな配列になりませんかね。
シンフォギアライブの物販はもっと混沌としていたぞ。
ノイズさん、いつもこうである。相変わらず妙に行儀がいい。

なお、ロケーションはどうやら風鳴機関本部前らしい。
風鳴機関の前に踏み込まれている。
いかん、訃堂がブチ切れる。
夷狄とかそんな言葉で怒られる。




「猶予はない」
「刹那になぎ払うぞッ!!」


「了解ッ!」
「イグナイトモジュールッ!!」
「「「抜剣ッ!!!」」」


いきなり抜剣だとォッ!!
早急な防衛が必要とはいえ出し惜しみなしだ。
抜剣すれば3000のアルカ・ノイズもたかだか3000で一瞬でなぎ払える。
まして前回の戦闘で機能特化型アルカ・ノイズという厄介な手合いが控えている可能性が示唆されている。 早急にアルカ・ノイズを殲滅して次の策に備えるのが正解と言えなくもない。






というわけで今回も当てこする。
行儀のいいノイズさんが抜剣を妨害するような無粋はしないのだ!






そして、恒例の棒立ちモードでアルカ・ノイズは殲滅されていく。
いや、ちょっとは攻撃しているんだけどね……
でも、マッハで駆逐されていくのが運命よ。
前回、意地を見せたかと思いきや、やっぱりアルカ・ノイズはアルカ・ノイズなのであった。




「抜剣――待ってました♪」

「さすがにイグナイト――凄いワケダ」

それを欠けた月をバックに戦況を見守る錬金術士3人。
イグナイトが相手となるのに余裕綽々である。
AXZになって月がかなり目立っている。
第4話までの全てで夜間戦闘を行っているから、欠けた月が目立つのも道理なのだが。
月はカストディアンが作った遺跡だったんだよ! なんだってー!






「そうね……」
「だからこそ、この手には――紅く輝く『勝機』がある」


錬金術士たちは紅く輝くハート型の宝石が添えられた銃、指輪、剣玉を手に取る。
うわぁ、本当に剣玉だよ……しかも、カエルから取り出したよ……
そして、言葉通りに紅く輝くのであった。剣玉も輝く。





「推して参るは風鳴る翼ッ!!」
「この羽撃きは何人たりとも止められまいッ!!!」


高いところに立つ悪役は意外と見つからない。
かと思ったら今回は防人アイで発見。
初手より奥義の炎鳥極翔斬で仕る!
カ・ディンギルさえ破壊したやる気に満ちた一撃である。
イグナイトには時間制限があるのだから、初手必殺は正しい選択とも言えよう。
さすがの仏の喉笛掻っ捌く系女子である。




「………………ッ!?」
「ギアが……――ッ!!?」


だが、バリアによってイグナイトの一撃が阻まれる。
イグナイトの一撃はキャロルやオートスコアラーでさえ穿つ必滅の一手である。
止められただけでなくギアに不調を感じる。
GXではありえなかった事態に百戦錬磨の防人も驚愕に包まれ――




イグナイトが解除されただとォッ!?
イグナイトは時間切れでギアの強制解除、つまりは生身に戻る。
通常のギアに戻るということは本来ありえない異常事態である。 これにて防人、ダウン。雪音に先んじて噛ませ犬先輩になるのであった。
そして、ノイズさんたち、何というか、防人を心配している感じである。






「まさか……ッ!? ファウストローブ――……ッ!!?」

欠けた月が睥睨する中、錬金術士たちがファウストローブを纏っていた。
散々苦しめられたファウストローブの再来に響は戦慄する。
あ、ちゃんと名前を知っているんだ。
AXZの響はけっこう聡いですね。宿題は間に合わなかったけど。

デザインはプレラーティは丸いのは剣玉リスペクト。
カリオストロが徒手なのは直接触れ合いたいという欲求が反映されたものなのか。
でも、飛び道具は使うよ。飛び道具も素手(暴論)
サンジェルマンは……指揮官型だからアンテナでっかくしてみました?




