月を奪う歌がある。あるのか?
Gでは歌の力で制御していたわけだからできるかも。
よし、歌え! 金子彰史!
「月にある……遺跡を……?」
「人が人を力で蹂躙する不完全な世界秩序は、魂に刻まれたバラルの咒詛に起因する不和がもたらす結果だ」
というわけで説明してくれる説明おばさ……お姉さんことサンジェルマン。
全部が全部、バラルの咒詛が悪い!
もっとも、バラルの咒詛があることがデフォルトの世界を見せつけられてきたため、それがない世界というのは想像しがたいのだが。
サンジェルマン、キバヤシ説。
バラルの咒詛のせいだったんだよ!
「不完全を改め完全と正すことこそサンジェルマンの理想であり、パヴァリア光明結社の掲げる思想なのよ」
「月遺跡の管理権限を上書いて人の手で制御するには、神と呼ばれた旧支配者に並ぶ力が必要なワケダ」
「そのためにバルベルデを始め各地で儀式を行ってきたワケダ」
というわけで、人類の悲劇の歴史をリピート。
焚刑の煤とされているのはパパさんに見えるようなそうではないような。
バラルの咒詛からの人類の解放がパヴァリア光明結社自体の目的。
この辺はフィーネと被るが、手段は同じでも目的が異なるのが相反することとなった理由か。
しかし、サンジェルマンは人類のためのようだけど、アダムはそのつもりなさそうなのですが。
シンフォギアよりアダムを破壊するのが先じゃないかね?
それにしても旧支配者とはクトゥルフ的な……
カストディアンの正体はクトゥルフに出てくる系だった?
正直、やりそうなネタではあるけど。
「だとしてもッ! 誰かを犠牲にしていい理由にはならないッ!!」
「犠牲ではない」
「流れた血も失われた命も革命の礎だッ!!」
当然、響としては異を唱えるがサンジェルマンは聞く気なし。
キャロルは響への私怨同然の感情から聞く気はなかったが、サンジェルマンは理想を重んじるが故に聞く気がないようだ。
これならサンジェルマンの方がまだ対話になるか……
お互いに困ったちゃんというのは変わらないけど。
というわけで、再び勃発。
殺す気満々の「月下美刃」と共に破壊力ばつ牛ンの「天ノ逆鱗」が放たれる。
それを躱しざまにサンジェルマンは銃弾を放つ。
撃ってからちょっとして槍のような形に変化する錬金術を用いた弾頭である。
弾頭を変化させる前に割り込まれると本来の威力を発揮できないのが前回響に受け止められた真相だろう。 凝ったメカニズムほど想定外の事態に弱いのだ!
まるでサンジェルマンの人物を物語るようだな!
だが、かつてクリスのミサイルを受け止めた盾ならば……
盾あっさり貫通! 盾弱ェ!
これにてせっかくの月下美刃、瞬く間に終了と相成る。
ま、まぁ、剣さんだから……盾じゃないから……セイバーだから……
ともあれ、サンジェルマンの攻撃力はかなり高いことがわかる。
響が受け止められたのは僥倖だったようだ。
援護に入る響に対してはOPで見せた結晶を浮き上がらせる弾を用いる。
先ほど見せた槍のような弾丸といい攻め手が豊富だ。
豊富な属性攻撃を活かして弱点を突くように戦うのがサンジェルマンの戦い方なのだ! 多分!
弱点など知るかの一点突破の響とは真逆である。
ゲーム的に需要があるのは尖ったパラメーターの響の方。
カリオストロの方は得意技と思われるビーム攻撃を行う。
錬金術士の中では一番肉感的なコスチュームだけど、肉弾戦を行う気はなかった。
前回のがに股から期待したのだが残念……
マリアはそれをかわしながらGXのOPをリサイクルした攻撃を行うが、それをビームバリアで防がれる。
攻防一体型で便利なビームである。
カマホモは器用。ハッキリわかんだね。
「これならどうだッ!!」
「いつぞやのお返しなだからぁッ!!」
「デカ――」
即座にクリスが援護に入るのだが、それも防がれて反撃を受けてしまう。
おっぱいデカいからね。
お前ら、全員デカいけどね。
装者最強格の2人を圧倒するとはさすがのファウストローブであった。
不意を突かれたとはいえ剣さんも瞬殺されているし、単純な出力では錬金術士の方が上であることがわかる。 でも、イグナイトモジュールは封じていることから、抜剣されると覆されそうだ。
シリーズ最大最強を謳っていることから、強さという点においてキャロル一味はなかなか株が落ちないのであった。
ファウストローブを用いたバトルが初披露されている。
そうなると気になるのは剣玉を武器とするプレラーティである。 というわけで玉を投げつける!
あ、思ったより常識的な攻撃方法だった……
だが、本領はここから! 戻ってきた玉をバッティングして再攻撃!
これには調も直撃を免れなかった。
って、やたら肉体派な攻撃方法だ。純粋な質量攻撃である。
前回もやたらと本格的な投球を見せているし、実はプレラーティが一番の肉体派なのかも。 さすが金子彰史をモデルとしているだけのことはあるのう……
さらに剣玉殺法は隙を生じぬ二段構え。
戻ってきた玉をさらにホームラン。
カコーンというSEが心地よい。
そして、マジカル成分ゼロ。
「このままでは――」
「だったらやるデスよ、調ッ!!」
「イグナイトモジュール――」
「「抜剣ッ!!」」「デースッ!!」
いいか、きりしら! イグナイトモジュールは使うなよ!
了解! 抜剣!
実力が上の先輩たちでさえ圧倒されているのだから、2人が選べる逆転策は刹那・F・セイエイとなることであった。
イグナイトモジュールジャマーを前に躊躇せずに抜剣するのはさすがというか、向こう見ずというか。
「いけませんッ! ダインスレイヴの力は賢者の石によって――」
「先走るワケダ」
プレラーティもかかったなアホめがスマイルをする。
2人共、様子がおかしいところはあるけれど、決して考えなしというわけではない。
思いつきが考えよりも優先されるというわけで、決して考えなしではない。
考えなしではないけど、思いつきの比重が大きすぎて実質考えなしみたいなところはあるけど。
と、とにかく、策があるはず!
