バキ道感想 第124話「鉄球」



宿禰に続いて蹴速も最強争いにエントリーした。
何か周回遅れ感はあるけど。
そして、宿禰さん、完全に忘れ去られました。
相変わらず敗者には厳しいのがバキ世界ですね……

さて、蹴速が殺生石を破壊した経緯が描かれる。
夜中に殺生石に飛び蹴りを放ち真っ二つに割る!
終わり! 閉廷!

これだけだとあっさりすぎるので深掘りすると、蹴速の肉体が描かれている。
三角形の宿禰ほどでないが筋肉が脂肪に包まれている。
筋肉ムキムキマッチョマンが多いバキ世界では珍しい。
現実寄りの体付きと言えよう。

その肉体から放たれたのは飛び蹴りだった。
同じく古代相撲繋がりの宿禰はかつて先祖が用いた蹴りと同じようなフォームで蹴りを放っていた。
だが、蹴速は飛び蹴りと宿禰より現代的だ。
蹴り自慢だけあって、ただ蹴るだけでなく技術的にも進歩させたらしい。
宿禰も宿禰でゼロ距離での蹴り上げを使ったりと現代に適応しているんですけどね。

宿禰にとって蹴りは非常に強力な武器だが決定打にはならなかった。
勇次郎には通じず、ジャックには歯を蹴ったのに自分のダメージの方が大きかった。
通用したのは零鵬くらいですよ。
宿禰にとっての蹴りはフィジカルに任せたものであって、研鑽を重ねた一手ではなかったのかもしれない。

だが、蹴速は蹴りに磨きをかけている。
イケる!……のか?
バキ世界の蹴り自慢と言えばムエタイにテコンドー、あと範海王だ。
はい、全員噛ませ犬です。
大丈夫っスかね……

また、真っ二つになった殺生石に一礼したことから、宿禰同様にスピリチュアルな感覚の持ち主らしい。
宿禰同様に秘境で世俗から隔離されて育ったのだろうか。
そのわりには宿禰は世慣れしているというか、フランクではあったけど。

ここまでに10ページ。
もう半分終わってんぞ!
で、舞台は現在に戻って勇次郎が部屋に入ってくる。
みっちゃんに招かれたのだろうか。
何かすっかり仲良しだな、君たち。

物言わず入って来た蹴速は強い衝撃を覚えた。
ハンマー投げ選手が全力を鉄球で振り回しながら入室したような衝撃!
密室でのハンマー投げは勇次郎がドレスを用いた時と同じイメージだ。
なので、蹴速のこの予感は極めて正確と言える。
なお、かつては2/3ページで描かれた密室のハンマー投げは見開きに大増量です。

そんな危険を感じながらも蹴速は動じていない。
勇次郎を見ただけで冷や汗を流していた宿禰とは違う。
胆力は宿禰より蹴速の方が上か?
今回の勇次郎は特にキレていないからそこも大きいのかもしれないけど。

「蹴とばすのが―――」
「速ぇえと書いて「蹴速」」
「さて……」
「どんだけ速ぇえ?」


勇次郎は蹴速の蹴りに興味津々だ。
いきなり蹴速VS勇次郎になる……のか?
とりあえず、息子よりもモチベーションが高そうだ。
……新たなライバルが出たのに姿を見せないのはさすが範馬刃牙だ。

宿禰の蹴りは消力でいなした。悪く言えば逃げた。
蹴速の蹴りにはどう対抗するのだろうか。
モロに受けてもまぁ平気だとは思いますが。

蹴速はいきなり勇次郎に絡まれてしまった。
これで勇次郎を驚かせれば新たなライバルキャラとしてやっていけるかもしれない。
でも、宿禰みたいになれば詰みだ。
いきなりそんなことになれば蹴速の人生はライブ感に溢れすぎてるな。

これで勇次郎がへっ下種の蹴りなどカスリもしないわと言いながら蹴りを受けてあっ一発で折れたッとなれば伝説ですよ。
最近の勇次郎は落ち着いていますからね。
タフの鬼龍さんを少しは見習ってはっちゃけてもいいかも。
……いや、鬼龍さんになられてもそれはそれで困るが。
次回へ続く。