「よくも先輩をォッ!!」

止めろ雪音! そのミサイルはボスには通じない!
ボスにダメージを与えないことに定評のある「MEGA DETH PARTY」を乱射である。
落ち着けい! 最弱の未来さんにしか直撃していないし、それもすぐに立ち上がったぞ!
ともあれ、仇に燃えるクリスは前回の知属性はどこへ行ったのか、マッハで怒属性になって攻撃する。
あの……怒属性はボス相手にはちょっと……





というわけでまずは剣玉でミサイル迎撃。
ザッコ、薄い本買うわ。






そして、煙の中からカリオストロが飛び出しいい表情ビーム。
当然、それを迎え撃つのは破られることに定評のあるリフレクターである。 カ・ディンギルの砲撃を逸らすほどの防御力を持つということは、その防御力を無効化する攻撃に破られるということである。
攻守共に見事なまでに完成された噛ませ犬ムーブが炸裂してしまった。





「このくらい――」
「………………ッ!?」


この完璧な噛ませ犬ムーブによってクリスまでイグナイトが解除、敗れるのだった。
噛ませ犬ムーブとはいえイグナイトが簡単に破られるのはただ事ではない。 キャロルの70億の絶唱という究極のゴリ押しでしか突破できていなかったというのに……



「イグナイトが……」

クリスも倒れるのだった。
ポイントはイグナイトだけが無力化されているということか。 キャロルはイグナイトを力で押さえ付けたが前述通り究極のゴリ押しによるものである。
如何にパヴァリア光明結社とはいえ、あれをやってのけるのは簡単ではなかろう。

というわけで、イグナイトの構造を解明、それを分解する錬金術らしい突破口で対抗したのなかろうか。 力押ししろと言われながらもちゃんと弱点を突く準備をしていたサンジェルマンの苦労が窺い知れる。
これと同じことはキャロルでもやれたかもしれないけど、負けることが初期の目的であったことと、本番は力押しで勝てると踏んだので実行しなかったのかも。
キャロル、力属性。







2人のイグナイトが一瞬で破られてしまった。
響は混乱の極みであり、サンジェルマンの銃撃もかわすこともできず思わず目を閉じてしまう。
パンチを恐れるようになったらもうボクサーとして再起不能やで……
弾丸は外れたのだが背中で爆発、それによって響のイグナイトも解除されてしまうのだった。
ちょっと回りくどい攻撃な辺りにサンジェルマンの性格が表れている気がする。 直接ぶつけてどーん!とはイカないワケダ。



「何故……イグナイトが……?」

徹夜で仕上げた自慢のイグナイトの完全敗北にエルフナインは驚愕せざるをえない。
イグナイトはある意味でキャロルのお墨付きでもある。 この敗北はディーンハイムの錬金術の敗北と同義!
……なのかも。





「ラピス・フィロソフィカスのファウストローブ」
「錬金技術の秘奥、『賢者の石』と人の云う」


「その錬成にはチフォージュシャトーにて解析した世界構造のデータを利用――」
「もとい応用させてもらったワケダ」


ラピスの正体は錬金術士大好きの賢者の石だった。
その解釈はいろいろあるけれど、概ねの共通見解は何でも作れる媒体。
第4話にして錬金術の秘奥が炸裂である。
味方もそうだが敵も出し惜しみをしない。 サンジェルマンは地味な慎重派と思いきや、やる時はやる子。




「あなたたちがその力で……誰かを苦しめると言うのならわたしは……」

「『誰かを苦しめる』?」
「――慮外な」
「積年の大願は人類の解放、支配の衡から解き放つことに他ならない」


サンジェルマンは勝ち誇らず淡々と目的を語る。
人類の解放路線は変わっていないようだ。
やっぱり、奴隷の扱いを受けたから支配アレルギーになったのか。
支配が嫌いだから部下2人の行動も制限しないのかも。 行動の指針を示せど行動を強要することはなく、ここに至るまで強い命令を下したことがない。
……何かストレス溜まりそうだなー。
部下2人としては基本好きにやらせてくれて、雑務も一人でやってくれて、その上でまとめる部分はまとめてくれる気楽な上司かもしれないけど。




「人類の解放……?」
「だったらちゃんと理由を聞かせてよ……」
「それが誰かのためならば、わたしたち……きっと手を取り合える……」


「手を取り合う……?」

AXZになって思い切りブン殴れど、響の路線はあくまでわかり合うことが根底にある。
パヴァリア光明結社に対しても変わらないのであった。
そんな響に対してサンジェルマンはどうもピンと来ないようだ。
キャロルのように強い否定をしないことから、本当によくわからないのかもしれない。
ティキの持ち運びもラピスの製造も一人でやっちゃったわけだし、一人でやることが染みついて協力するという感覚があまりないのかも。
協力を申し出たら奴隷根性を躾けられた経験があるわけだし……



「サンジェルマン、さっさと――」

サンジェルマンの疑問も何処吹く風でカリオストロはトドメを申し出る。
今回の錬金術士たちはキャロル勢と違ってやる気満々だ。
ダウン追い打ちも平気でやってのける。
なので、大ピンチである。
弦十郎! ダッシュで迎え! お前なら勝てる!