「当たりさえしなければッ!!」
「マスト、ダァーイッ!!」
当たらなければどうということはない!
チクショウ、お前ら、ケツアゴシャアかよ。
そういえば同じ理由でGX第5話でも出撃したっけ……
さすがというか何というか。
で、でも、GX第5話では有言実行できたし……かわせればイグナイトモジュールジャマーだって……
それにそもそも攻撃させなければいいわけだし、そのつもりで2人共、手数で圧倒しようとしているし意外とイケるかも……
「ノリの軽さは浅はかさなワケダッ!!」
範 囲 攻 撃 で し た
というわけで当たりました。大当たりです。
これなら誘導切っても当たるよね。仕方ないね。しょうがないね。
それなりの心構えではいたのだが錬金術士の抜剣対策は完璧であった。
一見無意味に終わった今回の抜剣であったが、小手先では賢者の石の力を破れないことがわかった。 哲学兵装に近いのかも。
「月読ッ!? 暁ッ!?」
ザババコンビ、あっという間にダウン。
そして、翼が初めて2人の名前を呼んだ。 二課装者とF.I.S.装者で意外と名前を呼び合わないので、こうして名前を呼んでもらえると嬉しい。
XDではたくさん呼び合っているけれど、本編でも呼んでもらえると嬉しさひとしお。
これでわかるように翼は基本的に名字呼びだ。
名前で呼んでいるのは奏とマリアだけとなる。
この2人は特に特別な立ち位置なのだろう。
カデンツァヴナ・イヴと呼んでみてマリアでいいと言われたのかもしれないけど。
「明日のために、私の銃弾は躊躇わないわ」
「何故ッ!? どうしてッ!?」
「わかるまい」
「だが、それこそがバラルの咒詛」
「人を支配する衡ッ!!」
「私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ」のように何故どうしてをぶつけるのだが、サンジェルマンは取り合う気まったくなし。
自分の理想を理解してもらえないのも、バラルの咒詛のせいだと思っているようだ。
このままではサンジェルマンはバラルの咒詛に責任を転嫁しすぎているちょっと危ない人だ。 もっとも、実の父に侮蔑され母を見殺しにされた身である。
何かに責任転嫁しなければ自分を保てないだろうし、そのまま何百年も生きてきたのだから思想が凝り固まってしまうのも道理か。
サンジェルマンなりの闇を抱えているのであった。
あと奔放な部下と無能な上司のサンドイッチで胃痛も抱えている。
「だとしてもッ! 人の手は誰かを傷付けるのではなく取り合うためにッ!!」
「取り合うだと――」
「謂れ無き理由に踏み躙られたことのない者が言うことだッ!!」
手を取ろうとしたら全力で振り払われた過去を持っている。
余裕の人間不信。良くて男性不信。カリプレを女にしたのももしかして……?
サンジェルマンからすれば響は現実を知らないジャリガキに見えるのだろう。
そして、自分の弱みを曝け出してしまっている。 サンジェルマン、本当に語りたがり屋である。
怒りと共に放つのはルシエド弾!
WAシリーズで様々な実績を持つルシエドが……
いや、WAシリーズでの打率は微妙かも……エース級なのはWA2くらいだし……
ともあれ、WAファンなら大喜びの一撃である。
響、ピンチ!
「言ってることッ!! 全然わかりませんッ!!!」
「何……ッ!!?」
【悲報】ルシエド弾瞬殺
何か響の錬金術の扱いが酷いのですが、それは……
参重層術式防護もヨナルデパズトーリもルシエドも丸ごと死ね!
面白いくらいに響に対しては錬金術が効果を発揮しない。
理屈と理論を積み重ねて体系を為す錬金術は、理屈と理論をぶっ飛ばす響との相性が最悪なのだろうか。 3.5で呪いをねじ伏せたくらいだし、常識人なサンジェルマンはなおさら相性が悪そうだ。
奇行をやっておくべきか? とりあえず、全裸になってみるか?
脱げよ!
「だとしても――あなたの想い、わたしにもきっと理解できる」
「今日の誰かを踏み躙るやり方では、明日の誰も踏み躙らない世界なんて作れません」
「お前――……」
謂れのない理由で踏み躙られたのは響も同じである。
昔ならそれを否定されただけで、偽善と言われただけで折れたものだが、今では受け止めるくらいには成長した。
AXZの響は未来の支えが強固なのもあってか心強い。
泣き所だった洸も、まぁ、うん、かつての心意気を取り戻したみたいだし……
一方で激闘は続く。
クリスの弾丸はカリオストロの水流バリアによって受け止められる。
粘っこい……
同じ防御方法でもビームバリアは大物を大雑把に防いで、水流バリアは小物を細かく防ぐのに用いるのだろうか。
錬金術士はいろいろな手を講じると同時に、使い分けるのが何とも大変そうだ。
テクニカルキャラかな?
もちろん、響は強みを押しつけるパワーキャラ。
「むず痒いのよぉッ!!」
おっぱい揺らしながらビーム一斉発射。
プレラーティと違ってメルヘンな攻撃方法……
まさにカマホモだな!
「あらヤダッ!?」
今度はマリアが援護する番、素早くアガートラームバリアでクリスをビームから守る。
なるほど、マリアは援護防御持ちであったか。
援護攻撃よりも先に援護防御を覚えそう(スパロボ感)
それで弾いたビームは2人の周囲に、サンジェルマンにも向いてしまう。
止めろぉ! 余計な苦労をさせて胃を責めるなぁ!
