アニメ版範馬刃牙感想 第17話「ただ会いたくて」第18話「音速の向こう側」第19話「灼熱の時」第20話「祈る野生」



来週から刃牙連載再開! その名も『刃牙らへん』!!
刃牙らへんはバキ道最終話に出てきたワードだけどよもやタイトルになるとは……
その辺については感想の最後の方で触れるとしてアニメ範馬刃牙、克巳編だ!!

克巳がピクルに挑むべく神心会を総動員してピクルを探す!
ドリアンをあっさり見つけた組織力は相変わらずだ。
さすが日本最大の暴力組織だけある。

しかし、克巳さん、大丈夫なんですかね?
君、何かいまいちだよね?
烈にワンパンでやられたり、ドリアンにやられたり、ドイルに粉塵爆破されたり、直近だと勇次郎に小馬鹿にされたり……

そう思ってしまうけど屈指の実力者、花山に勝つ。最大トーナメント後の烈との練習試合では互角に渡り合う。ドイルとの再戦は完封する。
克巳は強いところはしっかりと強いのだ。
やらかしの大きさが目立つけどその実力は天才の二つ名に相応しいものがある。
精神の未熟さはドリアンにやられた時点で指摘されていたし、克巳編はそこと向き合う物語と言えよう。

精神面が不安定な克巳だったが烈との対話を経てピクルと戦う理由を見つめ直す。
烈の仇討ちは建前。やりたいからやる!
だからこそ、烈は協力を打診する。
磨くべくかつて烈を戦慄させた必殺技、マッハ突きだ!!
けっこう久し振りに持ち出しましたね、マッハ突き。

バキ世界は一応リアル路線なので必殺技を連投することは少ない。
主人公の初代必殺技の剛体術なんて1回使った後に10年くらい放っておかれている。復活の2回目なんてまったく通じなかった。
そんな中でマッハ突き復活! さらに郭海皇のアドバイスもあり関節を多重化してさらに進化!!
何でそうなるんだよ! むしろ、何で多重化できるんだよ!?
一応リアル路線……?

こうして進化したマッハ突きをひっさげて克巳はピクルとの勝負に挑む。
東京ドームで門下生一同が見守る中、死闘開始だ!
下手すれば食われるのに派手なことである。
なお、ピクルは今回もフンドシなのでみんなに見られても恥ずかしくないもん。

克巳は急所五連撃に金的をピクルに食らわせるがノーダメージだ。
ピクルのフィジカルは野生の獣同然だ!
バキ世界だと野生の獣のフィジカルは人間以下なんですけどね。
克巳なんて夜叉猿相手に技術じゃなく単純なパワーで勝ってたし。どうなってんだ……?

普通にやってはダメージを与えられないので克巳は早々に新必殺技の真・マッハ突きを繰り出す。
関節を多重化することで真に音速に達したマッハ突きだ! 故に真・マッハ突き!
って、今までのマッハ突きは音速じゃなかったってことか?
音速一歩手前くらいだったのかも。それでも凄まじい速度なのであまり文句は言えない……

真・マッハ突きは正拳突きだけでなく手刀や上段蹴りにも応用が可能だった。
ピクルからダウンを奪う威力に加え高い汎用性も誇る。
が、本物の音速であるが故に空気の壁に阻まれてしまい、克巳の拳足はボロボロに骨折し血まみれになるのだった。
真・マッハ突きは自爆技であり、威力こそ高いのだが完成度が低いと言えよう。
その辺、郭海皇も何か言ってあげたら良かったのに……

それでも普通の人間が相手なら一発で倒しきれるかもしれないが相手はフィジカル最強のピクル。
ダウンを奪えどすぐに回復されてしまう。
ただダウンを奪ったのなら追い打ちができそうなんだけど、克巳はダメージを引き換えだったのでそれもできない。
というか最強のフィジカル相手に単純な威力勝負というのが不味かったのでは……
克巳はピクルに勝つというよりも自分の限界を破りたかった感がある。