「あの光ッ!?」

「ドキドキがやってくるッ!!」

その時、カリオストロは驚愕しティキの胸が高まる。
ただでさえとんでもない状況なのにさらに爆弾が投下される。
あの、そろそろ次回に続くでもいいくらいのシチュエーションなんですよ……?





「統制局長アダム・ヴァイスハウプト……ッ!」
「どうして、ここにッ!?」


もう出てきたのかよ、アダムゥ!!?
ちゃんと顔も映している。全然正体を隠していない。
まったく引っ張らない驚愕の超高速展開である。 こりゃ次回には訃堂が顔を見せてもおかしくないな。

サンジェルマンの顔は……嫌な人と逢った顔をしている。
無茶振りをされて何とか必勝のチャンスを作ってそれを果たして任務達成と思いきや、連絡もなしにラスボスが現れたのである。
勝利ポーズと勝利台詞でしばらく間を持たせられるのにそれを一刀両断されればそりゃ怒る。
上司と部下に振り回されるサンジェルマンは中間管理職の鏡である。 3人揃ってさっきまで大活躍したのに突然のアダムに奪われるとかホント可哀想……



アダム・ヴァイスハウプト、登場して20秒で全裸になる。
登場も早ければ脱ぐのも早い。
とんでもねえ野郎だ。
弦十郎、緒川さん、ウェル博士、洸、八紘、狂い咲きの人、訃堂に続く新たな益荒男が生まれた瞬間であった。
シンフォギア世界の男はとんでもなく濃いということを今更ながらに思い知らされる。
……これ、美少女変身バトルアニメっすよね?



「何を見せてくれるワケダ……ッ!!?」

ナニを見せているワケダ。
……だから、お前もカリオストロも面白いことを言うからサンジェルマンが困るんだよ!
自覚持てよ!





「――『金』を錬成するんだ、決まってるだろう」
「『錬金術士』だからね、僕たちはッ!!」


全裸のまま、アダムはエネルギー弾を作る。
フリーザか何かかな?
そして、倒置法を多用するのがアダムなワケダ。
全裸のインパクトが強すぎて忘れちまうわ!



「まさか、錬金術を用いて常温下での核融合を……ッ!?」

常温下での核融合というハチャメチャなワードが飛び出す。
核融合はいろいろと細かいことを省いた説明をすると莫大なエネルギーをクリーンに生み出す夢の技術であり、シムシティで一番高い発電所である。
なので、現実においては実用に至っていない。
そして、常温核融合は存在しているのかさえあやふやな現象である。
要するにアダムは全裸で滅茶苦茶凄いことをやっている。
全裸で。




「新たな敵生体に加え、交戦地点にてアガートラーム、シュルシャガナ、そしてイガリマの反応を確認ッ!!」

「マリアさんたちがッ!?」

この異常事態にマリアたちが割り込む。
LiNKERなしで戦場に乱入!
友の危機には全力で命を煌めかせるのであった。





「何処からだろう――声が響く――」
「立ち上がれと言っている――」
「いつからだろう鼓動が打つ――」

いいかマリア! 聖詠は使うなよ!
了解! 抜剣!

いやいやいや、NONONO。
シンフォギア纏うだけでも相当なのに抜剣までするデスか!
それはつまり「旋律ソロリティ-IGNITED arrangement-」の抜剣だ!
さっきから奥義しか使っていない超高濃度超高速超全裸展開だ!
何か3話くらいを1話に圧縮していませんか?