「こっちッ!!」
まさか、むしろやはりと言うべきか、響はサンジェルマンをビームの余波から避難させる。
響のお節介が炸裂である。
そして、それに助けられてしまうサンジェルマン……
マリアさんほどではないとはいえポンコツ属性が身に付いてきた。 マリアさんを見習えよ! あの揺るがぬ悪()を見習えよ!
「私たちは倶に天を戴けないはず……」
「だとしても、です……」
「――思い上がるなッ!!」
「明日を拓く手はいつだって怒りに握った拳だけだッ!!」
響の行為にサンジェルマンは散々ペースを乱される。
それでも怒りを信じて握り締める。
長く生きてきただけに人の不和を見てきたことから、こうした信念に至ったのだろうか。
フィーネと相対した身ながらこの思想はフィーネと酷似している。 フィーネさんだって最初はわかり合おうとしたけれど、人の不和を見せられたことで歪んだワケダ。
違うのは中間管理職なところ……
しかし、「倶に天を戴かず」の意味を響が知っているなんて……
小生、知らんかったよ(正直)
日頃から防人語を喋る人と付き合って、学校では必要にされない語彙が身に付いちゃったか?
「これ以上、無用な問答――」
「預けるぞ、シンフォギアッ!!」
そして、職務放棄ィ!
今日のサンジェルマンは何か爽快感があるな!
こう、幹部キャラっぽさが、いまいちなダメっぽさが爆発している!
ストレスが臨界点に達すると投げ出すタイプなのがサンジェルマンであったとさ。
「ここぞで任務放棄って……どういうワケダ、サンジェルマン」
「あーしのせい?」
「だったらメンゴッ! 鬼メンゴッ!!」
この暴挙にファンの2人もさすがに困惑。
メンゴ鬼メンゴはWA5で初出の台詞で、WAXFでも使われている。
満を持してシンフォギアでも登場である。
そして、元ネタの元ネタは仮面ライダースーパー1に出てきた怪人オニメンゴである。
金子彰史の趣味がわかる。
カリオストロは撤退の時にもポージング。
これは薄い本でも人気が……ないぞ。
シンフォギアのスケベな薄い本、今年も数えるほどしか出ていないぞ。
何これ? スケベを殺す哲学兵装?
「キャロルが世界の分解解析に利用したレイライン」
「巡る地脈から星の命をエネルギーとして取り出すことができれば――」
「パヴァリア光明結社はチフォージュ・シャトーの建造に関わっていた」
「関連性は大いにありそうですよ」
「取り急ぎ神社本庁を通じて各地のレイライン観測所の協力を仰ぎます」
さて、波が去ったので大人たちはパヴァリア光明結社の狙いについて考える。
神の力で月の遺跡を掌握すると言っても、神の力は響に砕かれている。
なのでより大きなエネルギーを調達するがそれをどうするのか。
こうしてあいつらはレイラインを使ってエネルギーを抽出する気なんだよ! なんだってー! とキバヤシは進んでいく。
パヴァリア光明結社がキャロルと協力したのは貴重なレイラインのサンプルを手に入れるためか。
レイラインの解放は各地を襲撃するとかなりの大事だったのでキャロルを動かしたのだろう。
AXZがGXから1ヶ月後とすぐなのもレイラインに再び蓋をされる前に計画を遂行に移したかったからか。
パヴァリア光明結社の計画はかつてから練ってきていると同時に、けっこう勢い任せなのかも。
なお、「レイライン観測所」はWA3に登場したダンジョンである。
WA2にも名称が酷似した「レイライン観測施設」が出てきている。
WA3ではスケベ本が置かれ、WA2ではリザード星人が出てきた。
けっこう扱いがギャグ寄り。
「ごめんなさいデス……」
「マリアとエルフナインが命を賭けてLiNKERを作ってくれたのに……」
「それは私も同じ」
「戦うさえできればどうにかなると思っていた」
「けど、甘かったわ」
如何に勢い任せとはいえ刹那・F・セイエイになってはいけない。メタル化しちゃうぞ。
というわけで反省しているきりしらであった。
しかし、見通しの甘さはマリアは自分自身にも感じていた。
戦えばどうにかなると思っていたら、結果としては圧倒されており敗北と言っても過言ではない。
LiNKERを作ることに躍起になってつい忘れていたが、戦えることは最低条件を満たしたに過ぎないのだ。
そう、如何に星5のカードを引こうともLv1では戦力にならないように……
焦燥感は二課装者も感じているようで、クリスのへっぽこパンチが自販に炸裂する。
さすがにS.O.N.G.にある自販のため、茨城のようにイロモノジュースは売られていない。
さすがにそこは常識的なのであった。
「賢者の石による抜剣封殺……その対策を急いで講じなければ……」
「エルフナイン君は?」
「無理は禁物と言っているのですがずっとラボに篭もりっきりで……」
抜剣は現状もっとも安定している最高戦力である。
使用に当たっては精神面を抉られたはずなのに、かつての不安定さはもうまったく感じさせていない。
イグナイトのバーゲンセールだな!
今回は半額どころか7割引きって感じだった!
しかし、安売りされても最高戦力は最高戦力。
そして、他の秘密兵器である絶唱も暴走もXDも不安定の極みなのだから、安定最高戦力であるイグナイトに頼るのも致し方ない。
そして、今シンフォギアに直接関われるエルフナインは引きこもって研究中。
LiNKERが完成したものの課題は次々に押し寄せてくるのであった。
脳内ウェル博士に助力とか無理っすかね? マリアさんが変顔する。
「大丈夫と信じてたけどニュースでは詳しいことが流れないから心配だったんだよ」
さて、寮では未来が響に料理を、おそらくはビーフストロガノフを作っていた。
未来さんが料理を作っているだとォ!?
