それは甘さとも優しさとも言える弱点だ。
事実、この甘さがドイルに敗北を認めさせるに至っている。
でも、相撲相手には甘さでありピンチだ。
どうする、克巳。どうする、烈。
さて、ここで格闘技における頭部への打撃について語られる。
頭部への打撃の役割は大きい。
何せ人体の究極の急所、脳があるからだった。
その脳への打撃で有効なのはアゴとコメカミ狙いの打撃である。
アゴに関してはバキの歴史上においても幾度も効力が実証されている。
特にその打撃を得意とするJr.はアゴ狙いの打撃で独歩や渋川先生を下している。
逆にコメカミ、テンプルに関してはあまり効力が実証されていない。
とはいえ、一般的にはテンプル狙いの打撃は禁止されることもあるくらいには危険だ。
喧嘩稼業では化け物力士、金隆山がテンプル狙いの打撃によってくも膜下出血で死んでいる。
それに加えて頭突きが効果という点では高いのだった。
人体で最も硬い額を鼻へと叩き込む!
バキでも幾度も行われてきた打撃である。
勇次郎でさえオリバの頭突きは想像したくないと言わしめている。
今の勇次郎だと言わなそうですけどね!
この頭突きで脳は揺れるのだが、失神はしない。
それは痛いからであった。
って、独歩の時に同じことやったよ!
説明の段取りは違うとはいえ、何かリフレインする感じですね。
そんなわけで頭突きは痛い!
バキ史上でも頭突きを食らった格闘家の落涙率はかなり高いがそれも痛みによるものか。
そんな頭突きを食らった克巳は大ピンチだ。
それだけではなく馬乗りされている。
今後もさらに頭突きを食らう可能性がある。
「助かるわァ」
だが、克巳は独歩と同じ言動を行う。
馬乗りになった獅子丸は張り手で攻めるが、その言葉を裏付けるようにいずれもかわされてしまう。
一見すると絶体絶命だが倒れた相手への攻撃は力士が不得手とする状況だ。 特に大相撲では求められない技術だからか、研鑽が足りないのだろう。
フィジカルは地下闘技場戦士に匹敵するが、対応できる状況が相撲だけなのが力士の弱点だろうか。
克巳はマウントを取られる前に終わらせるのが空手とズールにマウントポジションを取られた刃牙を見て言っていた。
とはいえ、マウントポジションへの対策はもはややって当たり前。
克巳も独歩も十分以上の対策はしているだろうし、だからこそ初めてやってみたようなマウントポジションに遅れを取ることはないのであった。
「バカ……関取が立たんでどうするッッ」
完璧にかわされてしまって呆気に取られる獅子丸に対し、金竜山は内心毒づく。
うーん、この人、やっぱり地下闘技場戦士を貶めるためにこの試合を組んだのでは……
まぁ、元力士なので立場的には大相撲の敵でも心情的には味方なのかも。
金竜山本人は本部相手に相撲を貫いて勝っているし、下手に統合格闘技の真似をするのは悪手だと知っているのだ。
相撲を貫いた結果、猪狩には負けちゃったけどね……
克巳は甘いマウントポジションは楽に凌げる。
しかし、180kgの巨体に馬乗りになられているのはピンチに変わりはない。
ここで克巳が引き出した逆転策はこれ!
烈の右腕で金玉を掴む!
出た~~~~~~!!
ついに金的出た~~~~~~!!
マワシに守護られているからやらないかと思っていたけど、ついにやった~~~~~~~!!!
やっぱバキと言えば金的ですよ。
刃牙もよく金的を喰らっている。
「デカいね(はぁと)」
マワシ越しに金玉を掴んだのか、あるいはマワシの脇から直接掴んだのか。
とりあえず、獅子丸のそれはデカいらしい。 そっかぁ、デカいのかぁ。
反応に困る反応は止めい。
握り潰したのか、あるいはほどほどで収めたのか。
どちらかはわからないが金玉をぎゅっとされて獅子丸は戦慄する。
そして、腰が付いた瞬間を見計らってマウントポジションから脱出する。
克巳の武器である才能を用いたと言うよりも機転が利いた脱出である。
さすが独歩の息子。甘いところもあるが、汚いところは汚いのだ。
「ゴメンな烈さん」「あんなもの握らせちまって……」
だから、反応に困る反応は止めい。
生々しいわ!
とりあえず、今後バキの薄い本を作る人はこの台詞は是非採用して欲しいですね。
烈自身は生で金玉触るのは問題ないですよ。
全裸時代のピクルに素手金的を敢行しているし。
あの時は手の甲で打ち込む感じだったから、全力で握ることはなかったけど。
この言動から察するにやっぱり生で握ったのだろうか。 生金的はシコルスキーやピクルに行われてきたけど、生で握ったのはアンタが初だよ、克巳……大人の階段を登ったね……
獅子丸は四つん這いになり悶えている。
格ゲーで言うぴより中である。
すかさず克巳はアゴに蹴りを打ち込む。 一瞬で意識を途切れさせる打撃だ。
もう1回くらい金玉に打ち込めば完全決着だったのに……
この蹴りで勝負が決まるのか、あるいは獅子丸最後の反撃が行われるのか。
さすがに次回辺りで決着だろうか。
個人的にはマッハの格を取り戻すトドメを刺して欲しいところだ。
バキシリーズの中でも特に印象的な必殺技なのだからマッハ効かねえ!で済ませちゃあかんですよ。
烈の右手でマッハ突きを放て! ただし、狙いは金玉!
それにしても2020年に始まった大相撲軍団との戦いだけど、きりよく年内に終わりませんでしたね。
決着は来年に持ち越しである。
残り2戦は刃牙と宿禰だから何か消化試合になりそうですけどね。
特に刃牙は塩試合の達人だ。 2秒くらいで終わらせるくらいがスピード感があってもいいかもしれませんが。
2020年は宿禰が全然出てこなかったので大変扱いに困った。 驚き役くらいはやって欲しかったけど、驚き役としてもいいリアクションをしなさそうなんですよね……
花田なら今頃マウント斗羽に狩られていますよ。
来年の次回へ続く。