「LiNKERを介さずの運用ですッ!」
「このままでは負荷に身体が引き裂かれますッ!!」


ただでさえ血涙ものなのにさらにイグナイト。
リアルターンXになってもおかしくないのですが、それは……
友の危難を前に鞘走ることは躊躇わない。
二課装者の魂はF.I.S.装者に受け継がれるどころか煮えたぎっているのであった。




「2人共ッ! 局長の黄金錬成に巻き込まれる前にッ!!」

「クッ!!」

黄金錬成ってデスボールかよ!?
金を作るって言っていたけどこんなことしでかすのはおかしいよ!?
ファウストローブを纏った3人もこれにはビビる。そりゃビビる。
というわけで撤退するのであった。
せっかく万事上手く行ったと思ったら突然やってきた上司に場をかき回された。
……サンジェルマンの胃袋が心配です。




「膨張し続けるエネルギーの推定破壊力――10メガトン超ッ!!」

「ツングースカ級だとォッ!!」

そして、黄金錬成の威力はツングースカ級!
隕石と同等の破壊力ということである。
とんでもねえ破壊力……でも、XDとはいえ月の欠片を破壊したことがあるから何とかなるような……
イグナイトを破る謎のメカニズムに対して、ただただ極大破壊力の黄金錬成。
シンフォギア装者、力と技で攻められ死ぬ。
これならアダムが力押しで何とかしろと言ったのは納得が行く。
真似できるか! したら大変なことになるわ!





「自分よりも相手を――」
「信じることをしたくて――」
「上手くは難しいけど――」

二課装者の窮地を救うためにF.I.S.装者は命を削り輝く。
GXで無茶を承知で戦うことはあれど、ここまでのリスクを背負うことはなかった。
今の二課装者への気持ちが伝わってくる。
全裸の黄金錬成のインパクトが強いけど。
この段階ではOPの組み合わせではない。いつもの仲が良い系組み合わせ。
変化球コンビは何らかの仕掛けがあると見ていいのか?





この風鳴機関本部諸共ゴミにしてやるー!
黄金錬成ボールの発射である。
ある意味、シンフォギア最大の破壊描写……
いや、月の破壊とか世界の分解の方が凄いかも……
生身で全裸で一人で出せる破壊描写では最大級か?
これを上回っていたフィーネはどうかしている。



「例えこの身が……砕けてもォッ!!」

爆風が背後に迫る状況下でも生きるのを諦めない。
この時、再びマリアが輝く。
何か命の危険が迫った時のアラートとかじゃないだろうな?
エルフナイン、勘違いしちゃっていないだろうな?




アダムの全裸黄金錬成にトマトおばあちゃんも目を閉じるほどの衝撃だった。
しかし、S.O.N.G.の誘導が功を奏して、民間人の被害は避けられたようだ。
なお、風鳴機関本部は……





そんなわけで見事なクレーターができた。
アダムは前触れなしにいきなりやってきてとんでもない結果と衝撃を残していった。
装者たち以上に地道に準備して頑張ったサンジェルマンが可哀想になる大暴れであった。
アダム・ヴァイスハウプト、とんでもない男であった。
全部の錬金術を使えるとか替えって雑魚っぽいと思ったら、最強クラスの生身の男であった。
弦十郎でもインファイトでなければ勝ち目はなさそうだ。 無論、インファイトなら勝てる。





「――鐚一かッ!!」
「安いモノだな、命の価値はッ!!!」
「フハハハハッ!」
「アハハハハハッ!!」


核融合をして派手に黄金錬成してもできたのは金(の)玉2つ。
サンジェルマンがヨナルデパズトーリを作ったようにアダムは人の命を錬金術の材料に使ったのだろう。
そして、これだけの大技となれば大量の命を消費したことは想像に難くない。
それでできたのが金(の)玉2つだとアダムは笑うのだった。
奪った命を数え続けているサンジェルマンとは命への価値観がまるで異なる。

サンジェルマンがアダムと毛嫌いするような態度を見せたのが何となくわかる。
カリオストロとプレラーティもアダムを嫌っているようなのもそういうことだろうし、アダムを心酔するティキに対して冷たいのもそういうことなのか。
パヴァリア光明結社と言えど一枚岩ではないことがわかる。
まぁ、こんな大暴れラスボス、上司にはしたくないわな……

アダムはフィーネのライバルとしての格と全裸をこれでもかと言わんばかりに見せつけた。
サン何とかさんの明日は如何に。
次回へ続く。




One thought to “戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE04 黄金錬成”

  1. 一応技術的には核融合で金が作れるらしいデスよ
    つまり「命を材料に金を作った」のではなく、「金を作るついでに命を奪った」が正しいかと…どっちがマシなんですかねぇ…
    まぁそれでもツングースカ級程度であんな大量の金作れるなら核融合以外にもなにがしかインチキがあるのでしょうからそれが命って事なのかもデスが

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