こんな清純派ヒロインめいた風貌で料理を作れないのが小日向未来であった。
しかし、しないフォギアで料理に活路を見出すや否や、ついには料理を体得するに至っている。
響のハートを握り締めるためには外法にも手を染めるのだ!(料理は外法ではありません)
まぁ、多分、ビーフストロガノフくらいしか作れないよ、この人。そういう人な気がする。
「……未来」
「何かを手に入れたいと思ったら他の何かを手放さないといけないのか?」
「全部何とかしたいって思うのは、ワガママなのかな?」
「わたし、響のワガママ、好きだよ」
響は大量の問題集と対峙している。
夏休みの宿題はまだ終わっていないのであった。
そんな中でサンジェルマンとの確執を遠回りに聞く。
目的のために他者を犠牲にしようとする行為は装者たちとは真逆のである。
しかし、サンジェルマンにも正義を感じているからか、そこに消化しきれないものを感じていた。
対して未来は響のワガママが好きと返す。
一見、答えになっていないのだが、響を肯定する答えである。 それぞれが譲れない正義を抱えている以上は自分の正義を信じることが一番大事なのだ。
それは響をもっとも支える言葉であろう。
わかっておる喃、小日向。
「中学の頃、短距離走の記録に伸び悩んでいたわたしにとって、周りはみんなライバルで誰かを思いやることなんて簡単にはできなかった」
ついに出た! 第1期の頃から隠されていた未来の陸上エピソード!
プロデューサーでさえ知らないエピソードが、シンフォギアのパンドラの箱がついに開けられた。
言い過ぎた。
今でこそ周りとの和を重んじるまさにシンフォギアの緩衝材の未来であったが、かつては陸上ガチ勢だった。
周りは敵!
協力することのない個人競技だからこそか。
かつて攻撃的な一面を見せたのはこうした過去が影響していたのかもしれない。 だからこその今の優しさか。
「本当は誰よりも泣きたくて救ってもらいたいはずなのに……」
「それでも、誰かのために無理をする」
「誰かの背中なんて見たくなかったあの頃……でも、わたしの前を行く優しい背中だけは特別だった」
「誰かの前を走るのではなく、ずっと並んで歩きたいと思ったあの日――」
「そして、私は中学卒業と同時に陸上を止めた」
その時の響は皆から謂れ無き理由で踏み躙られていたというのに、誰かのために人助けをしていた。
直接的な悪意をぶつけられたというのに人助けをする姿は未来としては驚きとしか言いようがないのだろう。
そこに憧れを感じて未来にとって響は友達以上に大切な人になったようだ。
そして、誰かと競争する陸上を止めたことに繋がるのだった。
隠されていた未来が陸上を止めたエピソードは劇的な出来事ではなく、響の日常に起因するものだった。
その日常に寄り添いたいと願ったからこそ、未来は響の日常に、陽だまりになることができたのだろう。
響と未来の関係がまた一つ掘り下げられたのであった。
そう思うと無印第5話のグラウンドで離れていく響の背中は実に象徴的だ。 無印とGで未来が焦りを覚えていたのは、響と並ぶことができず背中しか見えなくなっていたからか。
今では戦うこと以外で響の力に、横に並ぶことができると知ったからこうした焦りはなくなって、ついにはAXZにおいては盤石の支えにまで至ったのであった。
「わたしの胸の内はきっと誰にも打ち明けられないだろう」
「それでも想いをカタチにしたくていつかピアノを習いたいと願った」
そんなしみじみとするいいエピソードの後にガチレズを匂わせる未来さんであった。
いやいや、そんなネチョネチョしたものじゃないから……
きっともっと百合の花みたいに爽やかな感じだから……
まぁ、友達が大好きになったなんて気恥ずかしく言えないからね。そういうことなワケダ。
「カバンの隠し事」はそんな未来の心情を唄った歌なのかも。
ともあれ、そんな劣情……じゃなくて親情をカタチにするべく、ピアノの専行を選んだのだった。
歌は直接的なので間接的に伝えるためのピアノだろうか。
未来さんが想いを隠さず唄えば歪鏡・シェンショウジンになるし。 こんなに好きだよ! ねえ大好きだよ!(傷ごと抉る)
「響が、響のままやりたいことがワガママならわたし、響のワガママを応援する」
「響のワガママはね、きっと困っている人に差し出された手なんだよ」
「未来……」
「ありがと」
そんな響のワガママが大好きな未来は響を支えるのだった。
未来は響が大好きなのはもはや言うまでもないが、響のワガママも大好きなのだ。
響大好きに傾倒してしまった故に摩擦に苦しんだのがGだが、それを経て響のワガママも大好きであることを思い出して今に至るのだろう。
だから、G第11話で響の背中を素直に押すことができたワケダ。
静かなエピソードであったが、未来の人物像と心情をより明確にしたエピソードでもあった。
そして、静かなガチレズの匂いに小生、昏倒しそうです。
未来さんが男と絡む薄い本のラストは竿役が包丁を刺されて死ぬシーンで決まり!
「キャロルからもらった身体です……」
「二人で一人……二人分頑張らないと」
さて、弦十郎は大量の異端技術の資料をエルフナインに届ける。
無理が続いてエルフナインはグロッキーだ。
同じ大人の藤尭には堂々と無理を言えたものだが、エルフナインにはそうは行かない。
かといっても異端技術に関してはエルフナインしか頼れる相手がいないために代役がいない。
結果、心配はしても止めることはできない弦十郎であった。
子供と向き合う大人の悩みであった。
エルフナインの無理はキャロルへの想いによるものであった。
今のところ、ウェル博士やナスターシャ教授以上に過去の人扱いなキャロルだが、エルフナインの心の中では未だに大きな存在である。
キャロルは特に響にとっては苦い想い出のため、あまり触れないだけにエルフナインがちゃんとリスペクトしているのは嬉しい描写だ。
なお、前期ラスボスが顔出しするのがシンフォギアの伝統だがすぐには出てこない。
後半になって出てくるとフィーネさんもウェル博士も証明している。
なので、10話前後でキャロルが成仏チャンスだろうか。
成仏しかないな……
さて、そこで偶然、融合症例の頃だった響の身体から出たかさぶたの資料を見つける。
「常温下での核融合を実現した」というパワーワードがたまりませんね。
常温下での核融合がAXZのブームですか?
