刃牙らへん感想 第7話「花田派と鎬流」



昂昇と花田がまともに戦っている!
こんなマッチングが許されるのはグラップラー刃牙時代の花田全盛期だけですよ。
本部流はどいつもこいつも急に強くなるから困る。


昂昇が花田のジャケットを素手で切り裂く!
針金を切る鋭さを持つのだからジャケット程度を斬るのは余裕らしい。
また、これでわかることは花田は本部と違って防刃ジャケットを着込んでいない。
準備が足りない。ちょっと本部度が足りませんよ。
このままでは公園で輝けないぞ?

「プロレスと武術……」「対極に位置しながら本部流は例外」
「爆薬…」「手裏剣」「ロープ」「火炎」
「まるでプロレスだ」


昂昇は本部流とプロレスの類似点を語る。
語るけどプロレスで使うのは精々火炎くらいの気はする。
使う武器のバリエーションの豊富さを指摘しているのか?

でも、本部流でも火炎はまだ使っていない。
爆薬と手裏剣とロープは十八番でも火炎は使っていないぞ!
本部がいきなり火を吹き出しても何の不自然はないけど。
むしろ、自然なくらいだ。
ドリアンでさえ火を吹いたのだから本部だって火を吹くさ!

ともあれ、プロレスと似ているなんて武術家としては侮辱に等しい。
実戦派の雄、本部流が興行そのもののプロレスと同一視されるのは我慢ならないだろう。
これは挑発か?
怒った花田の迂闊な一撃を誘いたいのか?

「隠し武器は本部先生の特許」
「寸鉄身に帯びず」
「花田派は非武装を旨としている」


ここで花田は自分のスタンスは非武装だと語る。
武器を使うかどうか気になっていたところだが、この言葉に嘘がないとすれば花田は武器を使わない。
本部流と言えど本部とは違う道を行くのが花田なのだ。
武装をし始めると切りがないので、こういうスタンスをハッキリしてもらえるのは助かる。
いきなり煙玉とか使い始めたらどう反応すればいいのか困っちゃうし……

そんなことを言う花田だけどジャケットを投げつけたばかりなんですけどね。
日常の中で身の回りに付けているものならノーカウントなのか?
それなら非武装の理屈はたしかに通る。
この辺の基準は独歩がかつて語ったラインが守られていると言えよう。

「鎬さん アンタ一つ間違っている」「プロレスって原則 相手を傷付けない」
「プロレスは格闘演劇 見ての通りやはり武術とは対極だヨ」


その上でプロレスとの違いを語る。
相手を傷付けないように台本の元に進行されるのがプロレス。
ならば相手を傷付けようと勝ちを目指す武術とは違うのだ!
そのプロレスに思いっきり傷付けられたのが花田なのですが。
金竜山といい一つの敗北を引っ張り続けるのが本部流なのか……?

戦っているはずなのに喋ることを本部に指摘される。
本部! お前がやるべきは注意ではなく解説だ!
本部の一言で緊張感が解けてしまったのか、花田は笑い昂昇はため息をつく。
その直後に昂昇は不意打ちの飛び回し蹴りを放つ。
不意打ちも武のうちなのだ!

その蹴りを花田は身をかがめてかわすのだが額が切れる。
さらに拳足双方を用いた昂昇の猛攻は続くが花田は捌き続ける。
その姿は勇次郎の打撃を捌き続けた本部のようである。
……褒め言葉だよな、これ。

打撃対策は本部流の要とも言える。
本部はそこを弱点と認め総入れ歯にしながらも6年に渡って対策し続けた過去を持つ。
花田はその姿を見ていただろうし、 加藤レベルの打撃に不覚を取られたけど 自身も打撃対策に注力していることは想像に難くない。
昂昇の打撃を捌くのも自然じゃ!

花田は捌くばかりか、昂昇の打撃を捕って投げる。
昂昇は見事な受け身で体勢を立て直しノーダメージでやり過ごすものの花田のカウンター投げには冷や汗混じりに驚愕する。
さっきまでの余裕が消えたと言えよう。
花山のパンチにもカウンター投げを成功させただけのことはあるのであった。



「まずまずは防御ふせいだハズが――」「ご覧なヨ」「手足がこのザマだ」

だが、打撃を捌いたはずの花田は大量に出血していた。
直撃はないのに触れただけで切り裂かれている。
直撃しても切り裂けなかった以前の斬撃空手から大いなる進化を果たしている。
もはや凶器そのものだ。
今、ドイルにやったような急所攻撃をやれば殺しかねない。
もはや紐切りに頼る必要さえなくなった。

「”組手”の域を超えた」
「ここまでとする」


互いが互いに脅威となる武器を持っている。どちらが勝つのかわからない。
そんな戦いを止めたのは本部だった。
少なくとも花田は負傷し出血している。
昂昇だって投げが直撃していれば重篤なダメージを負っていた。
このままでは組み手で済まないのはその通りだ。

テンションに任せず試合の中断を提案するのは年長者らしい。
神心会の門下生の指を折り肘を折り蛍光灯に叩き付けたリッパー本部はもういない。
あの頃の本部は妙に殺意が高かったけど。
高すぎて第4巻でキャラが変わっちゃったけど。

昂昇VS花田は水入りになって勝負なしなのか。
それとも組み手を越えた域で勝敗を決するのか。
わざわざ昂昇を呼んだのは本部なのに何を狙うのか。
花田が不利だから仕切り直そうというわけでもあるまい。

こうした実力を隠していた格闘家たちがしっかり実力を競い合える場を作るのがみっちゃんの仕事になってくるのだろうか。
それで昂昇や花田だけじゃなく他の格闘家にも見せ場が与えられれば嬉しいのですが。
そうなるとジャックの出番はなくなりそうだ。
明らかに有名な実力者側だし……

出番が欲しいキャラとしてはやっぱり寂海王ですね。
それなりの実力と曲者の中の曲者と未だに並ぶ個性を持つ者がいない。
強いて言えば本部だけど、何か本部、違うんだよなぁ……
強い本部は解釈違いという厄介な古参なだけですが。

他にもゲバルも唯一の忍者という個性があるのに1戦しかしていなくてもったいない。
龍書文もそうだけど……こっちは外伝のチハルで出ちゃいましたね。
ついでに死刑囚たちの復活もやって欲しい。
蘇った死刑囚たちを隠れた実力者たちが迎え撃つ展開は燃える。
いや、それって死刑囚でけっこうやってたな……

ともあれ、昂昇VS花田はどうなるのか。
いい機会だしどこへ向けて物語が進んでいるのかもハッキリしてもらえれば助かる。
次回へ続く。
次週は堂々の休載! 1週間の休みで済めばいいのですが。