追い詰められた克巳だが空気の壁を突き破る衝撃そのものをピクルにぶつける当てない打撃という真逆の発想に至る。
そのために真・マッハ突き以上の速度を出した結果、克巳の右腕前腕部は肉がちぎれ飛び骨だけになってしまう。
何度見てもキツい描写だ。もうちょっと効率というか、伝導率とか安全性を考えても……

だが、ここまでやってピクルを気絶させるには至らず眠っているだけだった。
メガンテで倒せるボスキャラはハドラーくらいですものね……
食われてしまうことになるかと思いきや、克巳の命がけの戦いはピクルの心をも打ち、見逃してもらって無事に生存する。
克巳はただの餌ではなくピクルの友となった瞬間であった。
友ならもうちょっと、こう、穏便にやっつけてくれるとありがたいのですが。

克巳の戦いはピクルだけでなく刃牙の心も打つ。
ピクルとの戦いを決意する!
ただし、明日から!
明日からかよ!?
その間にジャックがピクルに勝負を挑んだのだった。
こうして刃牙がピエロになりながらジャック戦へと続く……


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さて、新シリーズ刃牙らへんについて。
グラップラー刃牙、バキ、範馬刃牙、刃牙道、バキ道と主人公範馬刃牙をもじったタイトルが続いた中で、刃牙そのものというよりも周囲にいる人間を指すようなタイトルだ。
異質である。

ここで範馬刃牙本人のことを思い起こしたい。
正直、範馬刃牙は塩試合が多い。
刃牙VS宿禰なんて塩試合の極みだった。
バキ感想の大御所、だったらイケるぜ様でも刃牙VS宿禰の記事はコメントが90件以上に及んだ。
いや、気持ちはわかる……

加えて刃牙は勇次郎との決着を付けたこともあって目指すべき目標がなくなり、ストーリー上の存在感も薄くなっていった。
バキ道なんて何をしたかったのか、よくわからなかったし。
もっとも、刃牙にやる気があったらボスキャラに勝負を挑んで勝って終わりとなるのでやる気がありすぎても困るのですが。
普通なら修行パートがあったりするところだけど、生憎と範馬刃牙は既に完成している。
修行せずとも普段着で9秒KOですよ。

そんなわけで刃牙を中心とした話作りは既に限界に達している。
なので、刃牙ではなく刃牙以外のキャラに注目するのは自然な流れだし、事実、ずっとそういった内容になっている。
というわけで、刃牙らへんは刃牙ではなくそれ以外のキャラにスポットライトを当てた内容になるのではないでしょうか。
要するに刃牙いらねえということですな。
刃牙の一挙一投足に笑えど心を躍らせることってまぁないですからね。
刃牙の活躍を真面目に期待したのはシコルスキーにラウンド3を仕掛けた時……いや、範馬刃牙復活した辺りが最後か?

とりあえず、ジャックVSピクルが予告されているが刃牙以外が絡んだマッチアップは他にも見たいものが多い。
やらずじまいになっていた勇次郎VSピクルの最強決定戦、ジャックVS克巳の偉大なる息子対決、本部VSゲバルの曲者対決、加藤VSJr.の期待されていたけど期待外れだった対決……
いくらでもネタは思い浮かびますね。
宿禰みたいに無理に新キャラを考えてそれを中心に動かすよりも既存キャラのドリームマッチ路線の方がネタの枯渇は避けられそうだ。

バキ道は宿禰に魅力がなさすぎた。
悟ったようで悪い意味で捉えどころのない態度、それでいて対峙する相手を嘗めている慇懃なところ、ほとんど熱くならず常に冷めたようなテンション……
デブになった範馬刃牙のような男だった。
そりゃ好感度が低い。
だから、板垣先生のモチベーションも上がらず休載が多かったのでは?と邪推してみる。

「刃牙らへん」では書きたいネタがたくさんできてテンポ良く話が進んでくれると嬉しいのですが。
個人的に活躍してくれると嬉しいのは鎬昂昇だ。
ドイル戦の立ち回りが格好良かっただけにずっと推しているのだがどうも出番に恵まれない。
烈海王にも勝てるところを見せてくれ……そのために烈を無理矢理にでも復活させて烈VS昂昇をやっても俺は許す……