そんな状態だったから防人は数トンの水をぶっかけるという無茶をやらかしたワケダ。
「たしかに言ったはずだよ、僕は」
「シンフォギアの破壊をね」
CM明け、早速、アダムは裸体を晒す。
ええい、風呂では帽子を脱げ!
そういえば、この人、服を燃やす前に帽子を投げ捨てていた。
服は捨てても帽子は守るのがアダムのスタイルである。
裸ニーソみたいなもんすか?
「……申し訳ありません」
「フン、前はいいところで邪魔したくせに」
「いけ好かないワケダ」
「聞こえてるわよ、三級錬金術士ッ!」
「アダムの悪口なんて許さないんだからッ!!」
ちょっと嫌みを言ったアダムに対して堂々と嫌みで返すカリプレの2人である。 敵意をまったく隠していねえ。
スカッとするくらいにアダムが愛されていねえ。
これで困るのはサンジェルマンなんだぞ、お前ら!
それに対してティキが文句を言うとってもギスギスした職場がパヴァリア光明結社です!
「アスペクトはついに示された」
「ティキが描いたホロスコープにね」
「ならば祭壇設置の儀式を」
アダムは何処吹く風で話を進めていく。
ともあれ計画の遂行の目処が立ったので、計画に必要な祭壇を設置することになったようだ。
奔放なアダムだが計画が進行できるように手回しはしていたようだ。
現場の事情を考えずに勝手に進められるとそれはそれで迷惑なのだが。
F.I.S.は目的への道筋はハッキリしていないが、一応はメンバーは協力して動いていた。
ウェル博士が勝手しても結局はF.I.S.の元に戻ってきたわけだし。
対してパヴァリア光明結社は目的への道筋はハッキリしているが、メンバーの連携が取れていない。
どっちもどっちな環境だ……
それに対して全員がしっかりとした目標と連携で行動していたキャロルたちの偉大さよ……
アットホームな暖かな職場です! わりと真面目に!
なお、フィーネさんは一人なので好き勝手進めても問題なかった。
「この手で掴もうか、神の力を」
「キャー☆ ティキ飛んでっちゃう☆」
楽しそうだな、お前ら。
現場の苦労を知らず楽しそうにしているから、アダム諸共にティキも嫌われているのだろうか。
みんな、ティキに冷たいし。
結社だけに会社らしいギスギス感が漂うのがパヴァリア光明結社であったとさ。
会社がみんな内部抗争が起きているような書き方は止めたまえ。
「完全世界の実現のために……」
サンジェルマンはこんな自分勝手な裸の男に従う理由は理想のためだと自分を騙しているような様子を見せる。
何か不本意ながら身体を売る姫みたいな顔をしやがって。
パヴァサーの姫、サンジェルマンは胃を痛める日々を過ごすのであった。
でえじょうぶだ、サンジェルマン! 胃潰瘍になっても錬金術で元通りにすればいい!
「嫌みなヤツ」
「あんなのが結社を統べる局長ってんだから、やりきれないね」
「そうだね」
「だけど、私たちが付いていくのはアイツでも結社でもないワケダ」
そうそう、悪口は本人の聞こえないところで言おう。
本人のいるところでされると挟み撃ちにされる側は心配の方が増えるぞ。
2人共、アダムに対する心象は最悪に等しい。
一方でサンジェルマンに付き従うのはアダムや結社に由来するものではない。
響の正義を未来が愛するように、サンジェルマンの正義を2人は愛しているのだ。 ……2人が支えになっているかは別問題として。
「二人共……」
美女と美少女スマイル(元男)にサンジェルマンのささくれた心と胃も多少は癒やされたようだ。
パヴァリア光明結社全体で見るとギスギスだが、少なくともこの3人の関係は満点のようだ。
良かったな、パヴァサーの姫!
まぁ、トップがアレアレなのでどうしても行動に摩擦が伴ってしまうのが辛いところ。
「これ以上、アダムにデカい顔させないためにも本気出さなくっちゃね」
「しかし、私は祭壇設置の儀式に取りかからなければならないわ」
「だったら、シンフォギアの破壊はこちらに任せて欲しいワケダ」
シンフォギアの打倒によって地盤を整えたいサンジェルマンと性急に計画を進めたいアダム。
結果、サンジェルマンは祭壇の設置、カリプレの2人は戦闘と貴重な戦力が分断されることとなってしまっている。
個々の戦力は文句なしなのだが組織というしがらみによって思うように動けない。
悪の秘密組織にも制約が存在する姿を描くのが金子彰史である。
そんなわけでパヴァリア光明結社も好き勝手できないのであった。
それに加えてさらに中間管理職の哀愁が漂うのがAXZの特徴かな……
金子彰史の経験が生きたのかな?
「これは……?」
「以前、ガングニールと融合し、いわば生体核融合炉と化していた響さんより錬成されたガーベッジです」
「あーッ! あの時のかさぶたッ!!」
さて、S.O.N.G.の主要メンバーが集まって作戦会議。
キツキツである。会議室でやれい。
生体核融合炉なんてトンデモない形容をされる響であった。
あの頃の響はやっぱりとんでもなかったんだな……
「とはいえ、あの物質にさしたる力はなかったと聞いていたが」
「世界を一つの大きな命に見立てて作られた賢者の石に対して、このガーベッジは響さんという一人の小さな命より生み出されています」
「つまり、その成り立ちは正反対と言えます」
「今回立案するシンフォギア強化計画では、ガーベッジが備える真逆の特性をぶつけることで、賢者の石の力を相殺する狙いがあります」
一見、響の肉体の異常を示せどそれ自体に意味はないかと思われていたガーベッジだが、賢者の石と正反対の特性を備えているようだ。
意外なところから拾ってきた設定である。
そして、またもシンフォギアの強化を企むエルフナインであった。
イグナイトモジュールといい外部拡張が好きである。
必要な機能があるのかどうかわからない301,655,722種類のロックを解除することに苦心するよりも、必要な機能をピンポイントで盛り込む方が手っ取り早いということか。
「つまりは対消滅バリアコーティングッ!!」
「そうです」
「錬金思想の基本であるマクロコスモスとミクロコスモスの照応によって導き出された解答です」
出た! 対消滅バリア!
WAシリーズ御用達の対消滅バリアがシンフォギアにも出てきた。
ほとんどのシリーズに出ていることに加えて、防御兵装であるバリアを攻撃に使うという「どんな力でも使い方次第」な金子彰史作品の全てに共通しているメッセージが反映されている物である。
このメッセージはGX第13話で呪われたダインスレイフを手を取る力として使ったようにシンフォギアにも盛り込まれている。
なので、ただ賢者の石を無効化するだけではない使い方もされる気がしなくもない。
そして、よくわからんエルフナインの話をちゃんと理解している藤尭は、軌道計算を暗算で行う男だけのことはある。
立派なインテリなのだ。
ただ童貞なだけで……
「誰か説明して欲しいけれど……」
「その解説すらわからない気がするデース……」
もちろん、わりと可愛い子たちはわからんちんなのだが。
とりあえず、夢の詰まったことを言っているのはわかった。
「その物質、どこぞのバカの中から出たってんだから、さしずめ『愚者の石』ってところだな」
「愚者とはひどいよ、クリスちゃぁん……」
「うむ、なるほど、賢者の石に対抗する愚者の石ッ!!」
「まさかの師匠までぇッ!?」
クリスの提案によってガーベッジの名称は愚者の石で決定した。
賢者の石の真逆の存在かつ響が生み出されたと見事なネーミングに弦十郎も満足。
同時に「愚者」はタロットにおいては「可能性」を意味するカードである。 その点でも深い意味が込められたネーミングである。
今回のサブタイトルの「ARCANA No.00」は愚者が0番のカードであることに由来したものなのだとわかるし、その点は意識しているのは間違いない。
ついでに愚者の逆向きにした意味は「落ちこぼれ」とかになる。南無。
「一通りの調査を終えた後、無用不要なサンプルとして深淵の竜宮に保管されていたのですが……」
さて、問題となるのは愚者の石の保管場所である。
保管されていたのはGXとWA1に登場した「深淵の竜宮」であった。
これを聞いてクリスの表情が変わる。
やらかした場所だからだ。
「あちゃー……」
「思ってた以上に」
「ペチャンコデスよぉ……」
というわけで、伏せられていた深淵の竜宮のその後が判明した。
レイアと決着を着けた区画だけでなく施設全体が崩壊したようだ。
深海だけに一部区画が崩れれば、連鎖的に全ての区画が崩壊していくのは道理か。
雪音クリス、物の見事にやらかしてた。
1度クリアすると二度と行けなくなるのは深淵の竜宮らしいと言える。 (WA1の深淵の竜宮はクリアすると再訪不可。WA:Fの深淵の龍宮は可能)
(あの時も……)
(バルベルデの時も……)
(今思えば、もうちょっと冴えたやり方があったのかもな……)
レイアを打倒する、ステファンを助ける。
結果を残しているものの深淵の竜宮に右足と代償を支払っているため、クリスの表情は暗い。
AXZのクリスは過去の罪ではなく選択に苦しんでいる。 それでも思い詰めてやらかすことがないのは成長を感じられる。
だからこそ、真綿で締めつけられるように苦しむのかもしれないが。
だからか、AXZのクリスは暗い表情が多め。切ちゃん、何か変なことして笑わせとけよ。
さて、深淵の竜宮の回収作業を行っていたのはマリアであった。
マリアが陸(車)海(潜水艦)空(ヘリコプター)の全ての乗り物を制覇した瞬間である。
全ての領域にまるで死角がねえ。ガンダムかよ、お前は。
そして、この異常なまでの乗り物スキルは未だに説明されていない。 F.I.S.における訓練の賜物であることはわかるが、具体的に説明してもらわないと困る。
多分、終盤でスペースシャトルを操縦して陸海空宇Sになる。
「こんなんで本当に見つかるんだろうな……」
海底から拾った土を地道に調べるのが今回の任務であった。
かなり地味でキツい。
装者だからと派手にドンパチするだけではないのだ。
地味な仕事だってするのだ。
マリアくらいになるとそんな仕事にも派手さを感じるくらいだけど。
そうこうしているとアルカ・ノイズ出現!
モブ死ねェ!
なお、ここが今回のアルカ・ノイズの最後の見せ場で以後いつの間にかいなくなる。
前回はオロチノイズ共々頑張ったのに……
「Zeios igalima raizen tron――」
今回の変身バンクは切ちゃん!
GXからだが均等に変身バンクが与えられている。
イグナイトのバンクも今回切歌と調が稼いでいる。
この調子でマリアさんもイグナイトバンクのために抜剣して散ったら笑う。
というわけで戦闘開始。
まずはアルカ・ノイズを倒してスーパーコンボゲージを溜めろ!
アルカ・ノイズが出張らないとゲージを溜められないから、出さないのも策の一つでは……?
「大丈夫デスッ! 落ち着いて避難をッ!!」
常識人、避難指示を行う。
すげえ……常識人だよ、コイツを……
落ち着いてとか違和感しかねえ……
オデノジョウシキハボドボドダ……
「『大丈夫』なんて簡単に言ってくれるじゃない、このお気楽系女子ッ!」
「誰がお気楽デスとッ!?」
「決まってるでしょッ!!」
それ、「はっぴー すまいる ばけいしょん」のことデスかね!
キャラソンとアニメの連携。
これがシンフォギアだ。
三色団子に信号機といい、的確に突っ込んでくるカリオストロである。
さすが元詐欺師の口撃力。
そんなカリオストロのビームをかわすと、職員たちが貫かれてしまう。
切歌個人で見ればベストな選択だったが、その選択故に本意ではないとはいえ周囲に被害が及んでしまった。
これもまたAXZの所々で描写されている選択の難しさの一端であろうか。
「あらら♪ 誰のせいかしら?」
許さねえ! ブッ殺してやるデス!
といきり立つが切歌も調もあっさりと圧倒されてしまう。
やはり、単純なパワーではファウストローブの方が上のようだ。
助けて! ウェル博士!
はい! LiNKERブチ込んで絶唱!
「ダインスレイフを抜剣できないシンフォギアなんてチョロすぎるワケダ」
「ここでぶち壊されちゃいなさい」
カリおっさん、面白いポーズ決めるなし。
戦い方が面白いプレラーティとポーズが面白いカリオストロ……
バランスが取れているな!
「連中の狙いはシンフォギアの破壊……?」
「愚者の石ではないのデスか?」
「だったら派手に行くぜェッ!!」
圧倒される一方で愚者の石が狙いではないことはわかる。
GXでは情報漏洩しまくりだったが、今回はそうでもないようだ。
そうなると防衛の意味合いが薄れてくる。
だったらミサイル連打!
……雪音さん、そういうところが二次被害を増やすと思うんデス。
あとそのミサイル、必殺率が低いから。
「そのまま作業を続けてくださいッ!」
「奴らは愚者の石のことを知らないようだ」
「回収作業のことが知られれば邪魔されかねない」
一方、回収作業に従事していた残りの装者はそのまま回収続行を命じられる。
プロのヘリ操縦士を上回る作中最高の操縦スキルを持つマリアが回収作業に携わるのはわかるが、響と翼がここにいる理由はよくわからない。
襲われた時に戦うためだろうか。
シンフォギアでも水圧は辛いとは思うが……
そもそも、水中だと唄えないから必然弱くなりそう。
マリアさん、寂しいとか言いましたか、もしかして。
「でも、賢者の石の力が相手ではッ!?」
「ユニゾンです」
「切歌さんと調さんの歌を重ねれば――」
「抜剣せずとも対抗できるッ!!」
そのため、突破口をユニゾンに見出す。
偶然の産物めいていたユニゾンだが、GX第5話でフォニックゲインの向上が確認されてから有用性が認められたようだ。
そして、ユニゾンした時の2人の戦闘力は装者中最強!下位組になるのが調と切歌。
— 金子彰史@シンフォギアAXZ (@akanekotwitte10) 2015年8月15日
調は応用力や汎用性に秀でるけれど突破力に欠け、切歌はその逆という設定です。
単騎で見ると見劣りする2人ですが、シュルシャガナとイガリマのユニゾン効果は、上位組を凌駕する響の爆発力をさらに上回る設定なので、これまた弱くありません。#symphogear
それでもここに至るまで使われないのはやっぱり難度だろうか。
安定してスペックを引き出せる抜剣の方が重宝されるか。
ユニゾンは装者も大変だし中の人も大変なワケダ。
「だったら埒をこじ開けるッ!!」
プランが決まるとクリスはガトリングでカリオストロを攻める。
当然、粘っこい水流バリアで防がれる。
この埒をこじ開けるという台詞、GX第10話のキャロルがレイアに出した指示に似ている。
かつてのライバルを意識したものなのか?
ついでに「埒を明ける」という表記なのでこじ開けるはちょっと表記的におかしい。
まぁ、クリスだしな!
「根性ォォオオォオオオッ!!」
防がれてもなおクリスは面白いことを言いながら突っ込んで水流バリアを打ち破る!
そうか! 面白いことを言うのが大事なのか!
クリスはこれで狙い撃ちキャラなので、こうした力押しはけっこう珍しい。
まさに根性である。
冴えたやり方……なのか?
(ベーゼ可能なゼロレンジ――)
(だけど、あーしの唇は安くない)
そこからAXZで多用している弓イバルを構える。
接近戦だからってライフルで殴るのは止めたんだね、雪音……
このままだとヘッドショットになって絵面的に最悪である。
顔は止めて!
「ドッキンハートッ!?」
この零距離弓イバル、カリオストロにはかわされてしまう。
だが、真の狙いはヘッドショットではなく切歌を運ぶためだった。 すっかり装者を輸送する立ち位置に収まったクリスだ。
お前それでいいのか?
いや、仲間をサポートするのも先輩らしいと言えば先輩らしいが……
ともあれ、ワンマンプレーはどこへやら、AXZでは仲間の援護が増えたクリスであった。
あとやっぱり面白いことを言うのが大事なのがわかる。
「さあて、いっちょやらかすデスよッ!!」
「切ちゃんッ!!」
いや、やらかしたらいかんだろう。
ともあれ、クリスのファインプレーによって無事に合流だ。
あんなやり方が必要と言うことはいつの間にか分断されていたことがわかる。
好き勝手やっているようで戦力の分断からの個々の戦力で押すと錬金術士は作戦を考えているのだ。
まるで将棋だな!
「鎌をブンブンするのDeathッ!!」
そして、ザババコンビの奥義、ユニゾンによる「ギザギザギラリ☆フルスロットル」!
そんなわけで早速鎌ブンブン。
ベーゴマかな?
フォニックゲインが高まっているのか、プレラーティは余裕で受け止めることができない。
「ちっちゃいって舐めないでッ!」
「電ノコは一番痛いのunderstandッ!!」
さらにヨーヨーを合体させて調が追撃を行う。
1度はかわすが紐付きの利点を活かし、戻すことで変則的な攻撃にプレラーティは翻弄される。
ユニゾンだけでなく息の合った連携が2人の持ち味なのだ!
これで剣玉バッティング攻撃の借りを返した形である。
お前ら、玩具で戦うな。
「調ちゃんと切歌ちゃんのフォニックゲイン、飛躍していきますッ!!」
「この出力でならッ!!」
飛躍的に上がったフォニックゲインと息の合った連携でプレラーティは防戦一方である。
ユニゾン中のきりしらは装者最強なのだ!
死ね!
「うだつの上がらない詐欺師紛いだったあたしたちに、完全な肉体と真の叡知――そして、理想を授けてくれたのはサンジェルマンなワケダッ!!」
「だから、彼女のために負けられないワケダッ!!!」
力では圧倒されてしまっている。
そこでプレラーティがすがるのはサンジェルマンであった。
何か女神みたいな扱いっすね。
この人、胃痛に苦しむ中間管理職だからあまり過度な期待をせんでも……
だが、プレラーティにとってのサンジェルマンはこういうイメージであることはよくわかった。
カリオストロも同じであろう。
それほどの想いを抱かせるほどの過去がサンジェルマンとの間にはあるのだ。
「楽しいこと気持ちいいことだけでは理想には辿り着けないワケダッ!!」
お、金子彰史の独白かな?
普段のダウナーっぷりはどこへやら、熱くなっている。
プレラーティもシンフォギアの登場人物らしく、熱いモノを抱えているのだった。
……第2話で楽しいことを優先していた人間の発言とは思えないが。
「KIZUNAギュッと熱く束ね、さあ重ね合おう――」
「「大好き」(「大好き」が)が溢れる(溢れる)」
そして、合体必殺技「禁合β式・Zあ破刃惨無uうnNN」!
読みは「ザババサンムーン」か。
既存の必殺技を組み合わせた「禁殺邪輪・Zぁ破刃エクLィプssSS」に対して「禁合β式・Zあ破刃惨無uうnNN」はアームドギアとアームドギアを合体させたまったく新しい必殺技である。
ザババルンバで合体というネタを思いついたのか?
「禁殺邪輪・Zぁ破刃エクLィプssSS」が最高の相性の必殺技の合体なら、「禁合β式・Zあ破刃惨無uうnNN」は合体アームドギアによる一撃というわかりやすいコンセプトだ。
2人の合体技は意外と機能美に満ちている。
これを見ると「TRINITY RESONANCE」のどうかしている感はとんでもない。
「支え合って強くなろうッ!!」
「理想のためにィッ!!」
引けない想いと引けない理想が真っ向から激突する!
出し惜しみのない戦いが続き、今回もまた出し惜しみがない。
支え合いたい切歌と調と、支えたいプレラーティの構図である。
互いに思い人はいれどその想い方は異なる。
「何ィ……ッ!!?」
「あああぁあああぁぁぁああッ!!」
この激突、今回はザババコンビが圧倒して勝利するのだった。
プレラーティは海に落ちた後に謎の爆発をする。
何だろね、この爆発。
まぁ、やられたら爆発するよね。
ユニゾンの爆発力は錬金術士とファウストローブをも上回った。
装者最強という設定を裏付ける大活躍であった。
そんな2人を正面から叩き潰したミカの強さがどれほどのものかわかる。
前提条件はいくつも異なるとはいえ、余裕綽々で圧倒したミカはやっぱすげぇよ。
キャロルたちは結果的にはパヴァリア光明結社に踊らされた立場なのかもしれないが、強さという一点においては負けていないどころか勝っている。
やっぱり、キャロルたちの強さは想い出エネルギーによるものだろうか。
結社の錬金術との最大の違いはそこだろうし、想い出エネルギーはハイリスクなだけに相当な出力を誇ると見ていいだろう。
キャロルたちの強さの凄まじさはむしろ死後に明らかになっていくのであった……
「ここまでにしてあげるわッ!!」
カマホモ、如何にもな捨て台詞と共に撤退。
やられたい放題だった錬金術士に初めて一矢報いることができた。
それを小粒だったはずの切歌と調がやってのけた。
前回といい2人の活躍が続く。
だから、イグナイトモジュール瞬殺は忘れてやれ!
「重ね合ったこの手は」
「絶対に離さないデス」
「そういうことは家でやれ……」
そんなわけでラブチュッチュ。
あれか……ユニゾンするとこういうムードになるからなるべく封印していたのか……
それにしてもユニゾンの強さを見せつけられると、その上で戦い合ったGは相当な修羅場だったに違いない。
お互いに必殺技を駆使する激闘だったし……
「順調に行っているようだね、祭壇設置の儀式は」
「はい、ですが中枢制御の大祭壇設置に必要な生命エネルギーが不足しています」
さて、一部の愛されキャラ、サンジェルマンは祭壇の設置を進めているようだ。
順調ではあるが大祭壇設置のための生命エネルギーが足りない。
想い出じゃ! 想い出を使うんじゃ!
アダムの想い出とかお手軽だぞ!
「じゃあ生け贄を使えばいいんじゃないかな」
「え……?」
「あの2人のどちらかを」
「………………ッ!!」
「十分に足りるはずさ、祭壇設置の不足分だってね」
「完全な肉体より錬成される生命エネルギーならば」
サンジェルマン、またも無茶振りをされる。
カリオストロとプレラーティのどちらかを生け贄にしろと言われる。
月の遺跡を掌握すればいいと言うわけでもなく、そこから防衛戦もあるだろうから戦力を目減りさせるのは良くない。
そんな先のことを考えず短絡的な手段を選ぼうとするのがアダムが無能たる証か。
そして、命を礎と言ったのに動揺しまくるサンジェルマンさん。
アダムのように命の価値を安いと言えない人間なのである。
非道をやれるのも理想という大義があってこそだろうし、それがあっても仲間の命を捧げろと言われると狼狽える。
悪にはなりきれない人間なのであった。
まったく、悪を貫く()マリアさんを見習えよー!
狼狽えるな!()
「局長……あなたはどこまで人でなしなのかッ!!」
「選択してもらおうか、君の『正義』を」
正義の選択を強いられているんだ!
装者たちが選択と向き合うようにサンジェルマンも選択と向き合うことになった。
選択がAXZのテーマなのか。WA4のテーマである進化がどこかに割り込む気はするけれど。
胃潰瘍のリスクを抱えながら次回へ続くぅ!
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